2011/11/18

音楽的読唇術・オルタードスケールは存在しないというお話しをアッパーストラクチャートライアードから見る  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百三十九回目の今日はコード奏法編『音楽的読唇術・オルタードスケールは存在しないというお話しをアッパーストラクチャートライアードから見る』というお話し。

途中からの人は、先週の『ジャズのアドリブは「えーかっこしー」の代表。音楽的読唇術の応用その2』と合わせて、2011年10月14日の『ツー・カーはインプロの方向付けと、実は音楽的読唇術の基礎なのだ・・・』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111014/archiveや、今年9月以降の金曜特集を経由してから読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!

いよいよ来週なので広報から!

スペシャルライブのお知らせ!
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赤松敏弘 meets ハクエイ・キム w/小山太郎 & 生沼郁生

■11月23日(水/祝)17:30-横浜・関内「KAMOME」(開場16:30、終演20:30予定) 
料金:4000円(1ドリンク込み)
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毎度こだわりの25-25プロデューサー・プレゼンツ第六弾! 今回は注目の若手ピアニスト、ハクエイ・キムと赤松の初コラボ。祝日の夕方というセッティングなので横浜観光がてらにお食事も出来るKAMOMEへ!! 人気メンバー集結の為、御予約はお早めに!

出演:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)生沼郁生(b)小山太郎(ds)

問い合わせ・予約は以下まで。

(TEL予約)
090-3139-9200(担当:森本)
(e-mail予約)
taka2525@s2.dion.ne.jp

横浜・KAMOME
http://www.yokohama-kamome.com/
アクセス:
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市営地下鉄 関内駅 徒歩3分
東急東横線直通 みなとみらい線 馬車道駅 徒歩5分
JR 関内駅 徒歩5分

〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町6-76
Tel 045-662-5357
Mail kamome@yokohama-kamome.com

ヨロシク!

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先週はジョン・コルトレーンの“Moment's Notice”のいわゆるII-Vモーションを別の捉え方で置き換えて行く方法の一つを解説しましたが、今回はもう少しそれを発展させてみましょう。

「“One Note Samba”と“Moment's Notice”。どちらが難しい曲だと思う?」

少しジャズをかじった人ならこの質問に「そりゃ“Moment's Notice”でしょー」と答えるでしょうね。

でも、それは曲以外のいろいろな情報、例えばジョン・コルトレーンというサックス奏者が残した偉業に対しての評価や音楽の肌触りなどから受けた印象に左右されているところが、実は大きいのです。

もちろんジョン・コルトレーンの音楽が「簡単」などと言う気は毛頭ありませんよ。
ただ、単純にこの二つの楽曲に秘められた謎を解き明かして行くと、ひょっとすると“One Note Samba”は“Moment's Notice”以上にいろんな秘密が閉じ込めているのかもしれません。
音楽の外見だけでなく内面を見てみると、です。

この金曜ブログでは、重要なコードスケールのリストからオルタード・スケールを外しています。
これはあくまでも初期の段階において、という原則付きです。

「えー、ジャズの本を読んだらオルタード・スケールを使いこなすのが肝心だと書いてありますよー」

そんな事、思っている人もいるでしょうね。
でも、僕はオルタード・スケールには出会った時から違和感を覚えているのです。

「こいつ、中途半端な奴だ」ってね。



人間の聴覚の中には音程を段階的に判定して行く尺のようなものがあるといいます。
音程の勉強をすると「完全音程」というのが出て来ますね。
完全四度と完全五度です。

和音の構造をおおまかに言うと、完全音程を骨格(ジャズで言えばコードトーン)に持つ和音は安定感があり、無い和音は不安定だと言われます。
いつまでも安定していたのでは和音が動き出しませんから、和音の流れには上手く「安定」と「不安定」を配置して流れを出すわけです。

「安定」したものはどんどん発展するとともに「不安定」な要素をまとい、「不安定」なものは「安定」を求めてさまよう。まぁ、物凄く大雑把に言えば、和音の流れは常にこの二つの要因を繰り返している事になります。

で、話は一気に飛び出して“One Note Samba”が出て来ます。

今日の話は、この最初の四小節を見るだけで既に大きな鍵があるのです。

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(クリック、開いた画像をさらにクリックで拡大/以下同じ)

まずはこのメロディーにこのコード。もう何度も出ているのでお馴染みでしょう。

しかし、この部分を演奏する時に、「固定ド」の人が陥りやすい勘違いがあります。
なぜ勘違いしやすいか?
ココで「転んだ」経験のある人(たぶん、固定ドで絶対音感風な人が多いはず・・・)は、今日の解説を読む内に、少しずつ転んだ原因が見えてくると思います。
それを克服すると和音の対応に柔軟性が出て来ますから頑張りましょう。

まず、元々のキー(Bb)には存在しないドミナント・コード(2,4小節目)の素性を明かしておかなければいけませんね。

二小節目と四小節目にあるトライトーン(コードの3rd,7thの音)を割り出しましょう。

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ビブラフォンやマリンバのコード伴奏(カンピング)で左手の基本となる音なのでまったく特殊な音ではありませんね。

問題はこれからです。

二小節目と四小節目の増四度の音程はドミナント・コードの証しとも言えるものです。これに和音の根音と完全五度をプラスしたものを日常的にベーシックなコード・ヴォイシングとしているわけですが、増四度音程というのはヴィブラフォンやマリンバ、あるいはピアノの鍵盤で見るとわかるようにオクターブをちょうど二分割した音程になります。

