2008シーズンレビュー。CBは1巡指名の新人ロジャース=クロマティがシーズン中盤に先発昇格してプレイオフ含めて6INTの活躍。
□ドミニク・ロジャース=クロマティ
新人(2008年ドラフト1巡) 23歳 テネシー州立大
出場16 先発11
42タックル 4INT(1リターンTD) 19PD
(プレイオフ出場4 先発4)
(20タックル 2INT 9PD)
昨シーズン最大の嬉しい誤算。ドラフト1巡全体16位指名だけどDivision I-AA出身だから一人前になるには時間がかかると言われてたのに、シーズン中盤にスターターになると終盤からプレイオフにかけてインターセプトを量産してチームの快進撃を演出した。40ヤード走4.3秒の快速でしかも身長6-2あるという抜群の身体能力があり大型WRとのマッチアップを全く苦にしない。NFCチャンピオンシップでのWRデション・ジャクソン(PHI)やスーパーボウルでのWRサントニオ・ホームズ(PIT)のように自信と同等レベルのスピードを持つ選手に対するカバーは課題を残してるものの底知れない潜在能力を持ちグングン成長し続けているのでどれだけの選手になるか行く末が本当に楽しみ。
第4週NYJで初先発(相手チームがオフェンス最初のプレーで2WR・2TEセットにしたため)、そのあと2試合で登録上の先発をしたあと第10週SFからスターター昇格し以降すべて先発。第11週SEAで2インターセプト、第14週STLでは99ヤードのインターセプト・リターンTDを記録。第15週MINではFGブロックを決めボールを拾ったフードがリターンTDするというプレーもあったりで12月にはRookie of the Monthを受賞。6年契約の1年終了。ドラフト1巡で加入してその年にチームのプレイオフ進出に貢献したという点では1998年1巡のDEアンドレ・ワズワースと同じなのでくれぐれもケガには気を付けてほしい。
□ロッド・フード
加入2年目(2003年イーグルスのルーキーFA) 27歳 オーバーン大
出場15 先発14
40タックル 1FF 1INT 14PD
(プレイオフ出場4 先発3)
(17タックル 1INT 4PD)
加入1年目の一昨年は5インターセプトを記録、INTリターンTDで勝利に貢献してPlayer of the Weekを受賞したこともあったけど去年はそれに比べると地味な成績だった。シーズン終盤とプレイオフでは調子があまり良くなく、反対サイドのDRCよりスピードもサイズも反応も劣るということで相手チームから狙われているシーンが目立ったしやられることが多かった。
5年総額15ミリオンでの加入だったもののDRCの台頭とオフにFAでCBブライアント・マクファデン(前PIT)と契約したこともありドラフト後に解雇された。そのあとブラウンズと契約。2年で7インターセプト(2リターンTD)した働きには感謝します。
□エリック・グリーン
4年目(2005年ドラフト3巡) 26歳 バージニア工科大
出場13 先発9
32タックル 1INT 5PD
(プレイオフ出場なし)
一昨年に同期のアントレル・ロールから先発を奪い(ロールは昨オフにFSへコンバート)、オフにRFAになると201.7万ドル(上から2番目)の高額テンダーオファーで残留したので去年活躍してれば一気に長期契約という立場だったのに開幕からピリッとせず、ついには第9週STLで相手WRがアウトオブバウンズに出たと思い込んでプレーをやめて80ヤードTDを許したことがウィゼンハントHCの怒りを買いそのあと干された。第10週以降はインアクティブになることが多く、フードが負傷欠場した試合も代役先発は4番手だったラルフ・ブラウンが起用されSTカバーユニットでたまに使われるにとどまった。当然シーズン終了後に再契約オファーはなく、UFAでドルフィンズと契約した。システムがフィットするチームにいけば再生する可能性は十分にあると思う。
□ラルフ・ブラウン
加入2年目(2000年ジャイアンツのドラフト5巡) 30歳 ネブラスカ大
出場16 先発3
23タックル 1INT 6PD
(プレイオフ出場4 先発なし)
(4タックル 2INT 2PD)
ニッケル/ダイムとしてしぶとく生き残り2年続けて全試合出場。こういう地味なベテランの存在がチームを支えているんだとつくづく思う。去年はアリゾナで初先発も経験。プレイオフでは1・2回戦で2試合連続インターセプト。1年契約が満了し再び1年契約で残留。今年もフードとグリーンがいなくなったことにより開幕ロースターに残ることが濃厚、それもはじめて最初から3番手CBとしての扱いになりそう。まだまだ渋い貢献を期待してます。
□マイケル・アダムス
2年目(2007年のルーキーFA) 23歳 ルイジアナ大ラファイェット
出場5 先発1
8タックル
(プレイオフ出場4 先発なし)
(3タックル)
1年目と同じく2年目も開幕ロースターに残れずPSに入りシーズン途中に負傷の穴埋めで53人枠への昇格という展開になった。でも去年はスペシャルチームのgunner(自チームのキックオフやパント時に相手チームのリターナーに最初に突っ込んでいく役割)だったWRアーバンが役者不足だったところにアダムスが入って何度も良いタックルで相手リターナーを止めていたので、プレイオフでもそのままSTで起用され続けてスーパーボウル出場も果たした。でも今年のドラフト3巡でgunnerとしても定評のあるFSラシャード・ジョンソンが加入したので開幕ロースター入りは苦しい立場。ER-FAになり1年契約で残留。
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CBはロッド・フード(解雇)とエリック・グリーン(再契約オファーせず)が退団、ブライアント・マクファデン(FA、前PIT)とグレッグ・トーラー(ドラフト4巡、セントポールズカレッジ)の2人が新加入。DRC、Rブラウン、アダムスが残留で、そのほかに去年PSにいた選手が1人と今年のルーキーFAが2人。FSにコンバートされたアントレル・ロールを除くとたった2年でCBは総入れ替えとなりました。
DRCは進化を続けているので今後もエースとして暴れてくれるはず。それに2年総額10ミリオンのマクファデンが額面通りの働きをしてくれればかなり強力なユニットになります。でも3番手にはスピードもサイズもあまりないラルフ・ブラウンなので層の薄さは心配。新人トーラーはDivision IIの出身だからさすがにDRCのようにトントン拍子にはいかないはずだから今年は教育メインになりそう。

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