2012/5/17

正にジャズと出会った初期の頃のクロスポイントだった・・・  木曜:Jazz & Classic Library


来るべきして来るところに人は行くものです。

今夜紹介するアルバムはそんな感じのクロスポイントに位置していて、実は自分では当時購入しなかったアルバムでした。
なぜなら、ここではもうお馴染みの幼馴染で小学校・中学校時代のジャズ友、ホームページの音楽体験記でも時々登場する漢方薬局の息子こと“たかいしゅんすけ”君が買っていたので僕は別のアルバムを購入し、お互い交換しながら聴いていたわけです。

あれから両手両足では数えきれないほどの時間が過ぎた2012年。
突如、目の前に現れたこのアルバム。
手を出さないハズがありません。

自分がジャズと巡り会って、無限に拡大を続ける音楽の魅力に酔いしれていた頃。
やはり、改めて聴いてみて、自分は来るべき道をまっすぐ歩いて来たような気がします。


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『TOMORROW NEVER KNOWS/Steven Marcus』(vortex/1967年)

1.Eight Miles High
2.Mellow Yellow
3.Listen People
4.Rain
5.Tomorrow Never Knows
6.Half A Heart

Steve Marcus(soprano sax)
Larry Coryell(guitar)
Mike Nock(piano)
Chris Hills(bass)
Bob Moses(drums)

★Gary Burton(tambourine/M-1,M-3)
★Producer/Herbie Mann
Oct/31/1967

まず、このアルバムが録音された1967年の音楽概況に触れておこう。
ビートルズが世界的なヒットを打ちたてたアルバム『Revolver』はこの前年の1966年の発売。
つまりそれが世界中にくまなく浸透して、あらゆる音楽とカルチャーに影響を及ぼしていた時代だ。

今まで不動と言われたものが転覆し始めた時代。
今よりも少しだけ夢が探せた時代。

その原動力となっていたのは団塊の世代と呼ばれる、当時の僕らからみれば「おにーさん」「おねーさん」の世代。ビートルズ世代と言っていいだろう。

1967年というのは自分の中でも一つのエポックメイキングな年としての記憶がある。

だから、今では考えられない人がたくさんいたのを子供ながら目撃している。
当時家庭教師で僕にいろんな事を教えてくれた大学生の「おにーさん」は全共闘のデモに参加しては何度も捕まり、その代行とてし来た「おにーさん」は学校の軽音楽部でロック・ドラムを叩くからと、毎回シンバルを持参して来る人だった。

なんかみんな長髪で小汚い恰好をしていたけど、いつも怖そうな表情をしているのにどこか楽しそうで、時々将来の夢を熱く語ってくれたりした。
僕は早く大人になってこの風変わりな人達の仲間に入りたかった。
小学校から一足飛びに大学にでも入れるなら必死で勉強しただろうな、たぶん。(笑)

これは僕の周りの特殊な事ではなく、日本全国、いや全世界のそこかしこで起こっていた事なんだ。

そんな年、実家が建て直してビルとなり一階のテナントにジャズ喫茶(後にジャズバー)が入り、店内に大音量で流す“JAZZ”なる摩訶不思議な音楽が毎夜僕の部屋と隣接した換気口から適度な音量で聴こえてくるホームページの「音楽体験記」のシチュエーションが整った。

テレビやラジオからはビートルズを始めとするロックカルチャーが溢れ出し、小学生の僕らでさえフラワームーブメント、サイケデリックというカルチャーにどんどん染まり、学生運動最盛期の大学が小学校、中学校と通りを隔てて向かい側にあったという環境も手伝って、世の中これからどんどん面白くなるゾ〜!、というムードにどんどん押されて何かが変わりつつあるのを感じていた。

こんな空気が日本の片隅の地方の街でも充満していたのだから、世界的に何かがうごめいていたのは改めて言うまでもありません。

そんな時の空気感がギュっと詰め込まれた感じのアルバム。
ジャズの世界でも、何かが変ろうとしていた時代なんですね。

僕がこのアルバムをクロスポイントと感じた理由。
“たかい”くんにこのアルバムを借りて聴いた時、来るべくして来た感じがしたのは・・・・

まず、ギターのラリー・コリエル。
僕はハービー・マンのアルバム『Memphis Underground』を一階のジャズ喫茶が流しているのを聴き、レコード屋に走って売り場のおにーさんに「こんなメロディーのフルートの曲ください」と歌ってこのアルバムとリー・モーガンの『Sidewinder』をせしめたのがジャズとの正式な出会いとなるのだけど(実際には小学生がLPを買うハズが無いとおにーさんが差し出してくれたのはEP盤だったというハプニングは音楽体験記に書いた通り)、その翌月にはコリエルを追いかけてゲイリー・バートンのアルバムに手を伸ばしている。

