2013/4/12

音楽的読唇術:続・オスティナートはインプロとリハモの指針  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第三百五回目の今日は先週からの続きで『音楽的読唇術:続・オスティナートはインプロとリハモの指針』と言うお話し。

途中からの人は先週の金曜ブログ『オスティナートはインプロとリハモの指針』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20130405/archive )から読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!



リスペクトというのは音楽の世界、曲の世界でもあります。
リハモナイズやアレンジなどで、元々ある曲をリメイクする場合、無茶苦茶にいじり倒す事も出来なくはありませんが、その後に待っている“あなたのソロ”の事を忘れてはいけません。

赤い色を青く塗ったら、あなたも青い色を準備しなければなりません。もしも、自分の中で青い絵の具に心当たりがなければ、原曲に手を加えている最中に「今、あなたが原曲に加えた細工」が何を意味するのかを検証しながら進めるべきで、それは原曲に対するリスペクトであり、あなたが手を加えた譜面を演奏するミュージシャンに対するリスペクトでもあり、わざわざ火の無いところに煙をたてた者の責務でもあるわけです。

「わたしはこの曲を、こんなに刺激的に新しく細工した。え〜、つきましては、あとはヨロシク・・・・」では済まないのですね。



ジェローム・カーンの有名スタンダード“All The Things You Are”のAセクションのコードをリハモナイズ中。

先週は、自分の造ったリハモナイズをオスティナートの導入によって、リハモの「意図」を鮮明にしよう、というところまでやりました。


現在のオスティナートを加えたリハモナイズはこんな感じ。
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(クリックで拡大/以下同じ)


さぁ、加えるだけ手を加えましたね(笑)
でも、このリハモナイズしたコードのサウンド(コードネームを見て弾いた和音の意)だけでソロに飛びこむのは危険です。

前にdimコードなどでは「コード・サウンド」としてのディミニッシュは有りうるが、実際にディミニッシュ・スケールが該当するところは稀である、という話しをしているように、コードネームには音符と同じように単に「ココでこのサウンドを弾いてほしい」という意味も含まれています。
しかし、ディミニッシュの時と同じで、一見“カッコいい形のサウンド”が出ていても、本当はそのコードの意味する形が何であるのかを特定しないとソロには踏み出せないのです。

見た通りに判定出来るところは良しとしても、「ここはなんだろう?」と思えるところは原曲をリスペクトする事で、本当の姿が炙り出させるケースが多いのです。

改めて原曲を並べつつ解説します。

■1-8小節目原曲
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■1-8小節目リハモナイズ
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■1-8小節目リハモ・アナライズ

一番簡単なアナライズは、任意の音から予測されるスケールを走らせる事です。
全て八分音符で小節毎に上行と下行を繰り返すシンプルな形を使って検証してみましょう。

最初から飛び出してくるAb/Eのコードスケールを判定しない事にはソロに手も足も出ません。

まず最小数の音でこのサウンドを表わすと下からE-Ab-C-Ebになります。
分母のEは独立した音に見えますが、コードスケールを予測する時にはこのコードの一部分に「Eb-E」という半音程(僕はコードスケールの“エッヂ”と呼んでいます)が含まれるという事が特定されます。
では最初にこの“エッヂ”が有効なコードスケールを思いつくままに挙げてみましょう。

1.EMaj7
2.BMaj7
3.Eb7(b9) 含むHMP5、又はコンデミ等
4.Gb7 含む#11thを含むGb7等
5.Ab7(b13)
7.A7(#11) 含むコンデミ等
8.Bbm7(b5)
9.B7 含むb9thを含むHMP5等
10.C7 含むコンデミ等
11.C#m7
・・・・他

なかなか候補が多くなりますが、この中で他の音(Ab=G#、C)との整合性を図ると一気に候補は絞られます。

すると・・・

4.Gb7 含む(#11thを含むGb7等)
5.Ab7(b13)
9.B7 含む(b9thを含むHMP5等)
10.C7 含む(コンデミ等)

