ウィゼンハントHCが就任した2007年からのドラフトを振り返ります。去年までの3年で指名した20人のうち17人が現在も在籍し、その半数がスターター級。
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ウィゼンハントHCが就任してからのドラフトを振り返ってみます。2007〜2009の3年間で20人を指名して、現在17人がチームに残ってます。スターターが4人、今年スターターに昇格しそうなのが3人、ほかにスターター級の扱いが2人。下位指名で活躍してる選手もいてかなりの成功率。
■2007年
1巡5位 OT リーバイ・ブラウン(ペン州立大) … ○
3年で45試合(43先発)
1年目のシーズン前半に先発RT昇格してそのまま定着。安定感がないとかパスプロテクションが苦手とか言われてたけど3年目の去年はプロボウルで補欠に入ったように着実に成長している。今年から先発LTに移る。
2巡33位 DT アラン・ブランチ(ミシガン大) … △
3年で31試合(先発なし) 通算33タックル 2サック
2巡38位+4巡105位でトレードアップして獲得した選手。新採用3-4のNTとして期待されたけど最初2年は体重オーバーであまり戦力にならず。去年減量に成功、初サックを記録したようにNTより3-4のDEのほうが向いてると判明したので今後もDEでいく。
3巡69位 ILB バスター・デービス(フロリダ州立大) … ×
アリゾナでは出場なし
ILBの補充として指名されたけどトレーニングキャンプでの動きが悪く1年目の開幕前に解雇。しかもアリゾナのPS入りを拒否して他チームのPS入り。DET→INDで今年HOUと契約。今のところウィゼンハントHCのドラフトでの唯一最大のハズレ。
5巡142位 WR スティーブ・ブレストン(ミシガン大) … ◎
3年で47試合(15先発) 通算140キャッチ 1,810ヤード 6TD パントリターン113回 平均7.8ヤード 1TD
リターン要員としての指名と思われたが2年目の夏に急成長しそのシーズンは1,006ヤードを記録。今年はボルディンの退団により先発に昇格予定。アリゾナのWRは伝統的にドラフト上位指名だった選手が主力だったんでそれを覆したという意味でも貴重。
7巡215位 TE ベン・パトリック(デラウェア大) … ○
3年で27試合(13先発) 通算30キャッチ 323ヤード 4TD
ケガの多さに成長を妨げられたけど徐々に台頭。パスキャッチが上手くて、サイズを活かしたブロックも良いという万能タイプのTEに成長。ほぼブロック専門のベクトと二枚スターター。
※参考 ルーキーFA C ライル・センドライン(テキサス大) … ◎
3年で46試合(34先発)
1年目から開幕ロースター入り。2年目の開幕直後に先発Cアル・ジョンソンが解雇されて先発昇格。そのまま定着してコーチ陣の信頼も厚く不動のスターターになった。
※参考 ルーキーFA CB マイケル・アダムス(ルイジアナ大ラファイエット) … △
3年で28試合(2先発) 通算58タックル 5PD 1INT
最初2年は開幕前に解雇→PS→シーズン途中に負傷代役で53人枠昇格というパターンだったが去年は初の開幕ロースター入り。3番手CB兼ダイムとして多くのプレーに出場。5-8の低身長で相手チームから狙われることが多いがプレイオフ1回戦のオーバータイムでは決勝点に繋がるサック・ファンブルフォースをした。
■2008年
1巡16位 CB ドミニク・ロジャース=クロマティ(テネシー州立大) … ◎
2年で32試合(27先発) 通算92タックル 44PD 10INT(2リターンTD)
ドラフト時は足が速いだけの陸上選手なんて酷評もあったけど1年目中盤に先発昇格するとあっという間にディフェンスの看板選手の一人に。カバーしてるエリアに1本もパスを通させなかった試合もあるなど心境著しく2年目にしてプロボウル出場。
2巡50位 DE カレイス・キャンベル(マイアミ大) … ○
2年で32試合(15先発) 通算76タックル 7サック
1年目はリザーブだったけど2年目にアントニオ・スミス(現HOU)が抜けて先発昇格するといきなり7サックを記録。6-8の長身と長い手でQBのパスコースを狭めることもできる。ラン守備が課題だけど2巡指名に見合う成績を残した。
3巡88位 WR アーリー・デュセット(LSU) … ○
2年で16試合(先発なし) 通算31キャッチ 304ヤード 1TD
WRを3巡で獲る予定はなかったけど有力選手が残ってたので指名。ケガが多くて実力を発揮できず去年もシーズン前半はずっとインアクティブだったけどボルディン欠場試合で結果を出し、プレイオフではボルディン欠場の穴を埋める働きをした。今年は3番手に昇格。
4巡116位 DE ケニー・イウェベマ(アイオワ大) … ○
2年で24試合(先発なし) 通算12タックル 2サック
2人目のDE指名。ロン・エイクンDLコーチとのコネもあって指名。同期のキャンベルと比べると地味だけど安定感のあるラン守備でDLローテーションの一角として貢献してる。今年はブランチがDE専念、新人ウィリアムズの出来次第ではNTロビンソンもDEに回る可能性もあるということでやや厳しい立場。
5巡149位 RB ティム・ハイタワー(リッチモンド大) … ◎
2年で32試合(23先発) 通算ラン286回 997ヤード 18TD 97キャッチ 665ヤード
1年目のシーズン中盤に不調エジャリン・ジェームズを押しのけて一時は先発。2年目の去年は正スターター。クイックネスと判断の良さで2年で18TDの決定力。起用でパスキャッチやブリッツへの対処も上手い。今後もウェルズと二枚看板でランオフェンスを引っ張るはず。
6巡185位 OLB クリス・ハリントン(テキサスA&M) … △
アリゾナでは出場なし
大学時代のDEから3-4のOLBへのコンバートに時間がかかるということで開幕前に解雇されPSにいたけどシーズン途中にCINに引き抜かれた。去年開幕前にCINを解雇されまたアリゾナのPSに復帰したけどシーズン中に今度はJACに引き抜かれた。縁があるのかないのかわからない。
7巡225位 OT ブランドン・キース(ノーザンアイオワ大) … ○
2年で4試合(先発なし)
1年目は全試合インアクティブ、2年目もインアクティブが多くオフェンスでの出場はわずか1プレーのみ。でも2年間で着実に成長して今オフは先発RT争いをリードしているという期待の若手。
※参考 ルーキーFA ILB アリ・ハイスミス(LSU) … △
2年で20試合(2先発) 通算7タックル
1年目から開幕ロースター入り。去年はバイセルの移籍で3番手ILBに昇格したがヘイズの負傷代役で先発した試合でコーチ陣を満足させられずPS落ち。バイセルの復帰、レジー・ウォーカーの台頭、ドラフト2巡で加入したダリル・ワシントンの存在もあり今は苦しい立場。
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2年分でけっこう長くなってしまった。1年ごとでも十分なボリュームだったかも。

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