2012/12/14

音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-6度の音程感覚でアナライズ  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百九十回目の今日は先々週の金曜ブログ『音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-カウンターポイントとインターバル』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20121207/archive )からの続き、コード奏法編『音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-6度の音程感覚でアナライズ』というお話し。

途中からの人は9月7日金曜ブログ『音楽的読唇術:洗練されたヴァイブやマリンバのインプロを考える-非ジャズトレーニングの立体化』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20120907/archive )辺りからの金曜ブログを読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!



昨日は一日大移動で久しぶりに「一人旅」気分だった。夜は寝台特急に乗ると恐ろしいほどの熟睡。気が付くと藤沢付近で、いつの間にか25分遅れとなっていた寝台列車は30分遅れで東京に到着。
たった30分、されど30分で朝のラッシュアワーのど真中に遭遇。結局いつもなら新宿から特急でスイスイと帰れるのに急行しかない時間帯のおかげで家に着いたら一時間遅くなっていた。
午後の予定を済ませて、夜は下北沢の富士見丘教会で開催されたドイツ在住のヴィブラフォン奏者藤田正嘉くんのライブを見に行った。ちょうどヴィブラフォンのレッスンに来ていた“いくみん”こと横田郁美嬢と“ヨシトモ”こと吉野智子嬢と連れ立って押し掛けた。

藤田くんとはネットで知り合いになってもう随分になる。

今でこそFacebook全盛期だが、彼と知り合った2008年頃はオリジナル・コンテンツ(音源)を持つユーザーはMySpace、動画を配信するユーザーはYoutube、そのどちらでもないユーザーがFacebookという棲み分けで、僕らはMySpaceで繋がった。

http://www.myspace.com/elfog

彼のMySpaceにアップされた音源からはアンビエントな空気感が聞こえてきて、とても印象に残っていた。

いわゆるジャズやフュージョンという片方の世界ではないもう片方の世界の香りが漂う世界観を持ったヴィブラフォン奏者という認識を持っていたのだけど、なかなか生を聞く機会がなかった。
前回の来日時はまったく予定が合わず聞かず終い、今回も危ないところだったが、ちょうど移動で戻って来た日の夜、しかも彼の出番は午後8時半頃というのでスケジュールをこなして急行したらギリギリ間に合った。

初めて生で聴いた彼の音楽は想像していた通りの世界だった。
想像した通りと言っても、「想像が付く」範囲のライブやコンサートにはわざわざ出向く気がしないのだけど、昔MySpaceで聴いた印象がどのようなステージとなるのかとても興味深かった。

時々、いわゆるアンビエント系でヴィブラフォンを演奏しているのをYoutube等でも見掛けるのだけど、どちらかと言えば楽器の「上辺」だけをなぞっているものが目に付いてしまう。
それも音楽ではあるのだけど、生で見る面白味はない。
かといって、想像の付くジャズやフュージョンの用法をただ酒場で披露しているのもごめんだ。

どこかにその人の証がある音楽を見たい。

そういう意味でも、今夜の藤田氏の演奏は、想像よりも遥かに骨太で、軸のしっかりした内容。
彼が描くメロディーとは違う“衝動”がちゃんと聞こえて来たもの。

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藤田正嘉氏と。 2012年12月14日@下北沢・富士見丘教会

やはり音楽には“衝動”が無くっちゃつまらないよね。




ジャズ、又はインプロを行う時、知らずの内に音程感覚の中で“軸”となっているのが、僕は場合は6度。
これは中学生になったばかりの頃に、当時遡って集めていたゲイリー・バートンのアルバムの一つ、『The Time Machine』(RCA)の中でも最も好きなトラック“Falling Grace”(comp by Steve Swallow)のゲイリー・バートンのソロを聴いていた時に気が付いた事だった。
当時はまだコードネームというものがどのような意味合いで存在しているのかも定かではなかったのだけど、聞こえて来る“衝動”(自分の胸が熱くなるような刺激)に6度下の音を重ね合わせて楽しんでいる自分があった。

もっと昔に、この“衝動”と出会った事があるな・・・・と、当時思い出してみたら、それは子供の頃(この時点でも十分子供なのだけど)に映画館で何度も観たウォールト・ディズニーの音楽。
時々チェレスタを使った音楽が挿入されていて、それらの音色(チェレスタはオンサを奏でるような楽器なのでこれは後にファンを回さずノンビブラートでヴィブラフォンを演奏する動機にもなっている)と響きに吸い寄せられるように反応していた。

