2013/2/4

ちょっとだけ・・・深い話し  月曜:ちょっと舞台裏


「楽しみ方がわからないんです」

何の?

「自分の知らない音楽の」

ふむ。

この、先の見えない不透明な時代に音楽界に入って来ようとする若きミュージシャンの卵との会話だ。

音楽に好き嫌いはあるの?

「わりとそれははっきりしています」

それだよ、原因は。

「は?」

音楽に嫌いがあるからダメなんだよ。
音楽で食って行きたいんだろ?
じゃ、そこで「これは好きだけど、これは嫌い」なんて言ってられないよ。

「はあ・・」

だって嫌いって拒否してたらその分仕事を捨てちゃう事になるぜ。
仕事に好き嫌いってあってはならないと思わない?

「たしかに・・・」

他の職種じゃあり得ないよね。これから仕事をしようと言う人として。

「はい。。っあ、でも、、ひとつだけ質問いいですか?」

いいよ。

「赤松さんは嫌いな音楽は無いんですか?」

ハハハ(笑)、いい質問だ。
僕、無いよ。
好きな音楽はあっても嫌いな音楽は、ない。

「なんでもですか?」

何でもって?

「例えばジャズなら何でも好き、とか、、、」

何でも、ねぇ。
うん、何でも好きだ。

要するに、どんな音楽でも「嫌い」というスタンスが僕にはないんだ。
あるのは「好き」と「どうすれば好きになれるか」の二つ。

目の前にある音楽に自分が関わる時、
「好き」の度合いくらいは誰でもあるさ。
でも、これから自分が関わる音楽だよ。
どうすれば自分がもっと好きになれるかを考えるんだ。
そうすればどんどん夢中になれるだろ?

「はい」

その夢中になっている状態がステージやスタジオにいる自分なんだ。
どんな時でもその好きになる努力を惜しまない。
音楽で飯を食って行く気なら、その事をいつも考えてりゃいいのさ。
すると、音楽に関わる全ての事が自分の仕事になるんだよ。

「どんな音楽でも楽しめるんですか」

楽しみ方がわからないというのは、より趣味に近い耳で音楽に触れているからだと思う。
リスナーとして音楽に関わるなら問題ないが、プロとして音楽と関わるなら「なにが嫌い」という分析を済ませておかなきゃね。

「嫌いな事の?」

そう、その分析が曖昧だからいつまでも「嫌いなまま」なんだと思うよ。
嫌いにも必ず理由はあるもので、それは好きに理由があるのと等しいくらい自分を知るのに役立つ。

「へえ〜」

だいたい嫌いな事は手つかずで放置するのが普通だからね。

「たしかに」

だからコレが嫌いって特定出来るまで聴いてみるんだ。
すると不思議な事に、大好きな事と紙一重だったりする。

理由がわかれば自然と対処法もみつかる。自分が好きな音楽だもの。

ただね、何でも好きですってオールマイティーを目指せと言ってるんじゃないんだ。
自分の立ち位置をしっかり作ろうとすればするほど、自分の知らない所との結びつきが強くなるものだ。
そうすると、自分の予想だにしないところからの引き合いが出て来る。
好きとか嫌いとか言ってる場合じゃないよ。
自分の価値は自分の知らない所で高まるものなんだ。
だからいつも「どうすれば好きになれるのか」を考えながら生きて行くのさ。

「ずーっと、ですか?」

うん。ずーっと。

たぶん音楽に関わってる限り、ね。



デジタネーティヴ世代は知らない音。
ダイアルアップ接続音。
パペピプペポパポ・・・・に続いて聴こえて来る摩訶不思議な電気ノイズだ。
今や聞こうと思っても寸時に繋がってしまうネットの世界では難しいかもしれない。

すっかり記憶の彼方に消えてしまった感じだけど、久しぶりに聞いてみた。

っえ、ダイアルアップで? って、、、、
まさか・・・

コレです。

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『11:02/Mars Lasar』(earthtone/green energy/1998年)

今から15年ほど前のキーボーディスト、マーズ・ラサールのアルバム。
このアルバムのライナーは僕の初ライナーと言う記念すべきもの。
そのアルバムの5曲目の冒頭で当時のダイアルアップの接続音が効果音として使われてる。

当時はまだ僕もネットに持つ自分のディレクトリーはホームページだけで、ライブ案内等の告知以外のコンテンツに「音楽体験記」という自分の体験記をアップしたり、ヴィブラフォンの情報を交換するスペースを作ったりしていたせいもあって、それなりに盛り上がっていた。

今よりも遥かに多くのライブをやっていたが、帰って来るとその日のライブのルポをアップしたり、ヴィブラフォン同好の人達の質問に答えたり、深夜帯はネットという生活ベース。深夜帯になる大きな理由はテレホーダイという深夜帯の固定割り引きシステムがネット接続の掟のようなものだったから。

そんな時に、レコード会社からCDのライナーノートを書いてみませんか? というメールが届いた。
まだ当時はホームページでテキストを頻繁に更新するサイトも少なかったようで、レコード会社もいろいろとネットをサーチしていたようだった。

