2012/5/3
最初に聴いた時から実はアイアート・モレイラのパーカッションがキーワードだと思っていたんだ・・・ 木曜:Jazz & Classic Library
先日見事にふられた“黄色い”レコード屋。
昨夜“仕返し”に立ち寄った(笑)。

店内改装と言うからどうなったのかと思ったら・・・・
今まで9Fはジャズとワールドミュージック、そして半分がクラシックだけだったのが、洋物ポップ、ロック、その辺りが一挙にフロアを占拠し、ジャズは片隅に追いやられて以前の半分くらいのスペースに。。
その影響でクラシックは玉突き的に10Fへと押し上げられてしまった。
ううん。。。
確かにCDの売り上げはかんばしくないのは分かるが、探すのが手狭でかえって疲れる。
しかも・・・
かわいそうにジャズ・ヴォーカルは完全に蚊帳の外のような別コーナーへと飛ばされてしまった。
でも、ジャズはまだいい。
信じられなかったのがロックやポップスがジャズやワールドミュージックのコーナーと同じフロアに納まってしまう事だ。
そんなに数が減っているのか・・・・。
昔では考えられない。
なんでこんな事になっているのかと思ったら、ナント、アイドルやアニメのコーナーが拡充されて、他が玉突き的に上へと押し上げられた格好。
まぁ、潰れてしまっては困るので我慢という事か。
それにしても今までジャズやクラシックだけだったキャッシャーがやたらと混んで勘定に時間が掛かるのはいただけない。もう少しキャッシャーを増やすなり何なりの手を打たないとサービス低下と取られてしまうぞ。
それにしても、最近売り場を縮小するCDショップが増えた。
しかし、だからと言って、決してMP3の売り上げが順調なわけではない。
データは目に見えないから、紛失してしまった時の失望感と言ったら・・・・まぁ、Mac派はこれまでに何度もその失望感と絶望感を味わっているから大切なものはデータだけで残さない習慣が身に着いているのだ。
だからかもしれないが・・・
売り場で圧倒的に目立つのが僕がジャズを聞き始めた頃の1960年代後半から70年前半のアルバム達。
今の新譜よりも確実に数は多く、それでいて音楽のカラーも今のような単調ではなく、実にバラエティーに富んでいるから、ついついそちらに目が行ってしまう。
本日も新譜の収穫はゼロ。
目に入ったアルバムはLPと重複しても聴きたいものと、当時買いそびれていたもの。
本当はこれじゃいけないのだ。





