2006/4/21

余裕があれば使ってみよう!装飾的なピッチベンド奏法  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。金曜第五回目の今日は装飾的な奏法であるベンド(Bend)のお話しです。

昨夜(06年4月20日)の“やはり原点はコレ!”でもお話ししましたが、我が師匠ゲイリー・バートン氏のアルバム『Lofty Fake Anagram』(1967年/RCA)にちりばめられた独創的なvibraphoneのテクニックは13才の少年の心(←俺だってば!)を捕らえて離しませんでした

ジャズのムツカシイ事はさておき、実に様々な音色が聞こえてきて、すっかり「鉄の固い楽器」、あるいは「常に機械的なビブラートでピッチが揺れてる楽器」というイメージが拭われたわけです。

その頃にレコードから聞こえてくる音色の中で最も興味を示したピッチベンド奏法。この謎解きは(当時)中学校の吹奏楽部の部室にあった「ビブラホン」で解明する事ができ早速翌年には人前の演奏で披露していました。目先の興味の対象にすぐ手を出すいかにも子供っぽい行動でしたが、以来自分の演奏表現の中の一つのボキャブラリーであり続けている事だけは確かです。

ベンド(Bend)奏法の解明で当時僕のヒントとなったのは、テレビで見たラテンパーカッションのコンガのソロ

ラテンバンドの演奏の中でコンガだけがフィーチャーされるシーン
「イェ〜〜!」とか言いながらコンガ奏者がポコポコパコパコペペペペペペペ・・・ッンペ!
な〜んて、やってるやつ。子供の頃よくテレビで見ました
ひとしきり バコンバコン、デュベベベベベベ、、、、ポンッ! とか盛上がった後に、指をペロペロ舐めたかと思うと、突然コンガの表面を撫で始めて、少年ならずとも「いい大人がナニゴトか」と思っていると、「ヒュン」「ヒョン」とか指を滑らすと不思議な音が聞こえてくるやつ。

(スイマセン、ついつい“フンコー”して濁音表現増えました)

あれです
鍵盤を指のようなもので擦れば音はベンドするんじゃないか?・・・・と。

そこでいろいろと試した結果、僕は硬質ゴムのマレットに辿り着きました。
実際にバートン師匠が何を使っていたのかは謎のままですが(そんなレッスンはない)
そこは想像力と創意工夫です。



では、中学生の時に解明したベンド奏法を


まず、マレットは通常の4本ですが、使用頻度の点から一番下(左手外側)のマレットを硬質ゴムのマレットに替えます。
クリックすると元のサイズで表示します
(硬質ゴムでも硬すぎるとノイズが、柔らかすぎると鍵盤に跡が付くので注意)

仮に派生音側の『A♭』の音をベンドさせてみましょう。
・ペダルを踏んだまま
・右手外側のマレットでAbを弾き
・ほぼ同時に左手外側のゴムマレットをAbの鍵盤のデッドゾーン(紐の上)に当てる
クリックすると元のサイズで表示します

・ペダルは踏んだまま
・左手外側のゴムマレットを外(この場合は手前のダンパー寄り)にスライドさせる
クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します

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これでピッチがベンドします

スライドする方向は鍵盤の外側と内側の両方向が可能ですが、ノイズ(振動幅の大きい箇所に触れると発生しやすい)を抑える点では外側、ベンド音を強調したい場合は中側と使い分けています。

まず基音側の『G』をさっきの要領で
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普通にベンドをするには鍵盤の外側へ
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ベンド音を強調したい時には鍵盤の中側へ
クリックすると元のサイズで表示します

ど〜よ 簡単にピッチベンドが出来たでしょ

と、まあ、この奏法はあくまでも表現として必要な場合にのみ使ってみなさい、っていう装飾的なテクニックなので、必死になって練習するものではありません。
また、これを使う場合は、予め「心の準備」のようなイメージ(かなり冷静な)を先行させなければ音楽にフィットしないので、

無理矢理使う為の奏法ではない事をお忘れなく (きっぱり)

他にも弦楽器の弓で鍵盤を弾くような装飾的な奏法も70年代の現代音楽で経験しましたが、、、
あくまでも代用的、実験的で終わっています。


ちなみにマリンバでもピッチベンドを試しましたが、中音域以下であれば効果があります。一種のダンプリング・テクニックとも言えるのですが、40年経ってもあまりマリンバでは使われていないところを見ると、この種のダンプリングテクニックではヴァイブが先行しているように思います。(木の鍵盤に対する負荷が大きい事も理由)

ともあれ、もっと面白くてわくわくするような音をマレットキーボーディストみんなで出そうではありませんか

おしまい



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