2013/6/28

ヴィブラフォンもマリンバも一歩先行く余韻をコントロール/柔らかい頭でクリシェのソロを考える  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第三百十六回目の今日は先週からの続きで『ヴィブラフォンもマリンバも一歩先行く余韻をコントロール/柔らかい頭でクリシェのソロを考える』と言うお話し。

途中からの人は先週の金曜ブログ『ヴィブラフォンもマリンバも一歩先行く余韻をコントロール/クリシェのソロを考える』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20130621/archive )から読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!



先週は二年振りに恩師ゲイリー・バートン氏と再会、そして素晴らしいパフォーマンスをいつもにも増して堪能する事が出来ました。思い返せば僕が12歳の時にヴィブラフォンという楽器を特別に着目する切っ掛けとなったバートン氏。それからはビブラフォンに留まらず、以来音楽全般のメンター的な存在として、また、途中からは本当の師匠として見続けています。

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僕が子供の頃に初めてゲイリー・バートンという存在を特別に意識して買った雑誌1969年12月号の写真(右側。左はレッド・ノーヴォ)と共に記念ショット。その数ヶ月後から僕のヴィブラフォン人生が始まりました - Jun/21/2013 @“小曽根真&ゲイリー・バートン ジャパンツアー” 松本 ザ・ハーモニーホール楽屋にて

若い時というのは「頭が柔らかい」と言いますが、それは嘘かもしれません。
「柔らかい」というのが嘘というのではなく、視野を広げる切っ掛けを得ないとちっとも柔らかくないのです。
むしろ年齢を重ねたほうがいろんな見識を得るチャンスさえあれば柔らかいかもしれません。
要するに、いつ、どこで、何に、興味を持つかが大切。

先日、大学であるスタンダードの曲を使ってインプロの指導を行っていましたが、けっこうみんな大変そうでした。
たぶん、目の前に広がるコード進行の流れに乗って自分なりのストーリーを造るのが難しかったのかもしれません。
一生懸命格闘している生徒に、一つサジェスチョン(suggestion)。

「例えば、このままストレートにコード進行を追うととても大変。そういう時はどうする?」

「・・・・・」

「僕は無理をしない。自分の中でこのコード進行をいくつかに分割する」

「・・・・」

「分割と言っても、発想の転換に結び付くものじゃなければ意味が無い」

「。。」

「例えば、四小節毎に分割するとして、」

「ふむふむ。。」

「最初の四小節は右から」

「ほう」

「次の四小節は左から、演奏してみる」

!

「これなら自分でも視覚的に分割する事になる」

!!

「例えば・・・こうだ」

リズムセクションをスタートさせて、最初の四小節は右手からメロディーを弾きはじめ、次の四小節は左手から弾きはじめ、さらに次の四小節は左、次は右・・・・と1コーラスのソロを四小節毎に弾きはじめの“手”を左右交互にはじめる演奏を披露する。

「これはビブラフォン、マリンバに限らず、ピアノだって出来る、サックスやフルートだって出来る、トランペットでもピストンを決めれば出来る練習方法だね」

!!!

「そうか!!」

一番最初に反応したのがリズムサポートに来ていたドラマー君だった(笑)

「そう! もちろんドラムだって同じだよね。
長い道のりを一息にブレス無しで乗りきるのは不可能としても、途中で何度かブレスをすれば持つもの」

左手の役割と右手の役割が分散している楽器なら、まずはこんな発想の転換から始めてみるといい。

でも、、、ベースとギターは無理でしょうーって?

弾き始めの弦を決めるって手があるでしょ。(笑)

頭は柔らかく、演奏のフォームも柔らかく。
基本です。



有名曲“all the things you are”のコード進行をボサノヴァに相応しくリハモナイズ。
只今最後の8小節間で使うクリシェで格闘中。

まずはこの部分のオリジナルのコード進行
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(クリックで別窓拡大/以下同じ)

ボサノヴァでの演奏を前提にリハモナイズしたコード進行
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クリシェを導入
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サポート・ラインとクリシェを合体
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さぁ、ここまでアナライズ出来れば、後はソロを演奏するだけじゃん!

ところが、やってみるとわかると思うのだけど、ソロを演奏中にクリシェ・ラインを意識すると、メロディーのアイデアがクリシェに吸収されてしまったりする。

「っえ? まったくそんな事ありませんけど」って?

それは逆に周りの音を聴いてないからかもしれないぞ。要注意。

常に周りの音を聴きながら演奏していると、このクリシェのラインは、実にコードの中で魅力的な動きを齎している事に気付くはず。
だから、ついついその部分になると惹きこまれてしまってソロが中断してしまう経験をした人は案外多いと思う。

そこで、先週出したヒントがコレ!

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これ、なんなの?

そう思うかもしれませんね。
でも、これはクリシェで動揺しない為の一つの対策を示しているのです。

この譜例が示すのはクリシェ・ラインが入る事によってコードスケールに変化が及ぶ場合の対策。
なので、クリシェが半音で動いてもコードスケールに変化が起こらない場合は対象にしなくてもよいのです。

ここではG7-Gb7のところが対象で、他はコードスケールに変化がないので対象外になります。まぁ、対象外のところは普通にソロが演奏出来るはずですから最初から問題にならないんです。

この譜例のコードスケールは、クリシェによって同じコードの中で変化した二つのコードスケールを並べています。上がG7、下がGb7。

並べて何をするのか?

