2012/7/20
音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-セカンダリードミナントの整理 金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック
※サーバーの長時間メンテ(2012年7月18日午前10時〜午後10時実施)の影響で今週後半は後追い更新です。
毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百七十一回目の今日はコード奏法編『音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-セカンダリードミナントの整理』というお話し。
途中からの人は先週の『音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-セカンダリードミナントの括り』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20120713/archive )、そこの景色も見覚えがない人は先々週の『音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-セカンダリードミナントの打破』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20120629/archive )、そして先週の『音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-セカンダリードミナントの連鎖』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20120706/archive )から読んでくださいね。景色が見えないとせっかくの解説の意味わかりませんよ(笑)
ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!



何とか初見の状態でコード進行にガイドを見出しながら進んで来て「Cセクション」。

(クリック、開いた画像をさらにクリックで拡大/以下同じ)
取りあえず先々週の応用で最初の四小節は道筋が付いたのだけど、続くこのコードの繰り返しで要注意信号が発令。

これまでは順次ベースの五度跳躍が連続する単純な仕組みだったが、ココで二つのコードを繰り返し留まってしまう。
どちらもドミナントコード。
すると、やはりどっちがダミーなのかを把握しておかなければアプローチノートも設定できない。
そこでここまで継続して来たモチーフをコードの変り目に挿入する事で、どちらがダミーなのかを検証しよう。
現在試しているのは、アプローチノートをダミーのドミナントコードに挿入するとサウンドが壊れてしまう、という聴覚的な判定基準。
まずはGb7からDb7のところにこれまでと同じ3rdの音に対してクロマチック・アプローチを挿入し、次のコードに対してモチーフを当てはめてみる。

これはワークしない。
もちろんコードの連携がこれまでの五度跳躍と異なってしまう点は大きいが、それだけではない。
まず、これまでの流れを著しく阻害するAをアプローチノートに取り込む事に違和感を覚えるし、五度跳躍用のモチーフを当てはめると次のコードの最初の音(このモチーフは3rdに設定)に半音で繋がってしまい、メロディーにヘンな終息感が生まれてしまう(メロディーが解決してしまう)。
これは何を意味するか?
直前のコード進行をもう一度確認してみよう。

