5巡全体155位指名。QBジョン・スケルトン(フォーダム大)。背番号19。
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QB
フォーダム大(Division I-AA)
身長6-5と3/8 体重243
40ヤード走4.86秒
背番号19
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ウィゼンハントHC就任4年目で初のQB指名。5巡指名権はWRボルディンとともにBALへ放出してて無かったんだけど、わざわざ先発CBブライアント・マクファデンと6巡195位をPITへトレードして得た指名権でQBを獲りました。
長身・強肩でなおかつ走力もあるという恵まれた身体能力だけど、Division I-AAでショットガン・オフェンスをしていたためNFLで通用できるようになるかは疑問符が付きます。ちなみに「骨格」という意味のスケルトンのスペルは"skeleton"なので「e」が1つ多いです。
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2006 9試合(7先発) 74/167(成功率44.3%) 960ヤード 6TD 8INT Rat 94.9
2007 12試合(12先発) 216/383(成功率56.4%) 2,650ヤード 22TD 11INT Rat 127.7
2008 11試合(11先発) 228/372(成功率61.3%) 2,605ヤード 15TD 7INT Rat 129.7
2009 11試合(11先発) 284/441(成功率64.4%) 3,708ヤード 26TD 10INT Rat 149.9
ラッシング
2006 56回 204ヤード(平均3.6y) 1TD
2007 96回 453ヤード(平均4.7y) 6TD
2008 58回 213ヤード(平均3.7y) 2TD
2009 86回 346ヤード(平均4.0y) 5TD
入学1年目のシーズン途中に先発昇格。通算43試合でパス回数(1,363回)、パス成功数(802回)、パス獲得ヤード(9,923ヤード)、TDパス(69)、パスとランのトータル獲得ヤード(10,486ヤード)でチーム新記録を樹立。パス獲得ヤードは所属するPatriot Leagueで歴代1位の記録。
去年は8試合で300ヤード以上、4試合で400ヤード以上を投げ、特にホリークロス大戦では67回パスを投げてINTなし(全米記録の68回パス投でINTなしにあと1だった)で420ヤードという快記録。
大学入学時は6-5、200という細身だったけど去年までに体重258にバルクアップ。高校まではフットボールのほかにバスケットボール、野球、陸上も。弟スティーブンは同じフォーダム大でTE。父ジョンは兄弟の出身高校のアシスタントコーチ。
D-I AAの学校だけどスカウティングコンバインに招待され40ヤード走4.86秒(QBで7位)、垂直跳び33.5インチ(85.1cn、QBで4位)、幅跳び9-0(274cm、QBで9位)、20yシャトル4.33秒(QBで4位)。フォーダム大のプロデイではパッシングドリルのみ。
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長身で良い体格。肩は苦労なく45〜50ヤードを投げる強肩。でもめったに全力で投げなかった。ロングパスも弾道が良くてパスがお辞儀しない。スパイラルは不安定だけどボールがふらついてるときも勢いはある。
レシーバーにキャッチ後にメイクプレーさせるに十分なパスの正確性がある。クイックヒットパスで素速く正確なボールを投げる。スラントやディープルートでレシーバーの動きを読むことができる。走りながらでも正確なパスを投げることができる。リリーススピードも問題ない。
走力についてはパスラッシュを避けるだけのクイックネスと運動能力がある(NFLのディフェンダーに通用するかは不明)、スクランブルで2〜3ヤード程度進んで1st down取れるだけの機敏性、サイドラインまで到達できないときは頭を低くして1st down奪う。サイズがあるのでスニークも得意。オープンフィールドでの捕まえにくさは不足しているとのこと。動けるので時々ポケットから出るのが早過ぎるという指摘。
3年のときからキャプテンをしていてフィールド内外でチームを引っ張った。メディアに対しては寡黙だがフィールド上では大声を出す。練習態度も良い。NFLでスターターになれるだけの賢さがある。
マイナス点は、未完成でまだまだ練習が必要、大学では専らショットガン・オフェンスだった(ランプレーのときなどはアンダーCもやっていた)のでドロップバック中にディフェンスを読むことを学ばなければならない。プレッシャーを受けることが少なくて、ブリッツされたときはボールを投げ捨てていた。
Sを見ない、第一レシーバーをじっと見がち、でINTに繋がる。強いパスを投げないといけないときに柔らかいパスを投げようとすることがある。投げるときの足の運びも課題。肩の強さに頼りすぎてトラフィックにボールを投げることがあったり、レシーバーを信用しすぎて必要ないのにジャンプボールを投げることがある。
TSNの総評としては「スケルトンは今年のドラフトで下位校で最も良い選手の一人と言われていたが2009年のプレーにはがっかりした。フィールド上で最も才能がありときには最も大きな選手でもありながら試合を支配することはめったになかった。彼の才能を以てして低いレベルの相手に対しての(才能/成績の)変換率は不十分だ。大きくて強くて素速くて運動能力があってNFLでQBが務まる肩の強さもあるが、数多くの箇所で改善が必要なため優秀なプロ選手には成れそうにない。ドラフト前のワークアウトで好印象を得るのは間違いないが、3番手QBになることにすら苦労するだろう。プラクティススクワッド候補としてなら理想的な選手だ」。
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アリゾナがドラフト指名した強肩で走力のあるQBというとジェイク・プラマー(1997年の2巡指名)とジョシュ・マカウン(2002年の3巡指名)が思いつくけど、体型も走り方もゴツゴツしててマカウンに近そうです。ウィゼンハントHCとしては長身・強肩でPITのベン・ロートリスバーガーをイメージしてるのかもしれませんが。
ミニキャンプやOTAではまだまだNFLでは使えるレベルになくて同期でルーキーFA加入のマックス・ホール(BYU出身)のほうがまだ評判が良いという状態。でもさすがにドラフト5巡指名のQBを開幕前に解雇してルーキーFA1年目を3番手QBにするということはないはず。どう育て上げるかクリス・ミラーQBコーチの腕の見せ所。

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