2008/8/27

世の中メガヒットよりもロングセラー・・・  水曜:これは好物!

この夏は各地で駅弁の売上げが伸びているそうです。
原油価格高騰から夏休みの移動を車から鉄道に切替えた人が多かったからでしょう。
それに加えてこの夏は「青春18きっぷ」が爆発的に売れているようで、鉄分多めの愛好者に限らず節約好きの女性に大人気なんだそうです。

年齢制限無し、1枚辺り全国のJRの普通列車や快速列車をどこまで乗っても2300円なのですから、北は北海道から南は九州まで、縦横無尽に駆け回る人には心強いアイテム。宿代以外はコレ一つで5回(つまり5日)使えるのですから。(5枚セットで11.500円/この夏は8月31日まで発売/有効期限9月10日)

普段、新幹線や特急であっと言う間に到着していた場所でも普通列車を乗継いで行くと途中にいろんな発見があるもの。途中下車も自由だから気ままに列車から降りてフラフラ。
そうなると、ちょっとお腹が空いた時に手が出るのが各地の駅弁。
全国何処にでもあるコンビニのビニ弁じゃ旅としてはあまりにも味気ないですからね。

さて、そんな駅弁にもいろんな種類があります。
ここでも旬のお気に入りは随時紹介していますが、世の物事にヒット商品とロングセラーがあるように駅弁にもヒット商品とロングセラーがあります。
えてしてその時期に目立つヒット商品は言わば期間限定のようなもの。
そうなると、売り上げ累計ではロングセラーの足元にも及びません。

先行き暗雲のこの国も、ここへ来てやっと一発屋のメガヒットよりも長く愛好されるロングセラーの時代へとシフトしそうな気配です。

では、ロングセラーの駅弁の一つのコレ、食べた事ある人多いんじゃないでしょうか。

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『チキン弁当』(日本レストラン・エンタープライズNRE製)

東京駅の駅弁は、現在では恐らく日本一種類が豊富でしょう。僕も頻繁にお世話になっていますが、昔に比べると随分“美味しく”なりました。

で、

じゃあ、昔はマズかったのかい?
というツッコミもあるでしょう。

はい。全国でもマズい上位にありました

と、言うよりも今のように種類も豊富ではなかったので選択肢も無かった、という事です。

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そんな中で現在まで生き抜いてきた優良選手のこの「チキン弁当」。
違った意味から見れば、これこそが東京駅の駅弁代表格なんですね。


そもそも、この「チキン弁当」が登場したのは、新幹線(東海道)が開業した1964年頃。時は「東京オリンピック」前夜です。(正確には1963年には発売されていたらしい)

この頃はまだ在来線の特急にも食堂車が完備されていましたから、今よりも旅としての鉄道が大きなウエイトを占めていた頃です。

その頃の街中でもそうですが、ちょっとお洒落な気分で食べるのが洋食。ステーキにハンバーグにシチュー、こういった物が日常の中では「やや上」とされた時代。
デパートの食堂では「お子様ランチ」が人気で、僕は三越の旗が必ず山型に盛られたチキンライスの上に誇らしくのっていたのを覚えています。

さて、そんな時代の大衆的な洋食メニューでもあるチキンライスを弁当にしたのがこの東京駅の「チキン弁当」。もちろん当時の特急の食堂車でもちゃんとメニューにありました。

全国津々浦々、いろんな駅弁を食べてきましたが、意外にもチキンライスがメインという駅弁はコレ一本。東京オリンピックを境に西洋社会への脱皮が色濃く反映されたアイテムの一つでしょう。

いい意味で、これは「昭和な時代」を今に伝えるジオラマ弁当。

今は何代目になるのかわかりませんが、僕がこの弁当に一番お世話になったのは1974年頃。月イチで東京へマリンバのレッスンに通っていた時の帰りの新幹線で夕食として買っていた頃です。ううん。。。30年来のおつき合い?

当時は正方形のようなやや大きめの紙箱に入っていて上段に“サラダ”や“から揚げ”や“ゼリーのようなデザート”が入って、下段に“チキンライス”が入っていました。

いつから横長のこの一段パッケージになったのかは知りませんが、80年代に東京へ出て来た頃にはこの形になっていました。
微妙に「つけ合わせ」は変わっていますが、基本的には“チキンライス”と“から揚げ”があれば良しとしましょう。

この最近は東京駅の駅弁も充実したので、この弁当をわざわざ買う事もなかったのですが(実に10年振りくらい)、今日は久し振りという事と、このところベイジン・オリンピックなどもあり、そう言えば今に残る「東京オリンピック」時代の貴重なアイテムだ、とばかりに購入。


さて、お味のほどは・・・

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何だかこういうのって、昔のGFの手料理みたいな感じで、な〜んか不思議。

あ〜、確かに、こうだったよな〜、という部分と、おや?これはその後に身に付けた技かな〜、ってな部分。

これが和系の駅弁なら、この例えは“おふくろ”の味的に例えられるんですが、そこまで郷愁を呼ぶものでもなく、、、そんなところも東京らしいって事ですね。なんせ“チキンライス”と“から揚げ”ですから。(笑)


早朝の新幹線に飛び乗る時、ホームの売店にあるのは「幕之内弁当」「すき焼き弁当」「チキン弁当」「帝国ホテル列車食堂製サンドウィッチ」。

メニューはこれっきり。
選択肢なし。

すき焼きと言ってもごはんの上にどうすればこんなに薄く肉を切れるのだろう、、という薄切れ肉に白滝となぜかタケノコがのってるだけだし味付けも無味乾燥、幕の内と言っても今ほどおかずが美味くなく濃い味付けに早朝の胃がムカムカする始末、サンドウィッチはちょっとソソラレるものの半分がサラダとかでパン(確か二色)に対して具が極少で物足りず、、、結局手が伸びるのは何となく無難な「チキン弁当」。僕と同じようにそんな時代をこの弁当に刻み込んだ人も多いんじゃないでしょうか。


思い出しましたが、チキンライスの色ももっと薄い感じで、玉子のそぼろなどはかかってなかったなぁ。マシュルームとグリンピースが目立ってチキンはどこだ!? と思った記憶も。
なぜか小袋の「塩」が付いていた時期もありました。「塩分控え目」な〜んて盛んにテレビで言っていた頃だったかな?

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これが旨いか、と問われると、「特に旨いわけじゃない」と答えます。
じゃ、まずいのか、と問われると、「いいや、 マズイわけじゃない」と答えます。

では、お薦めか、と問われると、「一度は食べておくといいよ」と答えます。
飛び抜けて「旨い」というものではないけれど、「たいして旨くはないよー」と言いながら、知らずの内に手が伸びる駅弁、実はここには「昭和な時代」が淡泊な見た目とは裏腹にぎっしりと詰まっているのです。

昭和な時代って、結局「たいして盛り上がってるわけじゃないよー」と言いつつも、今から振り返れば、アレがフツーだったんだねぇ、、、と驚くようなハイテンションの中にいたのですね。

世の中“美味いもん”や“上手いもの”は増えたけど、結局基準が高くなったわけじゃない。それらはただ増えただけでロングセラーのような基準を知らないと価値観さえも見失ってしまう。どこかの国の現状と一致ですね。


東京駅を代表する弁当と言えば?

僕は間違いなく、「チキン弁当」と答えます

世界の中では平成なんて通用しないゾ
赤松敏弘MySpace
21世紀流に盛り上がれ!

おしまい




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