『Live at the Fillmore East/Miles Davis』(cbs/1970年)
disc:1
1. Wednesday Miles: Directions
2. Wednesday Miles: Bitches Brew
3. Wednesday Miles: The Mask
4. Wednesday Miles: It's About That Time
5. Wednesday Miles: Bitches Brew/ The Theme
6. Thursday Miles: Directions
7. Thursday Miles: The Mask
8. Thursday Miles: It's About That Time
disc:2
1. Friday Miles: It's About That Time
2. Friday Miles: I Fall In Love Too Easily
3. Friday Miles: Sanctuary
4. Friday Miles: Bitches Brew / TheTheme
5. Saturday Miles: It's About That Time
6. Saturday Miles: I Fall In Love Too Easily
7. Saturday Miles: Sanctuary
8. Saturday Miles: Bitches Brew
9. Saturday Miles: Willie Nelson/The Theme
Miles Davis: trumpet
Steve Grossman: tenor and soprano sax
Chick Corea: Fender Rhodes electric piano
Keith Jarrett: electronic organ
Dave Holland: acoustic and electric bass
Jack DeJohnette: drums
Airto Moreira: percussion, cuica
recorded at the Fillmore East, New York City on June 17 through June 20, 1970.
このアルバムを最初に聴いたのはニッポン放送のオールナイト・ニッポンの糸居五郎さんの時だった。
海外の新譜をジャンルに囚われずに紹介するので中学生の頃、毎週月曜日の深夜(すでに夜型人生は始まっていたって事/笑)に聴いていたら、突然けたたましいホイッスルや電気ノイズに浮かび上がるトランペットが。
糸居さんが「これが、マイルスの新譜ね、ゴーズ・オン!」と紹介していてもあまりのインパクトに耳を疑った。確かにその音は当時既に聴き慣れていたマイルス・デイビスのトランペットに違いなかったが・・・
このアルバムにはもう一つ思い出がある。
同じ中学の時、放送部で給食時の音楽を選曲して流すのだけど、このアルバムを選んで流したら・・・・まぁ、ヴォリュームも大きかったのだろうけど・・・・教員から「うるさい」と苦情が殺到。
散々な目にあったが、これを切っ掛けにクラスの中にもジャズを聴く奴がいる事が判明。
そう、このブログにも登場している“たかいしゅんすけ”くんだ。
普通の中学生ならロック、ビートルズやサイモン&ガーファンクル、レッド・ツェッペリンやボブ・デュラン辺りが定番の時代にジャズなどという“古臭い”音楽を聴く奴もいるまい、と思っていたら所々にいるんですね。
まぁ、いろんな思い出があるアルバムだ。
LPは二枚組で、片面に1曲ずつ、クレジットは“Wednesday Miles”、“Thursday Miles”、“Friday Miles”、“Saturday Miles”と記されただけだった。
一聴して耳に飛び込んで来たのはチック・コリアがエレクトリック・ピアノにワーワーペダルを経由して接続したリングモジュレーターの摩訶不思議な電気ノイズと、パーカッショニスト・アイアート・モレイラが放つ喧騒とも呼ぶべきパーカッションの閃き。
これは凄いと思った。
当時、少しだけ現代音楽にも興味が沸いていた時期なので、まるでニューヨークの喧騒のようなホイッスルが鳴り響いたり、何やらわめいてみたり、というアイデアに耳が吸い寄せられて行ったのを覚えている。
このパーカッショニストは凄い!
アルバムの第一印象だ。
さて、ジャズの演奏は「そのままが良し」とする人がいる一方で、「編集による妙もよし」とする層もいる。
大雑把な事を言えば、ビートルズ世代を境目にこの認識の違いはあるような気がする。
何がなんでも一発、と言ってもテイクをいくつか録音しているのはざらで、決してミュージシャンが望んで一発録りをしているわけではない事は理解できるだろう。
むしろそんな事はどうでもいい事でこだわっても何の成果もない。
僕はもちろん後者だ。
録音という土台に音を添えた段階ですでに“生”ではないのだから、それもひとつの効果として受け入れていいんじゃないか。
むしろ今ならyoutubeなどでサンプル的な動画を見せてリスナーに選択肢を与えているか、昔からのキャッチコピーや感想文などによるテキストだけでアピールするか、の違いのほうが大きな分かれ目だ。
動画であれば一目で編集しているかどうかがわかるが、テキストでいくら「いいね!」と書いても、音は聴けばわかってしまう。結局はそんな事なのだから、どっちだっていいに決まってる。
このアルバムはその最も効果的な編集が成されたライブアルバムだ。
例えば“写真”。still picture or still photo。
一瞬の時間を切り取って残す写真だ。
ただ、印象的な一枚のスチル写真が残されるまでに何枚のショットを経るだろうか。
被写体にポーズを決めても、なかなかその瞬間は訪れない。
ほんのちょっとした光線の関係、タイミングが肝心なのだ。
逆にビデオはずーっと録画しておけばよい。
特別な事は一瞬を切り取るスチル写真よりもある意味楽かもしれない。
ライブ録音をそのまま、と言うと、もちろん程度の差こそあれ、撮りっ放しのビデオと同じだ。
「観たまんま」とはそういうものでしかない。
ところが一旦撮りっ放しのビデオでも、多少の編集を加える事で、見違えるようになる事がある。
被写体そのものが替えられるわけではなく、ちょっとした時間の区切りやアクセントの効果だ。
これを演奏に例えたら、そのままの演奏ではややアイデアの切り替えに時間を要している場合、編集によってまったく違うシーンへと繋げる事での展開が生れたりする。
マイルス・デイビスの連続演奏はほぼ45分から60分だった。
そこにはいくつかの曲が順序と時間を決めずに並べられていた。
それをステージの上で、マイルス・デイビスは簡単なキュー(cue)によって組み立てているのだ。
このやり方は、すでに1964年のジョージ・コールマンが入ったクィンテットの時代から続いている。
僕らがいつもマイルス・デイビスの音楽を追う時は、その采配に期待していた。
ある意味でコンダクターと同じ要素に溢れた演奏家だった。
このアルバムの最大の魅力は、そのマイルス・デイビスのコンダクトを、さらに編集という技法で展開したテオ・マセロという天才プロデューサーの手腕だ。
プロデューサーとして出来る最大の権限を駆使して作り上げられた渾身のアルバムだと思う。
これが実に快適にハプニングを連続してくれるのだ。
ほぼ倍の時間を要している実際のステージの中から、流れの妙でインパクトを放つように組み替えられ、削り、ある部分では二度回してステージには無かった“意味付け”を行っている。
それを「非」とする人には薦めない。
アルバムという再生芸術としての面白さがわかる人が聴けばいい。
単にテオ・マセロがテープを切っているだけではなく、マイルス・デイビスの音楽を把握した上で脚色しているのだ。プロデューサーと呼べる人間はここまでの才能が無ければ務まらない。
結果、まったく編集していない“フィルモア・ウエスト”でのライブ録音と聞き比べると、再生芸術としての面白さの差は明らかだ。
このアルバムは本当に凄い。
ジャズの世界でここまで再生芸術の面白さを演出したアルバムが他にあるだろうか。
そして、このアルバム全編の中から聞こえて来るアイアート・モレイラの演奏は凄い。
反応、という事を身体を呈して表現出来る数少ないパーカッショニストだと思う。
マイルスも、キース・ジャレットも、チック・コリアもデイブ・ホランドも、ジャック・ディジョネットも、スティーヴ・グロスマンも素晴らしいのだけど、アイアート・モレイラなくしては、このアルバムのサウンドにはならない。
マイルス・デイビスが雇った、生涯で一番カラフルな演奏家だったのではないかと確信する。
そして、このメンバーをして「最強のロックバンドを作ってやる」とロックの殿堂フィルモア・オーディトリアムに乗り込んだ記録でもある。
再生芸術には再生芸術らしい仕上がりが必要だと思う。
それを聞きたい人間はたくさんいるはずで、例え本編がショートカットされていたとしても、全然気にしない楽しみ方を知っているだけで、音楽はさらに面白くなる。
音楽は“生”だけで楽しむものではなく、“再生”と“生”の両方で楽しむものなのだ。
このアルバムの軽快な時間の流れは、それを証明していると思うな。
『BEST LIVE 2011(動画)』公開中!

