2012/10/18

バンドが空中分解を始める時・・・・それはこんな風に恍惚な音を発しているのだろう・・・  木曜:Jazz & Classic Library


なんか今日は忙しかったですね。
只今午前五時。

やっとCDプレーヤーの前に腰かけたと思ったらもう夜明けです。

ツアーの疲れもすっかり癒えて絶好調(?)
そんな中で引っ張り出したのは・・・・

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『JOURNEY WITHIN/Charles Lloyd』(atlantic/1967年)

1.Journey Within - 11:29
2.Love No.3 (Keith Jarrett) - 5:37
3.Memphis Green - 9:15
4.Lonesome Child: Song/Dance - 10:36

Recorded on January 27, 1967 at the Fillmore Auditorium, San Francisco, California

Charles Lloyd(ts,fl)
Keith Jarrett(p,ss)
Ron McClure(b)
Jack DeJohnette(ds)

チャールス・ロイドの代表作となった『FOREST FLOWER』は二つの録音をミックスしたものだった。

・Atlantic Recording Studios, New York on September 8, 1966
・Monterey Jazz Festival on September 18, 1966

しかしこの二つの録音は実によく出来ていて、別にスタジオだろうとライブだろうと、このバンドが発する音はまったく違わない事を見事に証明したアルバムだった。
一部ではスタジオ録音とライブ録音の送り溝(レコードの)にライブの時の拍手を挿入したり、客がいるハズもないスタジオ録音のトラックにソロが終わると拍手が挿入されたりという“演出”に目くじらを立てていた人がいないわけではないが、そんな事を通り越した所にこのアルバムの完成度はあった。

その約四ヶ月後の姿がこの、ロックの殿堂と呼ばれたサンフランシスコのファルモア・オーディトーリアムで録音された本作だ。

先に2012/5/31の木曜ブログ『reissue盤で過去に逃していたものは新譜と同じ耳で聴くといい。。 木曜:Jazz & Classic Library』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20120531/archive )で紹介している『Love-In/Charles Lloyd』(atlantic/1967年)の続編、いや、どちらかと言えば“残りテイク”と言ったほうがいい。

大ヒットアルバム『FOREST FLOWER』とこのライブの四ヶ月間の間に、このバンドには大きな変化があった。
ベースのセシル・マックビーが退団し、ロン・マックルーアが加わった。

大ヒットアルバムで一番有名なのはLPのA面全部に跨った“Forest Flower:Sunrise 〜 Sunset”だったが、実はB面の二曲目の静かな“Song Of Her”が大好きで、A面の賑やかさに飽きるとよく聞いていた。
そのクールでモダンなバラードの作曲者こそがセシル・マックビーだったのだ。

言わばバンドの中のサウンドの要を担っていたメンバーが退団するという事は、すなわち、バンドの崩壊が始まったのを示すわけだ。

元々、このバンドの中で、キース・ジャレットは一番“危ない崖っぷち”にまで暴走したがる面があり、そこをセシル・マックビーのベースがギリギリでセーブしているように聞こえていた。
そのチグハグさと、それがピタリと揃った瞬間のパワーは、他のどのバンドよりも強烈な印象を残していたと思う。

マイルス・デイビスが注目していたのも、そのアンバランスな中に衝動的なロック・イディオムに通ずる、従来の「こじんまりとかしこまったジャズ」では突破できなかった未来を感じていたのだろう。

また、そのパワーに追従するジャック・ディジョネットのドラムのドライヴ感は凄まじいものがあった。

このように“ギリギリ”のバランスで強烈な音楽を明確に表現していたバンドの力関係にメンバー・チェンジという突拍子もないアクシデントが起こったらどうなるか・・・

一説には、元々パーマネントなメンバーはロン・マックルーアで彼が他の仕事で忙しかった為にセシル・マックビーが加わっていたというのもあるが、本当のところは定かではない。

演奏はどれも長い。

1曲目“Journey Within”はマックルーアのベースでスタート。ロイドはフルート、キースはピアノを弾かずパーカッションを叩いて始まる。
徐々にキースがピアノを弾き始めるころには曲もピーク。
1発もののフリーブローイングが命の演奏だ。