ざっとこの4つ。
さぁ、そうなると重要なのはアッパー・トライアドとの整合性。

Abのトライアドで最初に想像出来るのはAbMaj7二種とAb7のコードスケールです。

スケールは、

・Ab-Bb-C-(Db)-Eb-F-G (AbMaj7)
・Ab-Bb-C-D-Eb-F-G (AbMaj7 #11)

しかし、この二つのスケールには「E=Fb」の音を挟む余地がありませんから対象外になります。(Maj7のスケールにはb13thというテンションは存在しない)

すると・・・ドミナント系か? 
Abをルートとするm7系のコードではb13thがアヴォイド・ノートになってしまうし。。

・Ab-A-C-(Db)-Eb-E-Gb (Ab7 b9 HMP5)

このAb7 HMP5が浮上します。Ab/EはAb7のHMP5の転回形だ、という仮定。

しかし、ちょっと待てよ。。。

この部分のスケールに「Bb」が無くても良いのだろうか?

原曲ではコードがFm7。
調号と合わせてコードスケールを表わすと、

F-G-Ab-Bb-C-Db-Eb

フラットの調号は何から順に付く?
Bbからでしょー。

原曲をリスペクトするならやはり「Bb」は外せない。

上のFm7のコードスケールに「E」を加える形で考えてみる必要があるぞ。

一番単純なのは「F」の音を半音下げる事。

E-G-Ab-Bb-C-Db-Eb

ううん。。。。

どうも「E-G」という部分に隙間が有り過ぎる。

では、フラットが調号として付く順に増やすとどうなる?

Bb-Eb-Ab-Dbと来ているんだから、次に付くのは「Gb」でしょ。

E-Gb-Ab-Bb-C-Db-Eb

おや?

これは・・・・・
一つ上の音から始めると・・・・

Gb-Ab-Bb-C-Db-Eb-Fb(=E)

ナント、Gb7(#11)。

そう、つまりこの部分はGb7(#11)のコードスケールという事になるのだ。

ただ、このままでは終わらないのがアナライズ。

もう一度最初に戻すと、一番単純なAb/EのサウンドはE-Ab-C-Eb。
これをGb7のコードと呼ぶにはあまりにもイメージが遠い。
なぜなら、Gb7のコードトーンが「E」以外聞こえて来ないからだ。
しかもそのままEをベースとしたGb7のコードトーンを転回形で弾くとE/F#(Eのリディアンスケール)のように聴こえてしまう。
さらに、聞こえる「E」もコード上ではb7thの音となり、響きとしてはあまり綺麗では無い。

そこで、Gb7(#11)の同意コード(この場合は転回形)であるC7altで考えると良い。

C7alt、つまりCのオルタード・スケールは

C-Db-Eb-E-Gb-Ab-Bb

このコードスケールは完全音程(P4,P5)を含まないのであくまでも代理の形でしか使えないのだが、アッパーストラクチャー・トライアドのように変位したサウンドには結び付けやすい。

従ってこのAb/EはC7altである事が特定される。

注:何でもオルタード・スケールで説明しようとする風潮もあるが、コードの構成音に完全音程(P5,P$)が無いオルタード・スケールが本当に適用されるケースは少なく、大概の場合は増四度下(上)のリディアン・フラットセブン・スケールの転回形と考えたほうが無難。なぜならベース奏者がオルタード・スケールとされるところで完全五度の音をラインに含むケースが多く、かつ実際にそのようなサウンドで正解の場合が多く、その場合はHMP5で良い場合がほとんど。

オルタード・スケールの説明で、主音以外の音に全てフラットを付けた音階と書かれてある場合があるが、なぜ半音下げるのか根拠が示されていないケースが殆ど。それではかえって混乱するからあまり鵜呑みにしないほうが良い。
ベースのラインを採って完全五度が聞こえたらオルタード・スケールではないと判断するのが無難だ。また、ドミナント・セブンスコードに(b5)と記されたものも同じ意味合いで要注意。その場合も一見オルタード・スケールに見えるのだけど、ベースが完全五度を弾いている場合が多く、その場合は#11thを含む、リディアン・フラットセブン・スケールかコンデミと解釈すれば良い。

