2008/8/1

使い方を考えよう!4マレット奏法・その12  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
第百五回めの今日は『使い方を考えよう!4マレット奏法』シリーズのその12、「メロディーラインにヴォイシング」です。

ヴィブラフォンやマリンバは見てのとおりに左右の手に持ったマレットを鍵盤にヒットさせて音を出すものです。
長い時間をかけて練習し、よりヒットの精度をあげる事に力を注ぎますが、意外な「落とし穴」もあります。

人間の運動の基本は歩行だと言われます。左右交互に足を運ぶ運動、それに合わせて上体の腕を足とは対称に動かしてバランスを取る形。手足が一緒に出ちゃうと、周りの笑いは取れますが、歩行は楽ではありません。又、左右同時に足を運ぶのも至難の技。

ヴィブラフォンやマリンバを演奏する時も「左右交互」は楽でも「左右同時」はなかなか楽ではありません。でも、それを避けていたらマレットを4本持っている“意味”が半減してしまいます。

歩行のたとえのように、左右同時というのは交互と違って身体のバランスが取りにくく、それなりの訓練が必要です。それどころか、片手に二本持ったマレットでさえ同時に使う事を考えなければ4本マレット奏法の“意味”がないのです。人間は元々同時運動が苦手なのかもしれませんね。

■最初は無理せずポイントだけを決める

「ソロ(インプロ)の最中にもコードを弾きなさい」

そう言われると、右手でメロディーライン、左手でコード、という具合に左右バラバラな運動が本能的には浮びます。
でも、いくらなんでも片手でずっとメロディーを弾くのは合理的とは言えません。ゆっくりの時はともかく、テンポが速いと、それは「無茶」になります。

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そこで、ひとつ法則を決めて、身体と頭の働きを調整しましょう。

ジャズの譜面は御覧のようにメロディーとコードネームしかなく、メロディー演奏も、伴奏も、ソロ(インプロ)もそれを見ながら行います。

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さて、ソロの最中にコードを弾く、という目標。
たくさんあるコードの中で、まずはドミナント・コードの時だけコードを入れてみましょう。ここで触れているようにドミナント・コードを克服するとジャズの演奏はグッと楽になるのです。

・たとえばD7(b9)

ソロの最中でドミナント・コードの部分は左手でトライトーンを狙ってみましょう。
それまでは左右交互でもダブルストロークでもメロディーラインを作っているのですが、ドミナント・コードが来ると、その直前のメロディーに一番近い位置のトライトーンを選びます。その時に必ず増4度のトライトーンを左手で同時に演奏。伴奏(カンピング)の常用音域に限らず、です。

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D7のトライトーン(バーをヒットする位置はもっとダンパー寄りが好ましい)

すると、上の音がメロディーに聞こえ、下の音が補足のコードサウンドになるわけ。ドミナント・コードの中はそのまま音を伸ばして次のコードまで休みます。

さらに“D7(b9)”だと、トライトーン以外にもコードスケール上に増4度の音程を組めるテンションb9thがあるので、コードトーンと組合わせれば様々なところでメロディーライン+コードが生まれます。

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メロディーはトライトーン=b7th(C)に

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こちらはb9th(Eb)

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トライトーン=3rd(F#)

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コードトーン=Aがメロディーに

これだけD7(b9)のところに弾く候補があれば、ソロの途中に挿入するのも楽になります。それぞれの上の音がメロディー(流れとしてはメロディーの解決に該当)に聞こえるように演奏練習を。


左右バラバラも、左右同時も、左右交互も自由自在
赤松敏弘MySpace
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おしまい



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