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6
25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』
・当日のセットリストは以下の通り
[1st set]
1.Trisoniqe......(by Hakuei Kim)
2..White Forest......(by Hakuei Kim)
3.Sound of Focus.....(by Toshihiro Akamatsu)
4.[duet] Newtown......(by Hakuei Kim)
5.Ruby, My Dear.....(arr Toshihiro Akamatsu)
6.Axis.....(by Toshihiro Akamatsu)
[2nd set]
1.The Gleaner.......(by Toshihiro.Akamatsu)
2.[Tribute to 1964's Miles]......So What
3.[Tribute to 1964's Miles]......Stella by Starlight
4.[Tribute to 1964's Miles]......Walkin'
5.[duet] Silent Butler.....(by Toshihiro Akamatsu)
6.Kuala Lumpur......(by Hakuei Kim)
[Encore]
1.Dear Old Stockholm
2.O Grande Amor
Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)
Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011
・セットリストの赤文字の演奏をアップしています。
・動画は従来通りMySpace版と、プラグインの関係でMySpaceビデオがご覧になれなかった人向けにYouTube版もアップしています。
・MySpace版YouTUbe版とも、どちらも同じ内容です。
[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます
★第二部1曲目

★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]

★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]

[MySpace版]※画像をクリックすると別窓で開きます






ガンバレ東北!
がんばろうニッポン!

■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)

VGDBRZ-0044/3.000円(税込)
赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

■Tower Record
■HMV
■amazon.co.jp
■disk UNION
■山野楽器
■新星堂
■ベガ・ミュージック・エンタテインメント
■Yahoo!ショッピング
■楽天市場
■ヤマダ電機WEB.COM
■セブンイレブンネットショップ
他
どうぞご利用ください。










■赤松敏弘MySpace
そして、コチラはオフィシャルサイト
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