2011/12/23

続々・音楽的読唇術・インプロにおけるアッパーストラクチャートライアード的展開の考察  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百四十三回目の今日は先週のコード奏法の続編『続々・音楽的読唇術・インプロにおけるアッパーストラクチャートライアード的展開の考察』というお話し。

途中からの人は、先週の『続・音楽的読唇術・インプロにおけるコード表記とアッパーストラクチャートライアードの考察』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111216/archive )と合わせて、2011年10月14日の『ツー・カーはインプロの方向付けと、実は音楽的読唇術の基礎なのだ・・・』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111014/archiveや、今年9月以降の金曜特集を経由してから読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!

クリスマスクリスマスクリスマス

クリスマス寒波だそうです。
街は風邪とインフルエンザの大行進ですが、ガッツリと防寒対策をして出掛けましょう。
もしもクリスマスに雪が降ったら、東京では久しぶりですね。
みなさん、お出掛けの時は注意です。

クリスマスクリスマスクリスマス

先週はインプロの時にアッパー・ストラクチャー・トライアード(Upper Structure Triad=UST)を使ってメロディーを発展させるベーシックな考え方について説明しましたが、今回はアッパー・ストラクチャー・トライアードをどのように応用するかのヒントを解説します。

例題として今度は同じアントニオ・カルロス・ジョビン作曲の“The Girl from Ipanema”の冒頭八小節を使ってみます。
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(クリック、開いた画像をさらにクリックで拡大/以下同じ)

この曲のキーはFメジャー。
ちょっと復習しましょうか。

トニックソルファで唄うと最初のメロディーは何になるでしょう?
最初の二小節間は・・・・・

ソ・ミ・ミ・レ・ソ・ミ・ミ・ミ・レ・ソ〜♪♪

ブーッ

それは固定ド。ムカッ
しかもトニックソルファはカタカナで覚えると意味が無いし原理も理解できないのです。

このように答えた人は左のブログ内検索で「トニックソルファ」+「このブログ内を検索」で復習してください。

正解は、

re-ti-ti-la-re-ti-ti-ti-la-re〜♪♪

移動ドの訓練はコード・ミュージックの基本ですから忘れない程度にトニックソルファを復習しておきましょう。
コード理論が途中からわからなくなった人の大半は、固定ドのままコード理論を頭に入れてしまった人達なんです。

さて、本題。

この曲はFメジャーの調で出来ていますから、ここに並んだコードの内、ダイアトニック・スケール・コード(曲の調の音階を使って出来ているコード)を見てみると、FMaj7 と Gm7 は間違いなくFメジャーのキーのダイアトニック・スケール・コードなのがわかります。
このようなコードは無理やり変化させたりするよりも、素直にコードスケールを割り出して演奏するに限ります。それが一番良いソロを生みます。

しかし、本来のキー(この場合はFメジャー)に属さないコードが意外と高い比率で混ざっていますね。
G7 は本来Cメジャーのドミナント・コードであり、Gb7 もBメジャーのドミナント・コード。
一時的な転調が起こったと考えるには G7 なんか曲が始まってたった三小節しか進んでいませんから早すぎます。実際にこの曲を聞けばわかると思うのですが、そんなに転調を連続させて鬼気迫るムードを必要とはしない曲。むしろのんびり、ゆったり。(イパネマ海岸で水着のおねぃさんを眺めている曲ですから/笑)

するとこの G7 は何物にも属さない(ヘンに転調感を出さない)コードが相応しいわけです。
何かの調に属すると感じさせる原因はアヴォイドノートにあります。
このコードがドミナント・コードの形をしているわけですから、何も考えずにコードスケールを想定すると“C”の音を含むkey of C のミクソリディアン・スケールを連想しがちですが、この“C”の音がG7ではアヴォイドノートとは言え「見え隠れ」している限りCメジャーに属するコードの印象を拭えません。
そこで、まったく中立的な立場を維持する為に、アヴォイドノートそのものをコードスケールから外すわけで、そうなるとG7の11thとなる“C”の音を上か下に移動するわけです。
そうなるとG7の中の“C”の音の下は3rdの“E”になってしまうので上の“C#”に限定されます。
するとこれが#11thとなってこのG7はリディアン・フラットセブン・スケールと解釈出来ます。

リディアン・フラットセブンであれば、先週挙げたアッパーストラクチャートライアードへの変換が出来ますね。
そう、もうおわかりですね。

G7(#11) ⇒ A/G

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次に目に入るのがGb7。
そのまま何も考えなければメロディーに“C”の音、つまりGb7で言えば#11thの音があるので・・・

これもリディアン・フラットセブン・スケールでいいじゃん!

