その日暮らしの僕にピッタリのネーミングのセミ、ヒグラシ
でもこの名前は夕暮れ時に盛んに鳴く習性から付けられました
実は盛んに鳴くのは夕暮れ時だけではなく、夜明け前から1時間ぐらいも大合唱しています
ちょうど夜行性の僕の寝る頃、夏の間は彼らが子守唄を歌ってくれます
その歌はミニマル・ミュージック!
スティーブ・ライヒやフィリップ・グラスなど現代アメリカで誕生した音楽です
簡単なモティーフを微妙に変化させらながら繰り返していくのが特徴です
セミはオスしか鳴かないウィーンフィルのような楽隊ですが、一匹の演奏家が奏でるのは
「ケケケケケケケケケケケケケケ・ケ・ケッケッケッッケ」
(真ん中のドの2オクターブ上、上第2線のドぐらいで各奏者微妙に音程をずらす、スタッカート、フォルティッシモからややデクレッシェンド)
きわめて短く単純なモティーフですが、近くにいる何匹かのグループが何群かに分かれて演奏します
グループのリーダーが鳴き始めるとおもむろに他のメンバーが呼応します
そして別のグループは全てタイミングをずらして鳴きます
森の中にいると近くでけたたましく鳴いたかと思うと、鳴き止んだ瞬間に遠くからエコーのように聞こえたり、前後左右あらゆる方向から聞こえてくるので見た事もないような巨大なホールで巨大なオーケストラに囲まれたよう
もうしばらくヒグラシたちの演奏が楽しめますので早朝や夕方に森の中を訪れてみては…?
ただしボーっと突っ立っている人間は蚊の標的

森の音楽会では虫よけが必需品です

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