2012/9/6

いつもより二ヶ月早く聴くアルバム・・・そう言えばジャズは女心、ボサノヴァは男心の唄が多い気がする  木曜:Jazz & Classic Library


たぶん、今日一日はこのアルバムの事がずっと頭の中に残っているでしょう。

たぶん、今日会う人達と話している時でも、ずっとこのアルバムの音が頭の中を流れているでしょう。

だからと言って、人の話を聞いていないわけではありませんから御安心を。

まだまだ日中は夏の勢いが色濃い東京ですが、先日郷里の九州で演奏して来た弟子・大野枝里子こと“しろえり”ちゃんによれば、九州の朝晩はもう秋のように快適だったとか。

音楽には“冷房の似合う音楽”と“暖房の似合う音楽”というものがあります。
キーンと鼻の中までピリリとした冷気が心地よい季節の音楽と、ほのぼのと暖気のオブラートに包まれるような温かさが恋しい季節の音楽を別の言い方で表わしたのですが、何とも「色気や風情がないねぇ」と言われそう。

でも、これだけ日常の中に冷房と暖房が組み込まれていると、かつての“団扇”や“風鈴”といった涼しげなグッズや、“暖炉”や“炬燵”といった暖かさのグッズと同じように「冷房」「暖房」が使われてもいいような・・・

季語になってもいいと思うのだけど・・・・ね。

さて、その「冷房」と「暖房」の間、我が家ではつかの間の時間ですが、最近夜中はこの「つかの間」の季節に。

そんな時に、普段なら11月の、秋色の中で聞くはずのこんなアルバムを取りだしてみた。


クリックすると元のサイズで表示します
『JOAO/Joao Gilberto』(philips/1991年)

1. I Really Samba
2. Go On
3. Little Rose
4. Malaga
5. A Woman
6. My Heart And I
7. You Do Something To Me
8. Unhappy Remark
9. Ave Maria On The Hill
10.Sampa
11.Smiled At Me
12.I Wish You Love

言わずと知れたボサノヴァの神様、ジョアン・ジルベルトの1991年のアルバム。

現在81歳、この当時は60歳頃だ。

ジョアン・ジルベルトは事ある度にアルバムを買っては聴き続けている数少ないアーチストだ。
この人は本当に面白い。
一番なのはその年齢によって歌い方を変えている事に尽きる。

最初はスタン・ゲッツとのジャズの名盤『ゲッツ=ジルベルト』(1963年)から。
当時32歳のジョアンの歌声は高校時代の僕の新しい生活に染み入った。

もしも、数多いジョアン・ジルベルトのアルバムから、いくつかのピークでアルバムを選ぶとすると、次は1976年のゲッツとの再演盤『ザ・ベスト・オブ・ツー・ワーズ』になる。
1960年代のボサノヴァしか印象に無かった僕には衝撃的な一枚で、このアルバムが切っ掛けとなってジョアン・ジルベルトをリアルタイムで聴くようになった。
トロピカリズムやMPBの事などブラジル音楽の進化の変遷も聴こえて、決して記録的なセールスに繋がるような話題作にはならなかったけど僕にとっては宝の宝庫。
45歳のジョアン・ジルベルト。
青年の風貌を残したアダルトの魅力と言ってもいい歌声。

そして、決定打がその翌年にやって来た。
ボサノヴァを愛するファン待望のピークと呼べるクラウス・オガーマンとのコンビネーション、トミー・リピューマのプロデュースによる『アモロソ(邦題:イマージュの部屋)』(1977年)だ。
オガーマン+リピューマとくれば、1970年代を代表するAORの作品に名を連ねるコンビ。それが46歳のジョアン・ジルベルトを多角度からアシストした傑作だった。
たぶん、ジョアン・ジルベルトのアルバムの中で一番お洒落で、そして内容の充実したアルバムだと思う。
二曲目の“Estate”。こんなにも儚く雄大な唄を他に知らない、と以前このアルバムに触れた時に書いた。

その後、少し鳴りを潜めた感じながら断続的にアルバムリリースは続いていたが、ピークとなるのがこのアルバム『ジョアン』だ。1990年、59歳の脂の乗り切ったジョアン・ジルベルトの歌声。

その後も数々のライブやアルバム、果ては初来日公演なども飛び出して歳と共にますます周りが騒ぐ存在となる中、2000年に弾き語りによるアルバム『voz e violao(唄とギター)』がまたまたピーク。
69歳、お爺ちゃんのジョアン・ジルベルトだ。しかし、それはお爺ちゃんではなく初老の紳士。

この人のピークの作品とその歌声と年齢を重ね合わすとわかると思うのだけど、それぞれのピーク時の年齢と歌声は一回りズレている。
三十代で青春の香りを漂わせ、七十代で初老の香りなのだ。