Gb-Ab-Bb-C-Db-Eb-Fb(E)

できた〜!

!?♪

もう少し応用してみましょうよ。
確かにメロディーに“C”の音があるので#11thが含まれるドミナント・コードのコードスケールである事は明白。
このコード、次のFMaj7に対して半音のベースラインを取ります。
しかもその相手はトニックのIMaj7。
こういう場合はトライトーンの動きに注目しましょう。

Gb7のトライトーンはBbとFb(つまりE)です。
ほらほら、こういう場合、元の調のトニックに戻る寸前によくあるのが、V7コードの置き換え。
トライトーンを共有するもう一つのドミナントコードの事を考える必要があります。

すると、BbとEをトライトーンに持つコードは?

ズバリ、C7

ほらね、Key of F の本来のドミナントコードであるC7が出て来ました。
つまり、ココはC7をGb7に置き換えているわけです。(理由はここまでに述べたとおり)

ならば、そのC7の痕跡をGb7に残してあげなければ本当にしっくりとくるコードスケールのアナライズにはなりませんね。

そこでGb7のコードトーンとC7のコードトーンを足してみましょう。
Gbの音を根音として重ねると・・・

Gb+G+Bb+C+Db+E

Gb=root
G=b9th
Bb=3rd
C=#11th
Db=5th
E=b7th

b9thと#11thが含まれて5thが存在するコードスケールとなれば、もう、コンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール(略してコンデミ)以外にありませんね。

そうすると、コンデミもアッパーストラクチャー・トライアードで表記できるので当てはめてみると・・

Gb7 ⇒ C/Gb

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この冒頭の部分で二つのコードがアッパーストラクチャー・トライアードと解釈できるわけです。

■アッパーストラクチャートライアードの応用法 - コードスケール上の半音を加える

アッパーストラクチャートライアードで分解された分子と分母。
この二つの異なるトライアードがお互いに反発する事で新しいサウンドが生れるわけです。

主に演奏としては分子と割り出されたトライアード・サウンドを本来のコード・サウンドの中に取り入れて使うのですが、トライアード(完全五度音程内の三和音)だけでメロディーを作るとインパクトは強いもののあまりにも強烈で唐突な感じに。
そのトライアードの強烈な響きを何かで和らげる必要があります。
そこで本来のコードスケールを分析すると分子のトライアードに対して半音の位置にあるスケール・ノートをクッションとして用いる方法があります。

半音程は装飾音符として使われるくらい「潤滑油」的な働きをします。
刺々しいトライアードのエッジを上手くスポイルしてくれるわけです。
また、コードスケール上にある半音を使う事によって分子と分母のサウンドを結びつける役割も果たします。

リディアン・フラットセブン・スケールの場合は(ちょうど良い位置にある)先週と同じ分母のトライトーンを足してみましょう。

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コンデミの場合は分子のトライアードに対していくつもの半音があります。

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コンデミではこの中の半音を任意に選んで使う事にしましょう。

では、実際に冒頭八小節を使ってアッパーストラクチャー・トライアード化したメロディーラインを作ってみましょう。
コツは自分が固有のコードスケールに対してイメージを持つ事です。
僕の場合リディアン・フラットセブンの時は元々のb7thをミックスする事でリディアンスケールとの差異を演出出来ると思うし、ディミニッシュの時は元々の13thを取り入れるとプルージーなメロディーが、5thを取り入れるとサウンドカラーの明白なメロディーラインが、rootを取り入れるとアカデミックな響きがする、と分類していますが、これは個人の感覚によって受け止め方が様々であるのが当たり前ですね。

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コンデミで二種の響きが生れたのがお分かりでしょう。
もちろん面白くするのはあなたのセンス次第。
少しずつ聴き手を「知らない世界」へと誘う準備が進みつつあります。

音楽は演奏しても、聴いても、分析しても、本当に面白いです。
今年もそう思えた2011年に感謝です。

クリスマスhave a nice christmas!GOOD!


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