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『Memphis Underground/Herbie Mann』(atlantic/1969年)
ラリー・コリエルとの出会いがジャズとの決定的な出会いになったハービー・マンのアルバム

その頃立て続けにリリースされていたハービー・マンのこのアルバムで今度はスティーヴ・マーカスを知った。

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『Live at the Whisky A Go Go/Herbie Mann』(atlantic/1969年)
ラリー・コリエルに替えてスティーヴ・マーカスが加わった当時のハービー・マンのバンドのライブ盤

ラリー・コリエルの入ったゲイリー・バートンのアルバムを集めながら時代を少し遡るとこのアルバムに出くわした。アルバム中3曲でスティーヴ・マーカスがフィーチャーされている(Just Like A Woman,I Want You,Walter L.)

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『Tennessee Firebird/Gary Burton』(rca/1966年)
実はスティーヴ・マーカスとゲイリー・バートンの繋がりはこの時期からあったという事になる

これらのアルバムを集めていた頃に偶然手に入れていたこのアルバムでマイク・ノックを知っていました。
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『THE FOURTH WAY/The Fourth Way』(capiral/1968年)

ベーシストのクリス・ヒルズはラリー・コリエルがゲイリー・バートンのバンドに入るまで率いていたロックバンド「フリースピリッツ」のメンバー、ボブ・モーゼスも同じコリエルのバンドのメンバーであり、その後はゲイリー・バートンのクァルテットのサブドラマーとしてお馴染みです。

いろんな事がこのスティーヴ・マーカスのアルバムからは想像出来ました。
まず1967年10月31日の録音という事から想像出来るのは・・・

このアルバムのプロデューサーは御大のハービー・マン。
そして、なぜかスタジオに顔を出してタンバリンで参加したり、曲を提供していたりするゲイリー・バートン。

ゲイリー・バートンとハービー・マンの接点なんて、当時の僕の両アイドルが繋がるなんて思いもしませんでしたが、スティーヴ・マーカスとゲイリー・バートンが既にこのアルバムの前から繋がっていたのを考慮すると、退団の迫ったラリー・コリエル(1968年2月のライブを最後にコリエルはバートン・クァルテットを退団)の後釜をあれこれと考えていたのではないかと思えるのです。

恐らく(想像ですよ)、ゲイリーは当時ニューヨークで注目されつつあったマイク・ノックに興味があったのではないかと。
面識のあるマーカスのレコーディングという事もあり、曲を提供しがてらこの新しいピアニストの演奏を聞きに出掛けたのだと思うのです。

こういう事は音楽の世界では稀で、僕らも新人の頃にベテランの人達と接する接点はライブよりもスタジオでした。市川秀男さんの時も最初の仕事はコーヒーメーカーのコマーシャル録音、日野皓正さんのバンドに参加する切っ掛けも清涼飲料水のコマーシャル録音での起用からでした。

事実、ゲイリーが提供した曲でアルバムの最後に収録された“Half A Heart”ではマイク・ノックのみがソロでフィーチャーされるという不思議なテイクに仕上がっています。
その後、ラリー・コリエルが退団してチック・コリアがごく短期間バートン・クァルテットに入団した事もあり、あながち僕の予想は外れていないはずです。
しかし当時のバートン・クァルテットのコンセプトにピアノという楽器が溶け込めず、(確か)数ヵ月後のヴィレッジヴァンガードでのライブの後に二人で話しあった結果、お互い別の道を歩むことにしたそうです。(その後再び一緒に演奏したのがあのコリア=バートンのデュオになるのですから、人生何が起こるかわかりませんね)

さらに、このアルバムのプロデューサーでもあるハービー・マンはこのレコーディングでラリー・コリエルに注目し後日ゲイリーの元を離れてから、あのヒットアルバム『Memphis Underground』のレコーディング・セッションに誘う切っ掛けとなっているような気もします。

