2013/5/10

どの音に“今”を結びつけるか、が常にインプロを進行させる動機になる  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第三百九回目の今日は先週からの続きで『どの音に“今”を結びつけるか、が常にインプロを進行させる動機になる』と言うお話し。

途中からの人は先週の金曜ブログ『リハモの外見よりも中身を把握せよ!』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20130503/archive )から読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!




ヴィブラフォンやマリンバは、ピアノのように同時に広い音域でコードとメロディーを演奏するのは不可能です。しかし、かと言って、ではピアノの片手分程度の動きしか出来ないかと言えばそうでもありません。
ピアノの片手では、頑張って手(指)を広げてもせいぜい10度が届くか届かないか。
そうなると、左右の手にマレットを持っているヴィブラフォンやマリンバのほうが容易く広い音域で同時に音を奏でられます。

ピアノの鍵盤と手の大きさ、ヴィブラフォンやマリンバの鍵盤とマレットを持って広げたリーチの長さ、視覚的に比べれば、ピアノよりもマレットで演奏する楽器のほうが遥かに広いレンジ(音域)で物事を考えられそうです。

しかし・・・・

実際には、左手でコードを演奏しながらその上で右手で鍵盤の上を自在に駆け巡るピアニストのように初期の段階ではなかなかヴィブラフォンやマリンバでは自信を持ってワイドレンジなソロを演奏するのは難しいかもしれません。

これはピアニストが常に自分が弾いたコードサウンドによって右手をコントラストさせながら演奏出来る利点を持っている為で、同時に、しかも二つのエリア(右手の領域と左手の領域)を自由に組み合わせながら自ずとサウンドの検証が出来るという特権のようなものです。

それを見て、何も考えなければ、ビブラフォンやマリンバの前に立ち、左手二本、右手二本のマレットを、まるでピアノのフォームを真似るかのように左手で伴奏、右手で旋律・・・・そう考えでジタバタ(笑)。

ちがうのです。

どんなに頑張っても、片手五本の指の動きと、せいぜい2〜3本のマレットを片手に持って振るうのでは節理が異なり過ぎるのです。

考えればわかります。

左右のマレットを同時に動かす事で、一つのコードサウンドを暗示させながら、その隙間に左右のマレットの動きを組み合わせて、まるでピアノで弾いているかのような“錯覚”を創りあげるのです。

ピアノなら左手でコードも二音、三音なんて簡単に押さえられますが、ビブラフォンやマリンバではそれだけの為に片手(腕)を費やしてしまっては無駄が多過ぎます。
組合せながら、コードもメロディーも同時に進行させなければならないのです。

その為に、絶対的に必要なのがハーモニー・センス。
これがなければ、全ての音を奏でないと、自分でもヴィブラフォンやマリンバから、狙ったサウンドが鳴っていないような恐怖感に襲われるのです。

有名曲“all the things you are”をボサノヴァを想定してリハーモナイズ。
さぁ、コードスケールの検証も終えました。
じゃあお待ちかね、ソロ(インプロ)に入る時に何が必要か、お話ししましょう。

ここまでの経緯。

■All the things you are (オリジナルコード)
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(クリックで拡大/以下同じ)

■リズムをボサノヴァにチェンジする事を想定してリハモナイズ
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■コードスケール・アナライズを完了(先週)後、任意のラインを走らせて確認
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※ここまでの設定と検証が自分で理解出来ていない場合はこの先を見ても意味がありませんから先週に戻って再度コードスケール・アナライズからやり直してください。


ここまでの解説が理解出来たという前提で、このボサノヴァに似合うリハモナイズでインプロに入りましょう。

■自分で加えたコードをインプロに取り込む練習

曲のオリジナル・コードはスイングを想定したものでしたから、ボサノヴァを前提にややゆったりめのテンポで演奏するようにコードを置き替えました。

すると、サウンドはスムースに流れているのがわかるのに、コードのチェンジが増えた分、そのサウンドの流れに乗り損ないそうになってしまいませんか?
まるで「入れない縄跳び」のような感じ。。。

