2007/11/23

究極の練習4:ガイドトーンラインと手順の予想  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。第七十二回目の今日はガイドトーンラインを使ったインプロヴァイズと手順の連動のお話しです。

昨日の夕方、何でこんなに混雑しているのだろうと思ったら・・・全国的に連休でした。
余談ですが、先日自動車免許を取りに通っている弟子に今の教習所の実情を聞いて驚きました。ガラガラで若者の車離れもあるとは言え、いくら客商売としても厳しい指導があった時に「今日はちょっと厳しくしてゴメンね」と終わりに教官が謝るのだそうです。

あり得ねぇ〜!

初期(ビギナー)時の指導が厳しいのは当り前で、基本は後で路上に出た時や取得後の判断に大きく左右します。自動車免許は人の命に係わることだから厳しくて当り前。受けてる本人も「そこまで弱気になられるとキモ〜イ」と。。

音楽は人の命までは係わらないかもしれませんが、正反対に音楽で「師の影を踏まず」という言葉の履きちがえを見るのも悲しい。師と仰ぐ人に寄り添って生きる事ではなく師の示したものをどんどん吸収進化させて行く事で影を踏まないのが音楽の世界。
ある時期は師から様々なものを受け取り、その後は一旦そこから離れて(時には反発もあってしかり)冒険や自分探し、そして自分の居場所が見つかって再び師を見た時に師の偉大さを知る、という感覚。
最初は模倣で良いけど、いつまでもそれじゃダメって事ですね。
ココで書いてる事がミュージシャンを目指す人の自分探し指針の一つである事を願います。
自分ですよ、最後にこの世に残るのは!

さて、

前回はメロディーのターンとダブルストロークの連動について書きましたが、そもそもメロディーをターンさせる意図や創造(インプロヴィゼーション)の方法を知らなければ「意味の無いテクニック」(テクニックの独り歩き)で終わってしまいます。

コード・ミュージックへのアプローチの方法は『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハ/略して「ジャズマリ」)にベーシックな実践例を載せているのでココでは省きますが、メロディーを即興的に生み出す方法はそれらのベーシックを応用しながら開拓されて行きます。やった人ほど楽器で多くのボキャブラリーを発する事が出来るのでコツコツと習得してください。

今日はメロディーを作る時にコードから「ガイド」を導き出してインプロのストーリーを作る方法の一つ、『Guide Tone Line』を使った練習です。

次のコードが並んでいると仮定してください。

キーはBb Major(調号はフラット2つ)

|BbMaj7 |D7(b9) |EbMaj7 |G7(b9) |

コードスケールは、1小節目はディグリーコードのIMaj7、3小節目はディグリーコードのIVMaj7、2小節目と4小節目はHMP5(ハーモニックマイナースケールパーフェクトフィフスビロウ)。

さあ、マリンバやヴィブラフォンでインプロをどうぞ!もちろんピアノやサックス、ギターやベースでも。

・・・と、言われて困惑する人もいるでしょう。

そこでコードネームや調性からコードスケールを割り出せたら、その中でメロディーを発展させようとする方向(動機と意図)にある「音」をピックアップします。

この時に、コードスケールに無い音と、コードスケールにあってもアヴォイド(省略)する音は除きます。(この辺りも「ジャズマリ」を参考に)

これらのコードを繋いだ音列は“Guide Tone Line”(ガイドトーン・ライン)と呼ばれていて、ジャズを演奏する時の文字通りコードの流れの「ガイド」です。

ガイドトーンはコードの連携や小節の単位(AセクションとかBセクションという大まかな曲の区切り)にメロディーの動きの目安を立てるもので、ある程度の時間の動きを一定方向に設定します。跳躍するコードの流れをスムーズに駆け抜ける事で聴き手に自分が表現している「感情の表現」をわかり易く伝える事に繋がります。