一小節目の三拍目のG7がC7に、F7がBb7に、Eb7がAb7に、そして最後のDb7はここのGb7に繋がる。
この繋がりでは前者が本来のドミナント、後者がいわゆるダミー的なドミナントになる。
つまり、ダミー的なコードをそれぞれ同じrootを持つメジャーセブンスコードに置き換えると、その跳躍が生むイメージを連想できるだろう。
G7 → CMaj
F7 → BbMaj
Eb7 → AbMaj
Db7 → GbMaj
これなら何の問題も起こらないが、両方ともドミナントセブンスコードを用いたくなる感覚というのがある。
ブルージーなサウンドの演出だ。
単純に言ってしまえば上記の例のドミナントに続くメジャーセブンスコードを、半ば強引に(ブルージーに)ドミナントセブンスコードに置き換える、という事だ。
しかし、音の流れはどんなに作為的な置き換えを行っても、音本来がイメージする音に向かいたがる。
それに相反する作為的なコードの置き換えにストレスを持つ場合があるわけだ。
ドミナントコードを連続させるとどちらか一方が一時的な解決先となるケースが多いのも、本来であればメジャーセブンスコードに解決する部分を強制的に変換しているからで、逆にその結びつきを見破れば、演奏中に脱線して“どこか”へ行ってしまう事は避けられる。
おもしろいですね、ドミナントコード同士でも結びつきによってそれぞれイメージが異なるんですから。
そして、我々の聴覚というものも優れた予知能力を秘めている、という事です。
似たようなケースにメジャーセブンスコードの連続というのもあります。
AMaj7-GMaj7-CMaj7-BbMaj7・・・この時に調号は用いられていない。
このメジャーセブンスコードの連続の場合、AMaj7とGMaj7、CMaj7とBbMaj7に分けられる。
音楽は次に対して前の音の影響が及ぶようになっているからAMaj7の次に繋がるGMaj7には、AMaj7の影響が残っているものだ。
このコード進行に初めて接した時に私達はどうすれば良いのか?
次の音に及ぶ影響を予想しながら演奏するわけだ。
すなわち、AMaj7というトニック的なメジャーセブンスコードを如何にすればGMaj7というサウンドに生まれ変わるか、という事に集中するわけだ。
AMaj7のコードスケールは、
A-B-C#-D-E-F#-G#
これを如何にすればGMaj7のサウンドを発する事になるのかを考える。この際に理屈は抜きだ。
1.(AMaj7を演奏中に)GMaj7の配列に近い形でスケールを並べる
G#-A-B-C#-D-E-F#
2.この形↑からGMaj7というコードサウンドを生み出すために必要最低限な音の変換をすると・・・(赤が変換した音。他はそのまま)
G-A-B-C#-D-E-F#
実は理論だけで判定しようとするとAMaj7とGMaj7が並んだ場合の理屈を引っ張り出す必要が出て来るのだけど、あっという間に進行するコードに理屈を引っ張り出してる余裕はない。
一番簡単で、納得しやすい方法を知るのも演奏には必要だ。
同じ方法でCMaj7とBbMaj7の繋がりを判定すると・・・
CMaj7のコードスケールは・・・
C-D-E-F-G-A-B
1.(CMaj7を演奏中に)BbMaj7の配列に近い形でスケールを並べる
B-C-D-E-F-G-A
2.この形↑からBbMaj7というコードサウンドを生み出すために必要最低限な音の変換をすると・・・(赤が変換した音。他はそのまま)
Bb-C-D-E-F-G-A
さて、ドミナントコードのケースに戻ろう。
Db7からGb7への進行は、Db7からGbMajという形が本来の姿である事がわかるだろう。
なので、このGbをrootとしたコードをダミーのドミナントコードと割り出す事が出来る。
従ってこの二つのコードが繰り返されるのであれば・・・

↓のアプローチノートならコード自体ビクともしない。
この部分で「ブルージーに!」と言われてブルーノートを使って演奏するなら、多少の事ではビクともしないDb7に対して用いるべきで、ダミーの為に崩れやすいGb7のところにはブルーノートという感覚でのアプローチはなるべく用いないほうが良い。つまり、“なんとなく”調性が漂っている時に何でもブルーノートという感覚でのアプローチは調性を崩してしまう危険性がある、という事。
この場合、Db7のところではGb7のb7thに該当する“E”がブルーノートの#9thとして使いやすい。
極端な例だけど、こんな譜例からこの部分のサウンドの意図を察する事も出来ると思う。

似た者同士ながら、微妙に違うところをどんな曲でも初見で演奏しながら予測出来るようになりましょう。

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TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6
25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』
・当日のセットリストは以下の通り
[1st set]
1.Trisoniqe......(by Hakuei Kim)
2..White Forest......(by Hakuei Kim)
3.Sound of Focus.....(by Toshihiro Akamatsu)
4.[duet] Newtown......(by Hakuei Kim)
5.Ruby, My Dear.....(arr Toshihiro Akamatsu)
6.Axis.....(by Toshihiro Akamatsu)
[2nd set]
1.The Gleaner.......(by Toshihiro.Akamatsu)
2.[Tribute to 1964's Miles]......So What
3.[Tribute to 1964's Miles]......Stella by Starlight
4.[Tribute to 1964's Miles]......Walkin'
5.[duet] Silent Butler.....(by Toshihiro Akamatsu)
6.Kuala Lumpur......(by Hakuei Kim)
[Encore]
1.Dear Old Stockholm
2.O Grande Amor
Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)
Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011
・セットリストの赤文字の演奏をアップしています。
・動画は従来通りMySpace版と、プラグインの関係でMySpaceビデオがご覧になれなかった人向けにYouTube版もアップしています。
・MySpace版YouTUbe版とも、どちらも同じ内容です。
[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます
★第二部1曲目

★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]

★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]

[MySpace版]※画像をクリックすると別窓で開きます






ガンバレ東北!
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