それには一つ理由があります。

たぶん、オリジナルの“All the things you are”の1小節1つのコードの流れとメロディーの動きがいつまでもイメージとして残っているからかもしれません。

だから、その倍の1小節二つというコードの増え方に、まだ身体と感覚が馴染んでいないのだと思えます。

そこで、こういう時の対処法。

一番簡単なのは、テンポをゆっくりに落として、自分で十分コード・チェンジを追える程度にスローダウンする事。

しかし、この練習法には一つ落とし穴があって、スローダウンした分、練習する毎に余裕が生れ、ついつい調子に載ってスローダウンを良い事にたくさんの音を奏でてしまう事です。
それは、音符で言えば、通常のテンポであれば八分音符でも忙しく感じていたのに、スローダウンさせて練習している内にダブルタイムで演奏するかの如くの十六分音符で練習してしまったり。

これでは元のテンポに復帰した時に、何の意味もありません。
特にヴィブラフォンやマリンバは叩く快感もあり、ついつい慣れて来るとこのダブルタイムで時間を埋めてしまう傾向があるので要注意。

それなら、小節を倍に取って、あくまでも八分音符で演奏する事から逸脱しない事です。

そこで、ひとつのアイデアです。

まず、小節と拍を倍に伸ばします。
8小節が16小節、1小節2個のコードを1小節1個に。

次に、オリジナル・コードの比率の高い各小節の頭のコード(倍にすると奇数小節のコード)はサウンドが明快なので、必ずテンションを最低1つは含むラインを描きましょう。
冒頭からザッとみると、それぞれ該当する位置のコードには9thがあるのでそれをスタート音として他はコードトーンで三度の跳躍をつかった下行ラインを。跳躍のあるメロディーは明確なコードサウンドを示します。

次にリハモ、又は置き換えの比率の高い小節内後半(倍にすると偶数小節)は確認を込めてコードスケールの断片を使って次の小節でスタートする音の近くまで上行しましょう。

こんな感じです。

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多少コードが増えたり複雑になったからと言ってアクロバットの練習をするように動き回っても面白い音楽は生まれません。サウンドが密であればあるほど、どこかに息抜きを設けながら、焦らず、慌てず、コードサウンドの波間を漂うような練習法が必要です。
もちろん、たくさんの音を奏でても良いのですがそれらに明確な法則を持ち合わせていないと聴き手は耳を塞いでしまいます。エキセントリックなのは演奏している側だけで、客席は冷めているか、ヒステリックにしか聞こえなていないかもしれません。
押してもだめなら引いてみな、的な、一歩下がったところでの練習が実は本番で興奮を呼ぶのです。

ヴィブラフォンやマリンバは先程も述べた通り、叩く、という興奮状態を自らが持っている為に、直情的になり過ぎるとかえって効果がマイナスな面もあるので、この教訓は密かに「心得」として保管しておいてください。

さて、元のサイズに戻します。

すると、リズム的な動きは先と同じくらいの密度で、コードのチェンジをどのような音で表現するかに目が行くでしょう。
ただ“熱く”なって、ダブルタイムで迷路にハマる事もありません。

冷静に考えるべきは矢印()で示した音の事です。

少なくとも、その小節の最初の音を演奏した瞬間には、この矢印の音の事を考えているべきです。

コードスケールを縫ってスケール的にメロディーを動かしている時は次のコードのコードスケールにどの音でスイッチするかは比較的見出しやすいのですが、この非スケール的な動きの時に「次のコードスケールのどの音に今を結び付けるか」を予測しながら演奏するには多少の訓練が必要になります。
ただ、この思考こそが、「今、私がこのハーモニーの流れの中で生もうとしている新しいメロディー・・・」という音楽、インプロを先へと進行させるという大きな動機となるのですね。

