現代音楽の楽譜は伝統的なものとは少し風景が違います。それは作曲家がより細かく自分の音楽を伝えようとしたため。昔は強弱すら書いてなかったのに進歩したものです。

これは僕のCDにも入っているファーニホウの作品の冒頭部分。8分の2拍子なのに2分音符以上の長さが〜!と言うのは上の7:4や5:3のせい。これは現代独特の連符の書き方で、初めの方の数字で7連符、5連符といった感じになるのです。
まずは7:4。これは16分音符4つ分が7連符になります。つまりこの時点でこの小節の中には7つ16分音符が入っています。
次に5:3。これは上の7連符のうち初めの3つが5連符になります。この結果この小節には5+4(7連符の残り)で9つの16分音符が入る事になるのです。
どうして作曲家はこのような書き方をするのか?それはテンポを変えずに微妙な間や“溜め”が表せるからです。この楽譜の場合2つ目の重音(ドの#とレ)は、8分の2拍子を単純に4つの16分音符で区切った時、2つ目の16分音符より0.014秒遅いタイミングになります。この一瞬の“溜め”がその音のエネルギーを増大させるのです。
クラシック音楽を演奏する時「そこは少し待って」とか「少し早めに」とか楽譜に書いてない事を表現しますが、その微妙な揺れを楽譜に書いてしまう作曲家もいるのです。
ちなみにこの曲はこの後、さらに複雑になっていきます・・・。CD聴いて下さい!
(フラットの反対になった記号は、半音ではなく1/4音低くします)

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