この二つのコードスケールで、いくつかに音階を区切って弾いてみると、同じ音から始まって途中違う音を経由するものの同じ音で終われる箇所があります。

クリシェでソロを演奏する時に、一番困惑するのがクリシェによってコードスケールそのもの、つまり演奏している土台がゴッソリとすり替わってしまうように思うところにあります。
ならば、自分の中で「ゴッソリと替わらないもの」を持っていれば困惑する事がありませんね。

発想の柔らかい転換です。

今までコードスケールを必死でアナライズして来たのは何のためでしょう?

コード進行に隠されたハーモニーの動きを知る為ですね。

この部分のクリシェだってそうです。

「なるほど、こんなんなってたんやー」とアナライズして何か秘密を炙りだしたように自分で惚れ惚れしているかもしれません。

ただ、その炙り出したものの攻略に自分が苦労しているとなれば・・・・

着目すべきは・・・・

変化しないもの!

変化しない?
だってさっきからクリシェでコードスケールが変化するって言ってんじゃん。
このへそ曲がりめ!(>.<)!

まぁね、へそ曲がりはあってるかもしれないけど、、まぁ。。ね。

変化するものもあれば、変化しないものもある。
それが世の中。

全部変化したらそれは「同じコードの中でクリシェによってコードスケールが変化する」とは言わないよね。
同じコード。

そうです。
あくまでもこの部分なら最初の小節はG7、次の小節はGb7。

替わらないのはコードトーンじゃないですか!

そのコードトーン同士を出発点と到着点にすれば、自分の中で替わらないモノ=基準が生れます。

基準があれば、変化を冷静に捉えられる。

コードトーンと言えば、ヴィブラフォンやマリンバでコード伴奏する時の基本形を思い出してください。

コード・ヴォイシング基本形 (G7 Gb7)
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このコードトーンだけはいくらコードスケールが変っても変らない(b5th等コードトーンが変化しない限り)
そこに着目して、最初と終わりが変化しない動きを見つけて中の変化を楽しむのです。

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矢印の部分がコードトーン。
下向きの矢印の間、上向きの矢印の間、それぞれに着目。

オクターブをちょうどアヴォイドノート(この場合は11th)のところで分割した音階を弾くと、スタートする音とストップする音が同じになりますね。
異なるのはその間に含まれるコードスケールの違いによって選択される音。
最初と最後が同じであれば、その変化をかなり冷静に受け止める事が出来るのです。

これは、コード進行の中で動くステップを消化する時に適用したペンタトニックの動きと同じ原理です。
長三和音を含むコードの場合はrootからの4つのステップを基準とし、短三和音を含むコードの場合はb3rdからの4つのステップを基準として長三和音の時に弾く音型に揃えた、あれです。
異なる形を持つコードの中で動くという目的の為に長三和音も短三和音も形を揃えると抵抗なくコードの流れに乗れる、というやつ。

ではこの形を基準として、クリシェで変化したG7の部分を上行、下行のラインで流してみましょう。
かなり楽にクリシェをラインに取り込めるはずです。

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こりゃいいねー。
いままで頭の中でモヤモヤしていたのがちょっぴり晴れたんじゃないでしょうか。

じゃ、このまま最初の四小節をウォームアップに流してみましょう。

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いいねー。
かなりクリシェを自然に取り込める目途が立っているのでは。

しかし、、、

この譜例で一箇所問題が発生。
さっそく修復に向かいましょう。

(以下次回)


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★☆★ 2012 BEST LIVE (動画) ★☆★

Nov/14〜15/2012

Toshihiro Akamatsu (vibraphone)
Hakuei Kim (piano)

1st set (9:30pm〜10:50pm)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)O Grande Amor

2nd set (0:48am〜2:09am)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)On Green Dolphin St

Rec, Nov/14〜15/2012 @ Okaido"COLORFUL", Matsuyama, Ehime, JP

※赤文字の演奏動画を公開しています

ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/1:00am's StellabyStarlight (Full version)

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

2012年11月14日四国・松山でのライブ第二部のもので第一部と同じ曲の深夜の演奏です。
まったく違うイントロから始まった瞬間から純粋な即興演奏に突入しました。
デュオという最小公約数にして最大の自由度を持つアンサンブルでしか出来ない衝動の記録となりました。
ソフトのアップロード時間制限の為に10分未満の暫定バージョンを年末にアップしていましたが今回フルバージョンに更新。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/2:00am's GreenDolphin

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

あらゆる意味で刺激的だったこの日のライブの最終アンコール。時刻は午前2時です。
第二部の会場は半分以上が地元のミュージシャンやピアニスト、音楽関係者で埋まっていましたから二人ともよりアグレッシヴなOn Green Dolphin Stに。午前二時にこんなガチンコなライブをやる街は日本でも珍しいでしょう。さすがは我が故郷です(笑)


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:53pm's StellabyStarlight

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

赤松・ハクエイDUOでのStella by Starlight。
このバージョンは2012年11月14日四国・松山でのライブ第一部のものです。
前月の横浜ジャズプロムナード2012でも評判だったこのスタイルのデュオがさらに一歩踏み込んだところでの演奏に。次の深夜のステージの演奏と比較するとまったく別の曲です。ジャズライブの楽しみ方で僕らはとても大きな事にこの時気付いたのでした。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:46pm's The Gleaner

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

四国・松山でのライブ第一部でのオリジナル曲The Gleaner。この日は入替え制という事もあり第一部も第二部も同じプログラム(アンコールを除く)でしたが、考えてみればクラシックのコンサートやポップスのコンサートとジャズのコンサートが大きく異なるのは、たとえ同じ曲を一日に二度演奏したとしてもまったく違う演奏になるのが当たり前。このライブではその当たり前な事を随分長い間僕らは忘れていた事に気づかされて、久しぶりに達成感で満たされたのを覚えています。


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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

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CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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