僕はそこから少しだけさかのぼってこれらのアルバムに触れていたわけで、このアルバムは成るべくして成った感じの雰囲気がしました。

さて、それぞれの曲に関してはビートルズやザ・バーズ、ドノヴァン、そして僕はあまり知りませんがイギリスのポップスグループ、ハーマンズ・ハーミッツのカバーが大半。
そのどれもが、いい意味で1967年の混沌とした“緩い”空気に満ちています。
この時期冴え渡っていたラリー・コリエルの猛攻にも対抗できるスティーヴ・マーカスの大ブローを耳馴染んだ曲の中で炸裂させようというのがハービー・マンの考えた構図なのでしょうね。

1.Eight Miles Highはザ・バーズの1966年のヒット曲を荒々しく。マーカスとコリエルの丁々発止なバトルが聴きもの。

2.Mellow Yellowはドノヴァンのヒット曲で、オーソドックスなマーカスがテーマを吹く左のチャンネルに、右のチャンネルではそれと対照的なマーカス、コリエル、マイク・ノックがフリーに刺激的に曲を破壊して行きます。初期のマルチトラック・レコーディングとは言え興味深い方法ですね。

3.Listen Peopleはハーマンズ・ハーミッツのヒット曲。ああ、このラリー・コリエルが奏でるアルペジオ、この1音だけでも1967年という時代が僕の頭の中に広がって来る。
まったく別の話しだけど、当時ナベサダさん(渡辺貞夫さん)が音楽を担当していたTBSのテレビドラマ“待ってますワ”の音楽を思い出してしまった。こういうサウンド、今の時代に無くなってしまった気がするけど、欲していないかなぁ、世の中が?

4.Rainはビートルズの1966年のナンバー。テーマから一つのコードに落ち着いた辺りはビートルズよりもアーシーで、当時スピリチュアル・カルチャー的に人気のあったドアーズを彷彿とさせるところにこのトラックの存在意義がある。

5.Tomorrow Never Knowsもビートルズ。さらにスピリチュアルな陰影を深めたモード。インストで聴くとやはりビートルズよりもドアーズのカルチャーチックな香りがすると思うのは僕だけ?
マイク・ノックの先進的なソロが後半を盛り上げ、これが後の「THE FOURTH WAY」の音楽のキーワードと直感できるのが面白い。

6.Half A Heartは唯一このアルバムの為に用意されたゲイリー・バートンの曲。他がカバーだらけなので一番“ハッとする”仕上がりだ。
やはりあるべくして残されたトラックという気がしてならない。
このメンバーにしか残せない音楽だもの。
ソロは前出の通りマイク・ノックのハープシコード(ひょっとしたら初期の電気ピアノかもしれない)がフィーチャーされてマーカスはテーマのみ吹く。
ただ、管楽器と言うか、マーカスはテーマを吹くだけでも存在感たっぷり。

曲も、このアルバムの中で一番色褪せていない。
さすか我が師匠だな、と思った(笑)

このアルバムは、当時の若者の“なすがまま”な姿を実に鮮明にとらえ、僕から見た「おにーさん」達の希望に満ち溢れた記録だ。

ちなみにこちらはロックバンド、ザ・フーの様子。



スティーヴ・マーカス達がやっていた事と大いに共通する部分がある。
この時期、ジャズもロックも同じベクトルで進化していたと思うのだけどなぁ。。



『BEST LIVE 2011(動画)』公開中!


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

・当日のセットリストは以下の通り

[1st set]

1.Trisoniqe......(by Hakuei Kim)
2..White Forest......(by Hakuei Kim)
3.Sound of Focus.....(by Toshihiro Akamatsu)
4.[duet] Newtown......(by Hakuei Kim)
5.Ruby, My Dear.....(arr Toshihiro Akamatsu)
6.Axis.....(by Toshihiro Akamatsu)

[2nd set]

1.The Gleaner.......(by Toshihiro.Akamatsu)
2.[Tribute to 1964's Miles]......So What
3.[Tribute to 1964's Miles]......Stella by Starlight

4.[Tribute to 1964's Miles]......Walkin'
5.[duet] Silent Butler.....(by Toshihiro Akamatsu)
6.Kuala Lumpur......(by Hakuei Kim)

[Encore]

1.Dear Old Stockholm
2.O Grande Amor

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

・セットリストの赤文字の演奏をアップしています。
・動画は従来通りMySpace版と、プラグインの関係でMySpaceビデオがご覧になれなかった人向けにYouTube版もアップしています。
・MySpace版YouTUbe版とも、どちらも同じ内容です。


[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




[MySpace版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部1曲目



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]






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CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

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