真ん中(平均律に於いてという限定ではあるが)というのは「どちらにも転がりやすい」という意味もあるし、「どちらに転んでもいい」という意味もあります。

つまり真ん中は「安定」とは真逆に「不安定」要因になるわけですね。
そうなると、これまでコード・ヴォイシング上ではどんどんコードスケール上のテンションに置き換えたコードの根音(root)と完全五度(5th)にコードの決定権が与えられている事になります。

この四小節の場合も・・・

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このように解釈すれば、二小節目はDb7、四小節目はB7となりますが・・・・

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このように解釈すると、二小節目はG7、四小節目はF7になります。
つまり、Db7はG7で、B7はF7で「代理」できるわけです。
このようなコードの事を「代理コード」(substitute of V7)と呼びますが、一部ではこれがサークル・オブ・フィフスの円グラフの対面にある事から「裏コード」と呼んだ時期もあります。
ただ、どちらが「表」でどちらが「裏」かという事ではないので、「V7の代理コード」の一員と覚えておくといいでしょう。

じゃ、「代理」が利くならこんな風にコードを置き換えると演奏って随分楽になるんじゃないの?

ははぁ。なるほどね。
それは確かに言える事ではありますが・・・・

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こうなっちゃいますね?

確かにこれだといわゆるII-Vなので、リック(短いフレーズの節回し)で演奏している人なんかだと、「イケる、イケる、ツー・ファイブのフレーズが使えるじゃん」って思えるよねぇ。

メロディーを伏せると、もっと「その気」になって来るでしょう。

だって、、、ほら、ね。

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大きな勘違いというのは、それまでに自分が習得した知識で全てを語ろうとした時に起こります。
この曲をある程度アナライズして、コードの事も何となくツー・ファイブで乗り切れるようになった状態で、このコード進行を見たら、次のように勘違いするかもしれませんね。

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ううん。。。。
きっとこの部分だけ、メロディーを弾かずに、ソロだけやったとしたら「これで完璧!」と思うかもしれません。
でも、そこには大きな勘違いが潜んでいるのです。。。。

曲全体を演奏してこの冒頭の部分に戻って来たら、頭の中にはこの曲の調性がしっかりとインプットされます。
するとこの部分はこのように判定すべきじゃないかと、曲が警鐘を鳴らします。

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オリジナルのコード進行ではなかなか見分けがつかなかった部分が、「代理コード」を当てはめて考えてみると、「な〜んだ!」と思うようなコードの連携であった事が理解出来るでしょう。

つまり、先の「ツー・ファイブの連続」と勘違いしたのは、調号の存在を見落としていたのが原因という事になります。
しかし、メロディーが無い、或いは曲全体が見えない状態では、このような勘違いが起こってもある意味では仕方ありません。
勘違いを無くすには、アドリブをする時に「曲の一部分だけを見て演奏しない」のがコツですね。
そして、そういう勘違いを無くす為にも「移動ド」+「相対音感」で演奏に挑む訓練をしましょう。

さて、そうなると、この二つのドミナントコードのコードスケールをアナライズしなければなりません。

■オルタードスケールは存在しないという見かた

遂にオルタード・スケールの素性を明かす時がやって来ました。
これまでにもこの金曜ブログでは「オルタードスケールを鵜呑みにしないように」と、何度も警鐘を鳴らしてきました。

金曜ブログ「オルタード関連の記事検索」

その理由も含めて解説しましょう。

この部分のDb7をアナライズすると、コードスケールはリディアン・フラットセブン・スケール。
それを置き換えたG7のコードスケールは・・・・?

これはもしも「表と裏」というコードの表現があるとしたら、「表」がDb7、「裏」がG7という事になります。
この二つがトライトーン以外にも共通する音階を持ったコードであると考えると、そこにはオルタードスケールの素性が見えてきます。

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G7のオルタード・ドミナント・スケールです。
コレを見て気がつきませんか?

そう、

実はこれはDb7のリディアン・フラットセブン・スケールの一部分なのです。

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この関係にはハッキリとした「表」と「裏」があります
G7オルタード・ドミナント・スケールを見ると「完全音程」の5thがありません。(P5)
今日の最初に述べたように、完全音程の無い和音はとても不安定です。
それ以上にコードとしての骨格が無いわけですね。

そうなると、これは完全なコードとは呼べなくなるわけです。

Db7のリディアン・フラットセブン・スケールを見ると完全音程が存在しているので、オルタード・スケールはトライトーンを共有するリディアン・フラットセブン・スケールの転回形である、という事になります。

一番オルタード・スケールで違和感を覚えていたのがオルタードと表記されているのにベースが5th(P5)を奏でているケースが日常茶飯事的にある事でした。

そこで、もしもAltと書かれたドミナント・コードの時にベースがP5を弾いている場合は、そこはオルタード・スケールではなくスパニッシュ・フリージアン・スケールと解釈するようにしました。

さて、オルタード・スケールとリディアン・フラットセブン・スケールの共通項が理解出来たら、今度はそれをアッパーストラクチャー・トライアードと関連付けてメロディーの発展に繋げてみましょう。

(次回に続く)

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