ロイドのソロの中盤からあちこちで“雄叫び”が始まる。
キース・ジャレットのボーイソプラノのような“雄叫び”に他のメンバーの“雄叫び”が重なり合い、フィルモア・オーディトーリアムのオーディエンスには“ウケ”たようだ。
やがてキース・ジャレットのソロの後ろではロイドの“雄叫び”とパーカッションが絡み、ますますアヴァンギャルドな世界へと突進して行く。
ロン・マックルーアは“雄叫び”を煽るようにボーイングによるソロにシフト、完全にステージの上は“箍(たが)が外れた”状態になり、瞑想でも始まりそうな雰囲気に。
ロイドがフルートに戻り、この混沌とした状況をどのように脱するのかの思えば、それはグリッサンドとキースの“奇妙な雄叫び”にロンもつられて“雄叫び”を放ち、徐々に全員の“雄叫び”て終わるという、まぁ、途中から想像の付く展開に。

二曲目“Love No.3”はキース・ジャレットがこの年に録音する初リーダー作『Life Between the Exit Signs』(vortex/1967年)のA面2曲目にまるでビル・エバンス・トリオのように美しいNo.1、続く3曲目には狂気の沙汰とも言えるフリージャズのNp.2が録音されている。
ここでのNo.3が意味するものは不明だが、ピアノの蓋をガタガタとリズミックに叩き始めたあたりからオーディエンスがノッてくるあたり、やはり破壊に繋がるエナジーには敏感に反応するのがよくわかる。

三曲目“Memphis Green”は過去にも録音されているロイドのブルース。このアルバムでは一番全員がインサイドにいる演奏。そういうところに実は全員の実力が見て取れる。ただパワーで破壊に向くだけでなく、ご機嫌なスイングも演じられるメンバーなのだ。

四曲目“Lonesome Child: Song/Dance”は、キース・ジャレットがソプラノ・サックスに持ち替えてロイドとの二管で演じる世界に。決して下手ではないのだけど、どうしてもキース・ジャレットのソプラノ・サックスは聴いていて疲れる。こうなると流石はロイド、楽器の発音がしっかりしているのがわかる。
比べて衝動的なキースのサックスはタンギングが甘いせいか、今ひとつ目指すところが見えない。
ただ、それが面白い部分を生んでいるのも事実なんだが・・・

こうなると、サウンドの要役として“ギリギリ”の選択をしながら演奏していたと思われるセシル・マックビーはお手上げになったのかもしれない事が何となく想像出来る。

それと同時に、バンドのバランスに少しずつ歪のようなものが現れているような気もする。

不思議なのは、そんな“ギリギリ”を超えてしまったところにバンドが突進してしまっても、どこからか結末が見えて来るところだ。

それがこの後のチャールズ・ロイド・クァルテットの持ち味となって行くのだけど、その衝動なら人々はロックの方向へと舵を切って、彼らがパワーを全力投球したエリアには誰もいなくなってしまった。

結局、崩壊状態でどんどん壊れて行くバンドが、まるで瀕死の状態から懐メロのように“Forest Flower”のワンフレーズを奏でると聴衆が狂喜するという、デッドエンドへと向かって音速を凌ぐスピードで毎回突進を繰り返していたように見える。

その、“ギリギリ”の淵を超えた状態の一瞬に、恍惚とする瞬間が確かにあの時代にはあったという事を忘れてはいけないし、そこを越えなければリアリティーのある音は出ないのかもしれない。

これはそんな事を思わせる、一つのバンドの記録だ。



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緊急ライブ情報
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ナント! 
遂に赤松・ハクエイDuoが四国・松山に初登場!!
たった一日、ピンポイントの緊急ミッション。
横濱ジャズプロムナード2012の感動をそのままに!

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11月14日(水)松山・大街道『カラフル』
“ドリームバース・プレゼンツ
オータム・スペシャル・ジャズライブ”
赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)Duo


第一部21:30開演/60分

第二部24:30開演/60分(レイトショー)

料金:3000円(入替え制/1ドリンク付き)

松山市大街道2丁目1−4 ヴィスコンティ大街道ビル6階
問い・予約/Tel 089-931-6112(カラフル19:00-26:00)
http://music.geocities.jp/lmb_colorful/index.html


ビデオカメラ第一部ではテレビ収録の予定。是非応援よろしくお願いします!

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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



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