そんな意味も含めて、このアルバム『ジョアン』はアダルトな雰囲気、エスタプリッシュ(Establishment)した空気、そして少しだけ枯れ始めた季節にほのぼのさすら感じさせる。

空調を止めた部屋の空気と同じように暑さの余韻が聞こえてくる。

突然に始まる“I Really Samba”。
いつもはクールなジョアンが珍しくホットに展開しようとする。
一聴して、ずいぶんキー(調)を下げたなぁ、と思うトップナンバー。

これだよ、この出だしを待っていたんだよ、と言いたくなるようなボサノヴァ・エッセンスの“Go On”。包み込むように、優しく説くように歌うジョアン。やはりこれが聴きたくてアルバムを手にしているのだ。

“Little Rose”は軽快に、そして昔と比べればレンジも若干狭くなった感じが逆に味わい。低音域での吐息のような歌い方はこのアルバムからの新しい表現方法。そして、それが少し枯れ始めた季節でもあるんだけど、なぜかロマンチックだ。

ストリングスの情熱的なイントロから始まる“Malaga”。ボサノヴァの魅力の一つでもあるロマンチックなラブソング。

“A Woman”はどこかで耳にしたようなメロディー、コード進行。それが哀愁を誘う。この熱き想いはやはり11月の空が似合うかもしれない。

重厚なストリングスが導く“My Heart And I”。ボサノヴァお得意の自問自答でセンチな世界。この“青さ加減”がボサノヴァ最大の魅力。現実と板挟みの男心とでも言うべきか。
そう言えばジャズ・スタンダードはやたらと女心の唄が多いが、ボサノヴァは圧倒的に男心を歌ったものが多い。面白い対比だ。

少しジャズ的なエッセンスが漂う“You Do Something To Me”。訳詞を見てみたらドンピシャ! これにはなにかありそうな気がして来たぞ。。。

待ってましたと相槌を打ちたくなるライト・サンバは“Unhappy Remark”。これは・・・・やっぱり男心の唄だ。何だろう、どうしてポルトガル語がわからないのに、それがわかってしまうんだろう。
ううん・・・

クラシック、コンテンポラリーなストリングスがシチュエーションを奏で・・・・・このアルバム中、一番説得力に溢れた唄声、幸福感に満ちた唄声が聞こえる“Ave Maria On The Hill”。唄は祈るように歌わなければならない、と言ったジョアン・ジルベルトの言葉を思い出した。幸福の唄に聞こえる。

“Sampa”はボサノヴァの唄によく使われるワード「MEU CORACAO」が聞こえて来るので気になって・・・(笑)、調べたらメヲコラソンは「私の気持ち」という意味だそうです。なるほど、ね。そんな事を想いながら聴ける愛らしい曲。

アルバム中、一番古典的なボサノヴァ、サンバの雰囲気に溢れた“Smiled At Me”。やはりこれも男心を歌ったもの。なるほど、どうやらロマンチックなサウンド、連続する転調、マイナー・コードに11thを乗せる傾向が強いと男心の唄になるような・・・・、いや、まだ、確信したわけじゃないのだけど、如何にスムースにコードとメロディーを連結するか、という所に男心のポイントがありそうだ。

枯葉が舞い落ちるようなストリングスのイントロがロマンチックな最終曲はコール・ポーターの“I Wish You Love”。もちろんポルトガル語。これだけで受ける印象がガラリと変るから、言葉の発音は面白い。枯れて行く時間をゆっくりと楽しみ、味わうようにアルバムは幕を閉じる。

初めてこの時期に聴いてみたが、深まる秋の空気の中ではひしひしと心に触れる部分は通過し、ボサノヴァが男心を歌ったものである事に、今、初めて気が付いた次第。

秋に聴くと、そんな事はどうでも良いくらいに、周りがボサノヴァ色に染まっているからかもしれないね・・・




ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【速報】  【横濱ジャズプロムナード2012】

2012年10月6日(土)〜7日(日)
横浜市内各ホール、ライブハウス、ストリート会場など連日100ステージ超、毎年10万人を超える観客で横浜の街がジャズに染まる二日間。

クリックすると元のサイズで表示します
今年は以下のプログラムで出演します。

出演日時 : 2012年10月7日(日)15:40〜16:40
出演会場 : 横浜馬車道・関内ホール(小)
  出演 : 赤松敏弘(vib) meets ハクエイ・キム(p) DUO

クリックすると元のサイズで表示します
    Toshihiro Akamatsu(vib) Hakuei Kim(piano)
昨年秋の初共演以来意気投合のデュオで今年の横濱ジャズプロムナードに登場!!
他では聴けないこの二人によるプログラムに、乞うご期待!
クリックすると元のサイズで表示します

全日程・全会場MAP他詳細情報は公式ホームページで( http://jazzpro.jp/ )

