昨日は久しぶりにティファニー美術館に行ってきました。
やはりここは松江が世界に誇れる美術館だと思います。一人の芸術家に焦点を絞って関連する美術品と一緒に展示する。音楽ホールも同じですが多目的ホールは無目的になりがち…。目的を絞った方が質の高いものが出来ます。
ティファニーはアメリカ人ですがフランスで勉強した事もあって感性はフランス人に近いと思います。光を描こうとした印象派の画家モネ。ティファニーは無理に描こうとはせず光そのものを利用しました。ステンドグラスはその代表的なものですが、それゆえに絵画よりもさらに写真では再現する事が出来ません。ティファニー独特の色使いや手法が緻密な作業によって深い作品となっています。ガラスを何枚も重ねてある所はさらに複雑で無限の奥行きを感じますが、これは実物を見ない事には全く分かりません。
ティファニーはステンドグラスを単なる宗教的なものから芸術作品に高めた人。光というその場にしかない生きた絵の具で描かれた作品には時間が存在します。時間の芸術といえば音楽ですが、美術作品にも時間と言うベクトルを加えた革新的なティファニーの芸術。自然の色彩豊かなこの松江でずっと見守り続けたいところです。

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