音楽を音で表わすのはミュージシャンだから当たり前だけど、テキストでしかも他人の音楽のお手伝いをするのは面白そうだったのですぐに返事した。

スムースジャズという言葉がようやく日本に定着しそうな時期で、そのレコード会社が扱うのも海外のそういったアルバムと言うので、それなら僕でも少なからず知識もセンスもあるので安心した。

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届いたラフミックスと簡単な資料を見ながら書いて行くのだけど、その時に思ったのが、まったく演奏で音楽と関わる時と同じという事。

「どうすれば好きになれるか」

ここから始まるのだ。

スムースジャズというエリアの音楽ファンが読んで分かる事。
なおかつココにある音楽を代弁している事。
自分が批評家ではなく紹介役、つまりバンドならバンドリーダー、番組ならホスト、という事。

全ては「自分がどんな風に好きか」だ。

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昔からアルバムのライナーノーツは隅々まで目を通すタイプだった。
いろんな論者がいるのも知っているけど、自分が同じミュージシャンの現場から受けている印象というものはたぶん他には無いはず。
自分らしく行け、という事だ。

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楽しい仕事だった。
「好き」になれたものがまた一つ増えたんだもの。
それで原稿料までいただける(仕事だから当たり前なのだが)。

変な語り口が功を奏したのか、続いていろんなミュージシャンのアルバムが届くようになった。

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その時に、「こんな事をして何の役に立つんだろう?」なんて思った事は一瞬たりともなかった。
音楽の仕事の底辺を広げている実感しかなかった。

さらに愉快だったのが、ミュージシャンの仕事では現場に出向くのが常だし、必ず誰かと会うのが当たり前なんだけど、ネットを介したライナー原稿作成はまったく相手の顔も知らないまま仕事が進む事だった。
僕らミュージシャンの世界ではあり得ない事が起こっているのだ。

もちろんネットを介しているのもいい。何かわからないけれど、新しい時代の波にもまれている感じがした。

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冒頭の話しに戻すと、原稿を書く楽しみ、曲を書く楽しみ、楽器を演奏する楽しみ、後進を教える楽しみ、、、、。
これ、みんな最後のワードが「み」になっているので趣味のように感じるかもしれないけれど、「さ」にすると素直な感情に変る。
それらは全て自分が好きになれたものの証になる。

今はどうだろう。

日本に限らず世界中みんなスマホやデジカメ片手に何やら写している。
写す楽しみが新たな形を生んでネットを拡大させている。

やはり今でも同じ。

どうすれば目の前の“課題”が好きになれるのだろうか・・・・




★☆★ 2012 BEST LIVE (動画) ★☆★

Nov/14〜15/2012

Toshihiro Akamatsu (vibraphone)
Hakuei Kim (piano)

1st set (9:30pm〜10:50pm)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)O Grande Amor

2nd set (0:48am〜2:09am)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)On Green Dolphin St

Rec, Nov/14〜15/2012 @ Okaido"COLORFUL", Matsuyama, Ehime, JP

※赤文字の演奏動画を公開しています

ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/1:00am's StellabyStarlight (Full version)

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

2012年11月14日四国・松山でのライブ第二部のもので第一部と同じ曲の深夜の演奏です。
まったく違うイントロから始まった瞬間から純粋な即興演奏に突入しました。
デュオという最小公約数にして最大の自由度を持つアンサンブルでしか出来ない衝動の記録となりました。
ソフトのアップロード時間制限の為に10分未満の暫定バージョンを年末にアップしていましたが今回フルバージョンに更新。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/2:00am's GreenDolphin

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

あらゆる意味で刺激的だったこの日のライブの最終アンコール。時刻は午前2時です。
第二部の会場は半分以上が地元のミュージシャンやピアニスト、音楽関係者で埋まっていましたから二人ともよりアグレッシヴなOn Green Dolphin Stに。午前二時にこんなガチンコなライブをやる街は日本でも珍しいでしょう。さすがは我が故郷です(笑)


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:53pm's StellabyStarlight

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

赤松・ハクエイDUOでのStella by Starlight。
このバージョンは2012年11月14日四国・松山でのライブ第一部のものです。
前月の横浜ジャズプロムナード2012でも評判だったこのスタイルのデュオがさらに一歩踏み込んだところでの演奏に。次の深夜のステージの演奏と比較するとまったく別の曲です。ジャズライブの楽しみ方で僕らはとても大きな事にこの時気付いたのでした。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:46pm's The Gleaner

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

四国・松山でのライブ第一部でのオリジナル曲The Gleaner。この日は入替え制という事もあり第一部も第二部も同じプログラム(アンコールを除く)でしたが、考えてみればクラシックのコンサートやポップスのコンサートとジャズのコンサートが大きく異なるのは、たとえ同じ曲を一日に二度演奏したとしてもまったく違う演奏になるのが当たり前。このライブではその当たり前な事を随分長い間僕らは忘れていた事に気づかされて、久しぶりに達成感で満たされたのを覚えています。


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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

New Album『AXIS』は全国の有名CD店のほか、ネットショップでも好評発売中!
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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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