前売り券(フリーパス)
●シングル券 ¥4,000(税込)一日券1名様分
●ダブル券 ¥7,500(税込)一日券2名様分または二日券1名様分

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【速報】 松山『SUGAR VILLAGE 2012』

2012年 10 月 8 日 (祝・月) 
■松山市内各会場で19:00よりスタート。
 各会場50分4回ステージ(最終ステージは22:00〜)。 


出演予定時刻:午後7時00分 - 午後11時00分の間の2set

出演会場:キーストン(松山市三番町1-10-13 トキビル3F)

MATSUYAMA SUGAR VILLAGE 2012(Jazz Festival)
Toshihiro Akamatsu(vib) with Yuki Watanabe(p) Trio + 1

赤松敏弘(vib)
with 渡部由紀(p)トリオ+ 1
(吉岡英雄/b 河北洋平/ds 矢野元/g)

クリックすると元のサイズで表示します

■1 Day Pass提示で各会場出入り自由。 
■チケットには初回の会場で有効の1ドリンクチケット付き。(以降の会場では入場時に要ドリンクオーダー)
■チケットは開催店にて9月上旬より発売

○出演会場: キーストン
 松山市三番町1−10−13, トキビル3F
 アクセス:伊予鉄道市内線「大街道」「勝山町」電停より徒歩5分

○料金:前売り3.000円(1 day pass) 当日3.500円

○問い:089-934-6254 (キーストン・出演会場)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【速報】  『ジャズの処方箋』(ジャズクリニック&セッション)
@ 松山・キーストン

2012年10月9日(火)午後7時30分〜午後9時30分

出演
★インストラクター/赤松敏弘(vib)
★渡部由紀(p)
★吉岡英雄(b)

料金:一般/3000円 学生/2000円
シュガービレッジ2012フリーパスと同時予約で500円引き

日頃からジャズのセッションには参加していたけど、いつもどこか自信が持てないままだった・・・
セッションでソロは演奏しているけど、実は耳コピでお茶を濁していた・・・
ジャズの演奏には興味があるけど、なかなか切っ掛けがなかった・・・

こんな人には心強い処方箋!

ジャズの演奏(アドリブ)はゲームと同じ・・・そう考えてみました。

ゲームは最初にルールを知らなければ楽しめませんね。
それと同じで、基本的なルール(つまり基礎的なコードの仕組み)を確認しながらコードの流れの中で音を出す。そこにはいろんなルールと遊び(応用)が潜んでいます。
感覚だけ磨いても、耳コピだけやっても、まったく自信を持てなかったインプロに、今夜は一つじっくりと腰を据えて、自信を付けて帰る為のお手伝い。

・参加者には課題曲(近日発表)配布
・オリジナルガイダンス“虎の巻”伝授
・早速実践、一緒にセッション!

【問い・予約】
キーストン・バー
http://www.keystonebar1991.com/
愛媛県松山市3番町1丁目10ー13 トキビル3F(八坂通りローソンの路地隣のビル)
営業時間/19:00?27:00
Tel. 089-934-6254
日曜不定休(月曜日が祝祭日の場合は営業)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドゾ、よろしく!




『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
クリックすると元のサイズで表示します
VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

New Album『AXIS』は全国の有名CD店のほか、ネットショップでも好評発売中!
■Tower Record
■HMV
■amazon.co.jp
■disk UNION
■山野楽器
■新星堂
■ベガ・ミュージック・エンタテインメント
■Yahoo!ショッピング
■楽天市場
■ヤマダ電機WEB.COM
■セブンイレブンネットショップ



どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

クリックすると元のサイズで表示します→CDショートレビュー


【動画】と【試聴】世界のヴィブラフォン奏者と素晴らしい音楽仲間へ直結!
■赤松敏弘MySpace

そして、コチラはオフィシャルサイト
■赤松敏弘Vibraphone Connection

掲示板に替わって登場、オフィシャルな(?)つぶやきTwitter
■赤松敏弘 Vibstation's Twitter

新しく追加のコミュニティー
■赤松敏弘facebook

auの方はコチラの赤松音源で
≪■着JAZZ!■取り放題≫
 カテゴリ(メニューリスト)>着うた>クラシック・ジャズ
 クリックすると元のサイズで表示します

SoftBankの方はコチラの赤松音源で
≪着JAZZ!≫
 メニューリスト>着うた・ビデオ・メロディ>着うた>Jazz・クラシック・ワールド
 クリックすると元のサイズで表示します 
≪着JAZZ!フル≫ メニューリスト>着うたフル>洋楽・Rock・Club
 クリックすると元のサイズで表示します

チェキラ!
★ビブラフォン ★ビブラホン ★ヴィブラフォン ★Vibraphone ★ヴィブラホン ★ヴァイブラフォン ★ヴァイブ ★バイブ
タグ: Jazz ジャズ CD



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