2012/2/9

日本が東京オリンピックの開会式でファンファーレに心酔していた裏で・・・  木曜:Jazz & Classic Library


1964年10月10日土曜日。
記憶では快晴の東京。

代々木競技場の空には航空自衛隊が五輪の輪を描き、今井光也氏が作曲したファンファーレが高らかと鳴り響いているテレビ中継をみていた。

小学校低学年の僕は相も変わらず鉄分が多めで、オリンピックよりも「超特急」と呼ばれていた新幹線のほうに興味があったが、さすがに開会式は見ていた。

海外のファンファーレと比べると何だか威勢が良いのかどうなのか子供心にも不思議なファンファーレであったが、耳にタコが出来るほど繰り返し流されていたのでいつでも弾けと言われたら弾けてしまうSus4ファンファーレだ。

地方都市の松山で育ったが街中が何かに浮かれている感じのお祭り騒ぎだった。
近代で言えばバブル景気の時の日本とそっくり。
きっと「聖火」が事前に全国をくまなく回っていたから、いやがおうにも盛り上がる気運と下地は出来上がっていたわけだ。実際に小学校の前が聖火ランニング・コースとなっていたので僕らも授業を中断して観た記憶がある。

その、東京オリンピックの開幕で日本中が浮かれていた時。
ちょうど開会式前のいろんな経緯をテレビがドラマチックに流している頃。
つまり僕がテレビの前でごろんと寝そべって「あ、超特急!今度乗ろうよ〜!」とか言ってダダをこねていた正にその時。

そのまま日付変更線を越えてニューヨークはカーネギー・ホールでは何が起こっていたかと言えば・・・・


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『GETZ/GILBERTO #2 Recorded live at Carnegie Hall』(verve/1965年)

Stan Getz(ts)
João Gilberto(vo.g)
Gary Burton(vib)
Gene Cherico(b)
Joe Hunt(ds)
Keter Betts(b)
Helcio Melito(ds)


1. Grandfather's Waltz
2. Tonight I Shall Sleep With A Smile On My Face
3. Stan's Blues
4. Here's That Rainy Day
5. Samba Da Minha Terra
6. Rosa Morena
7. Um Abraco No Bonfa
8. Bim Bom [Live (1964/New York)]
9. Meditacao
10. O Pato (The Duck)
11. It Might As Well Be Spring
12. Only Trust Your Heart
13. Corcovado (Quiet Nights Of Quiet Stars) [Live (1964/Carnegie Hall)]
14. The Girl From Ipanema [1964/Live At Carnegie Hall]
15. Voce E Eu


※赤字はリイシューCDのみ収録(オリジナルLP未収録テイク)

Recorded : Oct/9/1964 at Carnegie Hall, New York.

まずは録音日に注目してほしい。
1964年10月9日(金)ニューヨーク、カーネギーホール。
つまり、時差を加味すると日本が東京オリンピックの開会式に浮かれていた正にその時、地球の反対側ではこんな「素敵」なコンサートが行われていたのだ。

発売と同時にチケットはソールドアウトだったようで、当時の人気のほどがわかる。

僕はスタン・ゲッツも、ジョアン・ジルベルトも大好きだ。
そして二人が一緒に作り上げた数少ない作品「ゲッツ/ジルベルト」も大好きだ。

さらに、

僕はゲイリー・バートンが大好きだ。特に彼のビブラフォンによる伴奏(カンピング)は、まだ彼の名前も知らない子供の頃から心ウキウキ。小学校の時テレビで偶然見たたった一回の演奏が永遠に脳裏に刻まれてしまうほどワクワクさせられた。

そして、

僕はアストラッド・ジルベルトの歌が好きだ。上手いか上手くないかは別問題。歌は楽器ではないから上手い下手ではなく、その声に惹かれるかどうかだ。

悪い事に、このアルバムはそんな僕の好みがぎゅっと凝縮されてしまっているのだ。

あの、東京オリンピックのSus4ファンファーレを寝転びながら聴いていた時に、まさか地球の反対側でそんな事が起こっていたなんて。。。。

ただ、このアルバム。
最初LPで買った時にはなぜこれが『ゲッツ/ジルベルト#2』なのか釈然としなかった。

と、言うのも、
このアルバムは次のような編成で演奏されているのだ。

1.〜4. スタン・ゲッツ・カルテット(バートン、チェリコ、ハント)
5.〜10. ジョアン・ジルベルト・トリオ(ベッツ、ミリート)

オリジナルLPはここまで。
つまり、『ゲッツ/ジルベルト』とは呼ぶもののスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトが別々に演奏している様子しか収録されていなかったのだ。

だからか知らないが、当時の噂としてゲッツとジルベルトはとても仲が悪かったと。
だからかも知らないが『ゲッツ=ジルベルト』と“イコール”で結ばずにスラッシュで斬ってる、、、とか。

だから本当の意味でのゲッツ/ジルベルト#2は1976年のこのアルバムまでおあずけになっていたのだ、と。

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『The Best of Two Worlds/Stan Getz featuring Joao Gilberto』(cbs/1976年)

このアルバムはとうにボサノヴァ・ブームも過ぎ去りブラジルでもボサノヴァからBPMと呼び名が変わりつつあった時期のものでヒット作とはならなかったが、ボサノヴァ好きの僕には涎が出るほど素敵なアルバムになった。これで諸説諸々ある「ゲッツ/ジルベルト」も一件落着かと思いきや、このアルバムのジャケット写真のジョアンが不自然(表も裏も寸分違わず)これまたゲッツと仲互いしてジャケット写真は別撮りしたものを合成しているとか・・・・・確かによく見ると合成にも見えるんだな、これが。。。(笑)
まったくこの人達はキリが無い。

