2007/7/27


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。第五十九回目の今日はマレット・プレーヤーのネット活用法です。

活用法なんて堅い表現はいけませんね。ネットを使って見聞を広げるというのは20世紀育ちの僕らにはないアイテム。特にヴィブラフォンやマリンバの情報では音と共に奏法という事で映像は大きなヒントを持ちます。

僕らは「動かない写真」がなによりの情報源でした。田舎に住んでいると周りにおいそれとマレット・プレーヤーと出会う確率は低く、そうなると興味を持った瞬間からマレットの持ち方などを「動かない写真」から分析するしかなかったのですね。東京に出て来てからも生の演奏を見れる機会はホントに僅か。
たま〜に動く「テレビ」や「ビデオ」が餓えた情報源を一瞬満たしてくれるだけ。
創造力以外の何物でもありません。

きっと90年代くらいまでは世界中がそうだったんだなぁ、と思うのはネットでYou Tubeを見ていて思うのです。
まぁ、とにかく面白い。
少なくとも現在二十歳以上の人達の演奏はユニーク。
その人の創造力が演奏の動きを作っているからです。

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“You Tube” 

弟子達を見ても半数以上は音楽学校でマレット楽器の教育を受け、残りは最初から僕が教えたという事になりますが、グリップ一つを挙げてもみんなバラバラです。(全員4本マレット)
トラディショナル・グリップ、バートン・グリップ、スティーブンス・グリップが入り乱れていますが、これを統一するなんてナンセンスな事はしません。いや、する気もありません。

理由は単純にそれぞれ身体つきが違うからです。
いくつかの選択肢があって、その中から自分に合ったグリップを選ぶ。用法が一つだなんてあり得ないのです。
要は要求される事や必要性に応じて、それぞれのグリップの短所を個人が克服すれば良いだけで、曲毎にグリップを変えるなんて自殺行為に等しいと言えます。(手首に負荷を掛け過ぎると腱鞘炎になり、マレットプレーヤーとしてこれは最も警戒すべき事です)

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さて、情報の宝庫「You Tube」。
ざーっと楽器名を入れてサーチすると、マリンバは女性、ヴィブラフォンは男性が圧倒的に多くヒットします。やはりこれは世界的な傾向ですね。

「You Tube」には情報が溢れているので、まぁ、「コレはいったいどーしたもんでしょーねー」と思わず笑ってしまうものから、お宝と呼べるものまで千差万別。
でも、それらもずーっと(一応)見てみると、面白い事に気付きます。

例えばヴィブラフォンを演奏する人(僕も含めて)の動きです。

2本マレットで演奏する人は中央のペダルを基軸に身体を左右に振りながら演奏するスタイルが多いのですが、4本マレットで演奏する人はとにかく動き回ります(笑)。これは手首の向きに大きく左右されているんだなぁ、と発見でした。
グリップの手首が横を向いている(ドラムのスティックと同じ)と人間は左右動に比較的安定した動きを得ますが、手首が真上を向いていると左右動に合わせて身体を移動してバランスを取る必要があるみたいです。「You Tube」を見るまではそんな事わかりませんでした。プロもアマも含めての傾向がわかる「You Tube」ならではの発見です。

おもしろいですね

こんな事もあります。
ブルースハープ、クロマチック・ハーモニカ奏者のHendrik Meurkensという人がいるのですが、この人、実にヴィブラフォンが上手なのです。2本マレット奏法の人で僕とはまったく異なる演奏スタイルなんですが、これがとてもスイングしていてゴキゲンなんですね。
ジミー・コブ(ds)入りのピアノトリオをバックにライブハウスでの演奏が聴けるのですが(見れる、か)、嫌味がなくてスタンダード・ジャズの理想的なグルーブを示してくれます。ハーモニカは管楽器と言って良いと思いますが、そのフィールでヴィブラフォンを演奏するとオーソドックスでいて何処か新鮮な演奏なんですね。
ゆっくりしたパートではハンド・ダンプニングを使って残響に自然と身体が反応しているのがわかります。音を延ばす、というヴィブラフォンの特徴をうまく利用した演奏だと思います。ともすれば打楽器的にたくさん叩く事に気が向きがちな人は是非参考に。

マリンバもヴィブラフォンもマレットを持って叩けば誰でも音が出る単純な楽器です。その良さというものを、どんなに複雑な事をやっていても忘れてはいけない、という事ですね。

さぁ、今夜はどんな発見が「You Tube」の中にあるでしょうか。
情報の宝庫を活用して歴史的に貴重な映像から、今世界で起こっている事、時代の感覚をしっかりと掴んでおきましょう。
狭い世界で物事を考えては何も進化しませんね。

局地的なインフォメーションです!

CD「TIDE GRAPH」の発売日(8月8日)に故郷・松山で地元のミュージシャンとライブを行わせていただく事になりました。夏に松山で演奏するのは何十年振りでしょう。サマーバケーションの楽しいセッションです。
お近くの方は是非どうぞ。もちろんCD販売&サイン会あり!
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8月8日(水)午後7時〜 松山『ジャズ・イン・グレッチ』
松山市歩行町1-5-10
(市電“大街道”叉は“勝山町”電停から徒歩4分)
出演:堤宏文(ds)トリオ(渡部由紀/p、吉岡英雄/b) w/赤松敏弘(vib)
料金:¥3.500(1ドリンクつき)
主催:オフィス・ツツミジャズ・イン・グレッチ、後援:FM愛媛
問い/予約 089-941-6054(グレッチ) 叉は090-1170-3960

おしまい



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