ルーキーFA加入ながら2番手QBになった新人マックス・ホール(BYU出身)のプロフィール。
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QB
ブリガムヤング大(Mountain West Conference)
身長6-0と5/8 体重205
40ヤード走 4.87秒
背番号 6
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ドラフト指名漏れしたけどTSNではQBの9位に評価されてた(ドラフト5巡のジョン・スケルトンは16位だった)ようにもともと評価の高かった選手。アリゾナ州メサ出身で、当初アリゾナ州立大に入学したけどBYUへ転校。ドラフト直後に数チームからルーキーFAとして誘われたけど地元で小さい頃から応援しているカーディナルスでプレーしたいとアリゾナ入りを選択したそうです。
ミニキャンプやOTAのときから同期スケルトンよりも現状の能力は上だとされててそれでもミラーQBコーチは「2人ともNFLで使えるようになるには2〜3年はかかる」と言ってたけど、トレーニングキャンプではウィゼンハントHCに「4人のQBで一番良かった」と言わせるくらいの充実した動き、プレシーズンゲームでも好成績だったのでマット・ライナートの解雇もあってドラフトされてない新人ながら2番手QBの座を手に入れました。
プレシーズンゲームで見た印象ではデトマー兄弟によく似てるなと思った(兄タイ・デトマーはBYUの先輩、弟コイ・デトマーはコロラド大出身)。体は小さいけどフットワークが良くてテンポよくミドルパスを繰り出す。そんでもってアリゾナ州立大にもいたからかポンポンとパスを通すリズムはジェイク・プラマーにも通じるものがある。見てて楽しい選手。
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元QBダニー・ホワイト(アリゾナ州立大→DAL、現在はアリーナリーグのアリゾナ・ラットラーズ社長&攻撃コーディネーター)の甥。現役TEトッド・ヒープ(アリゾナ州立大→BAL)とは「はとこ」。ヒープやQBジョン・ベック(BYU→MIA、現在WAS)と同じ高校の出身。新人だけど10月1日に25歳になります(先発QBアンダーソンと2歳しか違わない)。既婚で長男がいます。
2004 アリゾナ州立大でレッドシャツ
2005 (モルモン教のミッション)
2006 BYUに転校。NCAA規定で出場できず
2007 13先発 298/496(成功率60.1%) 3,848y 26TD All-MWC 1st team
2008 13先発 パス成功率69.2% 3,560y 35TD All-MWC 1st team
2009 13先発 パス成功率67.2% 3,560y 19TD All-MWC 2nd team
先発試合の通算32勝は大学記録(それまではタイ・デトマーの29勝)。通算903/1382(成功率65.3%)、11,365ヤード、80TD。3年連続3,000ヤードはMWC史上2人目。INT数は書いてないからわかりません。
2009年のBYUは11勝2敗で、ランキング校に3勝1敗。最終ランキングは全米12位。ラスベガスボウルでオレゴン州立大を44-20で破る(ボウルゲームは通算2勝1敗)。パス成功率は全米8位、パス獲得ヤードは全米9位。8試合で300ヤード以上はNWC新記録。UCLA戦では7TD(前半だけで6TD)投げてます。
2008年の35TDはNWC新記録。先発1年目の2007年には5試合で300ヤード以上投げ、537ヤード4TDという試合もあった。
アリゾナ州立大では同期入学にQBルディ・カーペンター(2006-08の3年間先発、2009年にルーキーFAでDAL入りして現在はTBで控えQB)がいてコーチ陣からは同等に評価されてたみたい。カーペンターとは親友だそうです。
ASU入学2年目にモルモン教のミッションでアイオワ州デモインに滞在。本来は2年間だけど17ヵ月で切り上げてBYUへ転校。ジョン・ベック(現WAS)の卒業で2007年にスターター獲得。3・4年時にキャプテンを務めてます。
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長所はパスの正確さ、球出しの早さ、カバレッジの読みの良さ、ポケットが崩れてもメイクプレーできる運動能力、リーダーシップ。短所は背が低い、強肩でないこと。
(長所)ものすごく正確なパサーでボールの回転も良い。すぐれたコンパクトな配球でボールを素速く出せる。カバレッジの読み方を知っていて試合を理解している。レシーバーがクロスやスラントするときの読みが良く、それによりキャッチ後にビッグゲインできる。アンダーニースにピンポイントで正確なパス。しっかり準備して賢明な決断をする。ポケットが崩壊したときもポケット外に出てメイクプレーするだけの運動能力がある。QBに必要な気性とリーダーシップがある。
(短所)NFLでプレーするには身長不足は大きな不利。投げるための窓を探さないといけない。スリークォーターで投げる(やや腕を下げる)からボールを叩き落とされやすい。フィールドをストレッチするだけの肩がなく縦へのロングパスが苦手。サイドライン際へのミドルパスも苦手。時々ボールが浮く。逆足で投げることがありボールの回転が悪くなる。重要な場面で不安定になりプレッシャーを受けるとカバーされているところに投げてしまう。
TSNの総評としては「NFLでもオフェンスを統率できるだけの存在感とリーダーシップ能力がある。運動能力は平均より少し上で、プレイを伸ばせて脚力でファーストダウンを得ることができる。肩の強さが不足しているので15ヤードのコーナールートやロングパスの正確さに苦労している。最大の懸念はリスクを取りがちでそれがターンオーバーに繋がることかもしれない。ドラフト中位で指名されてNFLで堅実なバックアップになれる。」としてます。
ATL戦ではサイドライン際のフィッツジェラルドへダブルカバーの隙間を狙うというリスクを取ったパスをINTされました。もろに欠点が出たってことね。スラントなどでフィールドを斜めや横方向に走るレシーバーにパスを通すというのが得意技みたい。
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プレシーズンゲームでの成績
第1週 HOU 出番なし
第2週 @TEN 3番手 7/15(成功率46.7%) 101y 1TD 1INT Rat 63.5
第3週 @CHI 4番手 2/3(成功率66.7%) 58y 0TD 0INT Rat 109.7
第4週 WAS 3番手 7/9(成功率77.8%) 126y 0TD 0INT Rat 118.8 ラン2- 19y 1TD(6y)
WAS戦では3シリーズ出て自ら右サイド角にTDランするなど2TD・1FGで17得点に導いてます。
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ドラフト前にはスカウティング・コンバインに招待され40ヤード走4.87秒、垂直跳び32.0インチ、3 coneドリル7.07秒、20ヤード・シャトル4.35秒。いずれもQBで5〜8位に入るまずまずの記録。BYUのプロデイでは40ヤード走だけやって4.77秒。
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長身ポケットパサー好きのウィゼンハントHCの好みからは外れてるけど、ウィゼンハントHCの就任1年目にはライナートが鎖骨骨折でIR入りしたあと身長6-0のティム・ラテイを2番手QBに入れて試合でもときどき起用してたから使いこなせないことはないと思う。
あとせっかくデトマー兄弟に似てる選手をバックアップに置いてるんだから、いつでもトリックプレーできるようにFGの際のホルダー役(現在はパンターのPベン・グレアムが担当してる)での起用も一考してほしいなと思ってます。

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