そう思って納得させて迎えた21世紀になって、突然あの1964年のカーネギー・ホールのオクラになったテイクが追加されてCD化されたのだから買わないわけには行かないじゃない。

そして改めて東京オリンピックの頃まで時間軸を戻してみたわけなんです。

1. Grandfather's Waltz
2. Tonight I Shall Sleep With A Smile On My Face
3. Stan's Blues
4. Here's That Rainy Day

スタン・ゲッツのカルテット(当時はNew Stan Getz Quartetと呼んでいたようだ)はゲイリー・バートンがキーパースン。全ての曲においてパーフェクトな演奏をしているところが聴きもの。
聴衆の反応が面白く、最初はゲッツのカルテットの演奏が始まってそれなりに聞いている風なのだけど、だんだん時間が経過すると共に「おいおい、俺たちは今話題のボサノヴァを聞きに来たんだぜ。古臭いジャズばっかりやってどうしたんだ、やい!」という感じに曲と共に聴衆はステージから遠ざかっている風なのに、ゲイリー・バートンの演奏には熱い拍手を送っている。視覚的に4本のマレットが鍵盤の上を舞うバートンの奏法がとても新鮮だったのだろうと思う。きっと東京オリンピックの中継の途中に割って入ってきたら、僕はそっちにチャンネルを合わせただろうなぁ。。たぶん。

5. Samba Da Minha Terra
6. Rosa Morena
7. Um Abraco No Bonfa
8. Bim Bom [Live (1964/New York)]
9. Meditacao
10. O Pato (The Duck)

ジョアン・ジルベルトのステージ。たぶん第二部だろう。
タンバ・トリオのエルシオ・ミリートがドラムにいるのでベースも恐らくブラジリアンだと思う。
たぶん数年前の来日公演から想像するに、ステージの上でナニを演るか決めたくなかったのだろう。だからいつでもやり慣れた感じで曲に加われるメンバーをわざわざ連れて来たんじゃないだろうか。別にゲッツへの嫌がらせではなく、ジョアンの最良のやり方なのだろう。その為、カーネギーホールとは思えないほどラフに演奏している。曲が始まってから「ああ、ソレね」って感じでリズムがくっついてくる。ある意味とても贅沢なステージだったのかもしれない。

11. It Might As Well Be Spring
12. Only Trust Your Heart
13. Corcovado (Quiet Nights Of Quiet Stars)
14. The Girl From Ipanema
15. Voce E Eu

21世紀になってから、ようやくこのアルバムが本当に『ゲッツ/ジルベルト#2』だった事が証明された5曲。
ゲッツのカルテットに最初アストラッド・ジルベルトが加わり、聴衆は大喜び。
エキゾチックな顔立ちに見えるアストラッドは今でいえばAKBってところでアイドルだったようだ。
そして途中からゲッツの紹介によって登場するのがジョアン・ジルベルト。
ジョアンが登場するのは13、14、15の三曲。
面白い事(?)にジョアンが登場するとゲイリー・バートンは曲中ずーっとお休みでエンディングだけにオブリガートで登場する。(笑)
ジョアンがいい顔しなかったのかな(笑)

少なくとも録音的なミスのない1〜2曲はオリジナルに含んでほしかった。
でも、これらは大半が一足先にニューヨークのグリニッチヴィレッヂにあったCafe Au Go Goで録音されたライブ盤『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー(Getz Au Go-Go)』とダブるので省略されたと考えるのが妥当かもしれません。
と、言うのも、このオクラのテイク、マイクのハウリングはあるは、ジョアンは一人で先に行っちゃうわ、となかなかハプニングだらけのステージ。

カットされずに残っているゲッツお得意の駄洒落で「Only Trust Your Heart」の紹介をわざと「Never Trust Your Heart」として失笑をかったり、ジョアンはジョアンでステージのセッティングがやり辛いと移動を始め聴衆が笑い出すわ、、、、揃いも揃っておちゃめなオジサン達だ。

しかし、ここに残っている、少なくともボサノヴァにスポットが当たった最期のコンサートは、当時の貴重な記録であるばかりでなく、ボサノヴァ・ファンのみならず、ゲイリー・バートンが入った時代のスタン・ゲッツ・カルテットの瑞々しい演奏が随所に聴ける好アルバムとなって完結したのでした。

東京オリンピックの裏で・・・・・羨ましい限りの一夜です。





『2011年ベスト・ライブ(動画)』公開中!


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

・当日のセットリストは以下の通り

[1st set]

1.Trisoniqe......(by Hakuei Kim)
2..White Forest......(by Hakuei Kim)
3.Sound of Focus.....(by Toshihiro Akamatsu)
4.[duet] Newtown......(by Hakuei Kim)
5.Ruby, My Dear.....(arr Toshihiro Akamatsu)
6.Axis.....(by Toshihiro Akamatsu)

[2nd set]

1.The Gleaner.......(by Toshihiro.Akamatsu)
2.[Tribute to 1964's Miles]......So What
3.[Tribute to 1964's Miles]......Stella by Starlight

4.[Tribute to 1964's Miles]......Walkin'
5.[duet] Silent Butler.....(by Toshihiro Akamatsu)
6.Kuala Lumpur......(by Hakuei Kim)

[Encore]

1.Dear Old Stockholm
2.O Grande Amor

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

・セットリストの赤文字の演奏をアップしています。
・動画は従来通りMySpace版と、プラグインの関係でMySpaceビデオがご覧になれなかった人向けにYouTube版もアップしています。
・MySpace版YouTUbe版とも、どちらも同じ内容です。

[YouTube版]

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




[MySpace版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部1曲目



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]






ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




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CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

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