で、

それらのメロディーやソロに対して6度下の音程を探る“遊び”が大好きだった。

コードネームというものの意味合いをジャズ的に拡大解釈するようになって、自分で演奏する為の曲を書いたり、演奏したいと思った曲のテーマを採譜したりする時に、どうしても「不可思議」な部分、つまりコードの特定が一筋縄では行かない時に、知らずの内にメロディーの下に6度の音程を足してメロディーに対して気持ち良くなる音程を探っている自分がいた。

後にアベイラブルノートスケールという言葉を聞くまでは、コードの特定はもちろん、6度の音程感覚による検証は調判定にまで及んでいた。

ちょっぴり話は逸れるが、6度の反転は3度。
面白い事に、ジャズミュージシャンの演奏には、この同じ音の音程を3度の尺で構築している人と、6度の尺で構築している人がいるように、僕には思えた。

あくまでも私論だけど、ソロに出て来るテンションの認識にその違いは現れていて、3度の尺を持ったプレーヤーの代表として僕はマイルス・デイビスがいた。
コードサウンドを無理矢理アウトするのではなく、3度の尺の中でギリギリまで拡大解釈する演奏を繰り広げていた。

ジャズに限らず、例えばドビュッシーは3度の尺、ラヴェルは6度の尺。

僕の中ではいろいろその尺で納まっている音楽が多い。

ともあれ、どちらが良いというのではなく、自分がどちらの“軸”を持っているのかを知っておくのは、けっして無駄ではなから時間がある時にでも、自分を分析してみるといい。

さて、6度軸の僕が今回取り上げているディジー・ガレスピーの名曲“CON ALMA”の気になっている部分をどうするか、一つ提案として例を挙げてみる事にする。

前回はこの状態まで内声の特定を行った。

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(クリックで拡大/以下同じ)

四小節目のセカンドライン(上行)がメロディーにかぶらないように三小節目で“F”を選択するのを避けて“D”を選択した。都合のよい事に、実は二小節目の“D#”からの跳躍は半音で結び付く“D”の方が近いのだ。ラインの連結では限りなく近くにある音に繋ぐのが内声を綺麗に響かせる方法でもあるからだ。

さて、これによってこのメロディーに対するカウンターライン、それと並行するセカンドラインの特定によって、より各々のコードが固有に持つ(だろう)コードスケールが炙り出された。

しかし、唯一特定出来ていたい箇所がある。

三小節目だ。

そこで、メロディーに対して6度の位置にある音を選択する事で、“軸”がブレない解釈を持つようにする。

この部分のメロディーだけではコードスケールが特定出来ない原因の一つに、メロディーに含まれる“B”(=Cb)の音がある。

この音をどのように解釈するかによって、答えは二通り。

ひとつは、メロディーから一瞬外れるものの、すぐに元の音に戻るからこの“B”(=Cb)の音は装飾音の一種である、と解釈する方法。
これであれば、この部分のコードに対する影響はほとんど無く、通常考えられる、次のメジャー・コードに対するドミナント・コードとし、V7(ミクソリディアン)とする解釈。

もう一つは、この“B”(=Cb)音をコードスケール上のある音(b9th)と設定してアナライズする解釈。

譜面で示すとこのようになる。

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もう一つ“B”(=Cb)をb9thと解釈した場合に候補にHMP5が挙がるが、これで出来るセカンドラインは妙な跳躍が含まれるのでかなり不自然だ。

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そうなると、この部分の解釈としてb9thを含むと考える場合は次のようなコンデミのラインという事になる。

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ここに出した二つの答えはどちらも有効。
ただし、演奏する時は、自分でどちらか一方に限定しなければならない。
演奏の途中や、コーラス毎に変えたのではパッキングを担当する楽器との間のコミュニケーションが悪化するばかりか、自分の“演奏軸”も優柔不断にグラグラと揺らぐだけ。

やはり、「これ」と決めたら、絶対に“軸”をブラさない事だ。

ちなみに、コンデミを挿入すると、この曲の冒頭8小節間のセカンドラインは次のような響きを放つようになる。

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※筆者注釈:コードネームG#7/C#→G#7/D#に訂正

活かすも殺すも、自分次第だ。




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Hakuei Kim(p)
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