その二つのどちらとも説明のつかないものがあるとすれば、( たぶん ) それをオルタード・スケールとしても良いと思える。

オルタード・スケールの適用には未だに多くの矛盾点がみられるので要注意



以下のコードはこのAb/Eほど複雑ではない。
原曲の調号に沿って、必要最低限の手を加えただけでアナライズは完成される。

Db/Fは「G」を含むリディアンスケール、C7(b9)/Eはよくある“Edim”のサウンドでこの段階で調号にb9thとb13thが含まれているのがわかるのでHMP5、Eb7はそのままミクソリディアン、Bb/Dは調号からドミナントコードである事が判明、Db7(#11)もそのままリディアン・フラットセブン・スケール、C7は調号から「Db」を含めたHMP5に修正、以下は皆リディアン・フラットセブン・スケールになる。

注:7小節目のC7は先週のオスティナートのよう9thを入れたコードスケールを想定する事も出来る。ここは選択肢を残した。尚、その場合のコードスケールはミクソリディアンが無難だ。


1-8小節目のコードスケール・アナライズをスケールでまとめると、次のような上行下行の反復ラインが連想出来る。これによってこの部分のソロへの準備は整った。

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さぁ、次は9-16小節目のアナライズだ。

(以下次回)


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★☆★ 2012 BEST LIVE (動画) ★☆★

Nov/14〜15/2012

Toshihiro Akamatsu (vibraphone)
Hakuei Kim (piano)

1st set (9:30pm〜10:50pm)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)O Grande Amor

2nd set (0:48am〜2:09am)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)On Green Dolphin St

Rec, Nov/14〜15/2012 @ Okaido"COLORFUL", Matsuyama, Ehime, JP

※赤文字の演奏動画を公開しています

ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/1:00am's StellabyStarlight (Full version)

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

2012年11月14日四国・松山でのライブ第二部のもので第一部と同じ曲の深夜の演奏です。
まったく違うイントロから始まった瞬間から純粋な即興演奏に突入しました。
デュオという最小公約数にして最大の自由度を持つアンサンブルでしか出来ない衝動の記録となりました。
ソフトのアップロード時間制限の為に10分未満の暫定バージョンを年末にアップしていましたが今回フルバージョンに更新。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/2:00am's GreenDolphin

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

あらゆる意味で刺激的だったこの日のライブの最終アンコール。時刻は午前2時です。
第二部の会場は半分以上が地元のミュージシャンやピアニスト、音楽関係者で埋まっていましたから二人ともよりアグレッシヴなOn Green Dolphin Stに。午前二時にこんなガチンコなライブをやる街は日本でも珍しいでしょう。さすがは我が故郷です(笑)


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:53pm's StellabyStarlight

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

赤松・ハクエイDUOでのStella by Starlight。
このバージョンは2012年11月14日四国・松山でのライブ第一部のものです。
前月の横浜ジャズプロムナード2012でも評判だったこのスタイルのデュオがさらに一歩踏み込んだところでの演奏に。次の深夜のステージの演奏と比較するとまったく別の曲です。ジャズライブの楽しみ方で僕らはとても大きな事にこの時気付いたのでした。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:46pm's The Gleaner

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

四国・松山でのライブ第一部でのオリジナル曲The Gleaner。この日は入替え制という事もあり第一部も第二部も同じプログラム(アンコールを除く)でしたが、考えてみればクラシックのコンサートやポップスのコンサートとジャズのコンサートが大きく異なるのは、たとえ同じ曲を一日に二度演奏したとしてもまったく違う演奏になるのが当たり前。このライブではその当たり前な事を随分長い間僕らは忘れていた事に気づかされて、久しぶりに達成感で満たされたのを覚えています。


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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




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■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
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赤松敏弘(vib)The NewQuartet
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CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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