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この続きはDbMaj7。するとメロディーは何の音から始まるのかな? わかった人? (答えは本日の巻末に)

最初から決められていたようなフレーズや、練習して作り上げてしまったソロが新鮮味を持たないのは、その瞬間のライブなメロディーではないからで、インプロヴィゼーションとして“産み”の醍醐味が欠けているからなんです。
それでは即興演奏にならずチープな作曲をしているに過ぎないわけですね。

どの音に今を結び付けるか、それを自問自答しながらストレスなく曲の中でインプロを演奏する事。

その為の練習は、如何に曲を白紙で受け入れられるかを探る時間。
自分が曖昧なままに放置している部分が無いかチェックする時間。
そして受け入れた曲に対して、毎回その許容量をどこまで広げられるかを検証する時間であるべきです。


(以下次回)




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★☆★ 2012 BEST LIVE (動画) ★☆★

Nov/14〜15/2012

Toshihiro Akamatsu (vibraphone)
Hakuei Kim (piano)

1st set (9:30pm〜10:50pm)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)O Grande Amor

2nd set (0:48am〜2:09am)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)On Green Dolphin St

Rec, Nov/14〜15/2012 @ Okaido"COLORFUL", Matsuyama, Ehime, JP

※赤文字の演奏動画を公開しています

ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/1:00am's StellabyStarlight (Full version)

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

2012年11月14日四国・松山でのライブ第二部のもので第一部と同じ曲の深夜の演奏です。
まったく違うイントロから始まった瞬間から純粋な即興演奏に突入しました。
デュオという最小公約数にして最大の自由度を持つアンサンブルでしか出来ない衝動の記録となりました。
ソフトのアップロード時間制限の為に10分未満の暫定バージョンを年末にアップしていましたが今回フルバージョンに更新。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/2:00am's GreenDolphin

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

あらゆる意味で刺激的だったこの日のライブの最終アンコール。時刻は午前2時です。
第二部の会場は半分以上が地元のミュージシャンやピアニスト、音楽関係者で埋まっていましたから二人ともよりアグレッシヴなOn Green Dolphin Stに。午前二時にこんなガチンコなライブをやる街は日本でも珍しいでしょう。さすがは我が故郷です(笑)


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:53pm's StellabyStarlight

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

赤松・ハクエイDUOでのStella by Starlight。
このバージョンは2012年11月14日四国・松山でのライブ第一部のものです。
前月の横浜ジャズプロムナード2012でも評判だったこのスタイルのデュオがさらに一歩踏み込んだところでの演奏に。次の深夜のステージの演奏と比較するとまったく別の曲です。ジャズライブの楽しみ方で僕らはとても大きな事にこの時気付いたのでした。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:46pm's The Gleaner

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

四国・松山でのライブ第一部でのオリジナル曲The Gleaner。この日は入替え制という事もあり第一部も第二部も同じプログラム(アンコールを除く)でしたが、考えてみればクラシックのコンサートやポップスのコンサートとジャズのコンサートが大きく異なるのは、たとえ同じ曲を一日に二度演奏したとしてもまったく違う演奏になるのが当たり前。このライブではその当たり前な事を随分長い間僕らは忘れていた事に気づかされて、久しぶりに達成感で満たされたのを覚えています。


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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

New Album『AXIS』は全国の有名CD店のほか、ネットショップでも好評発売中!
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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

クリックすると元のサイズで表示します→CDショートレビュー


【動画】と【試聴】世界のヴィブラフォン奏者と素晴らしい音楽仲間へ直結!
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■赤松敏弘Vibraphone Connection

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チェキラ!
★ビブラフォン ★ビブラホン ★ヴィブラフォン ★Vibraphone ★ヴィブラホン ★ヴァイブラフォン ★ヴァイブ ★バイブ

答え : 次の小節のメロディーはEbから始まる



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