ヴィブラフォンやマリンバ、ピアノなどのキーボード楽器は鍵盤上でこのガイドトーンをコードと併用して見分けやすいのでインプロの大きな支えになります。(弦楽器や管楽器は横並びにコードの形が見えにくいので大変なんです)

■第一のガイドトーン・ライン

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(クリックで拡大/以下同じ)

ここでは最初のコードのroot(根音)を切っ掛けに選んで順次上行させてみました。隣同士のコードトーン及びコードスケールの音で近い音を繋いだわけです。
このガイドトーンラインを各コードのメロディー発展の切っ掛けにしてストーリーを作ってみます。(↓=ガイドトーン)

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前の小節のメロディーの音がガイドトーンに対して半音で繋がるようにコードスケール上、及び半音でのアプローチノートを使ってメロディーを作ってみました。但し1小節目だけは最初にガイドトーンがあるので途中に半音でコードトーンに解決するアプローチノートを使っています。

この時に先週の「メロディーターンと手順の連動」を応用すると記入したような手順がメロディーと同時に生まれます。大きな山、小さな山の変わり目には必ずダブルストロークが入るわけです。

この例では、最後の小節の三拍め(Ab-G)をL−Lで結んでいますから、次の小節にどのようなコードが来ても最終音(G)よりも高い音を右手(R)で演奏する準備が出来ています。
メロディーターンと手順は同時に即興的に繋がるのです。


■第二のガイドトーン・ライン

次に他の音でガイドトーン・ラインを作ってみましょう。
出発点となるBbMaj7の中でアヴォイドノートとなるEb以外の音からなら何でもガイドトーン・ライン作る事が出来ます。

このコード進行だと、Fから上行させると半音でそれぞれのコード間が結ばれますから、これを第二のガイドトーン・ラインとしてみましょう。

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音の結び付きには「安定感」と「緊張感」の二種類があります。聴き手に「ハッ」としたイメージや印象的な余韻を伝える時には半音の繋がりを使います。

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ここでは「印象的」にメロディーを伝えるためにメロディーのリズムは繰り返し、メロディーの動き(音程)も極力繰り返す形で聴き手に印象なガイドトーン・ラインが浮かび上がるようにしています。

この手順は短いパターンの反復となるのでシングルストローク。
4本のマレットを使っている場合、それぞれの手の内側と外側のマレットを使って演奏する人もいます(ピアノのように、このメロディーだと右外〜右内〜左内〜左外)が、コードに慣れない内は明確に左右それぞれ右側(右外、左内)のマレットで演奏するのがコツです。
後にメロディーと伴奏を弾き分ける必要が出るのでそれまでにマレットそれぞれの役割りが定まっていないと困る事になります。また、いつまで経っても音とコードが一緒に見えてこないという人にこの例が多いという傾向があります。



■2つのガイドトーン・ラインズ

ガイドトーン・ラインはいくつも出来ますがその中で複数のガイドトーン・ラインを併用するとメロディーの出発点と到達点に分担活用する事ができます。

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メロディーの出発点を今日の説明の「第二のガイドトーンライン」、到達点を「第一のガイドトーンライン」とした例。
「第二のガイドトーン」に対して1小節めはダブルクロマチック・アプローチ、2小節め以降はクロマチック・アプローチをメロディーの出発点(第二のガイドトーンライン)の前に挿入しています。

この時に手順は必ず左手でクロマチック・アプローチを演奏するようにします。
従って到達点となる「第一のガイドトーン」は右手で、次は「第一のガイドトーン」よりも低い音域に左手が対応する準備がなされている事がおわかりでしょう。

インプロヴィゼーションでは、手順も音も常に「この次」を予測しながら準備する、という事なのですね。

その為には、ベーシックとして「ジャズマリ」で触れているようなコードスケール、アヴォイドノート、アプローチノート等を知っていなければ準備が出来ないのです。
知らないよりも知っておくとよい事です。

おしまい



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