・FA新加入ILBジャスパー・ブリンクリーの記事(4月上旬のもの)
・アリゾナはラン守備でのハードヒットとリーダーシップを評価して契約
・本人はスターターにこだわりを持っている
・2009年のMINのドラフト5巡指名。そのときの評価を調べてみた
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Jasper Brinkley Can Taste Starting Job
http://www.azcardinals.com/news-and-events/article-2/Jasper-Brinkley-Can-Taste-Starting-Job/094de365-a225-463a-9de7-e99ede4c3584
FA新加入のILBジャスパー・ブリンクリーの記事が載ってました(ドラフトより前の4月11日付け←それを今頃にw)。
ブリンクリーはスターターにこだわりがあるらしい。「スターターの役割を一度味わってしまったからには手放したくない。スターターであり続けるために必要なことは何でもしたい」。
今オフにブリンクリーの獲得に動いたのはアリゾナとNYGの2チーム。両チームのLBの選手層を比較検討したところ、アリゾナが“calling”(呼んでいた)そうです。去年の先発ILBパリス・レノンと再契約しないので先発のチャンスが開けていたと。
契約前にエイリアンズHCと会ったら、LBにvocal leaderを求めてると言われたそうです。ブリンクリーはそれにフィットしてたと。
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MINでの最初の2シーズンで先発は4回。2011年はhip(臀部)のlabral(唇)を断裂して全休。手術後は6週間歩けなかった。フットワークとinstinctsが回復するのは2012年のトレーニングキャンプ終了までかかった。プレシーズンゲーム2試合目でようやく100%の状態になった。
復帰したときには身体面だけでなく精神面でも新しい選手になった。リハビリの効果で2012年は全試合先発。99タックルと3FFを記録。
「負傷した選手が試合への愛情を失ってしまうことがある。でもオレは愛情を失うことなくただ強くなった。復帰して自分の能力を証明したかったから」。
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この記事の時点で加入からまだ2週間だったけど、すでに"ディフェンスのQB"にになってるとのこと。OLBアチョもブリンクリーを「彼はすでにリーダーだ。振る舞いで周囲に教えることができる」。
LBコーチのマイク・コールドウェルはブリンクリーを“He has a good understanding of football” と評している。
「フットボールへの理解が優れている。新しいディフェンス・新しい専門用語になることを、彼はそれを以前にも経験している。良い質問をしてくるし勤勉だ。彼は本当のプロフェッショナルがすべきことを全部やっている」。
「現状はまさに自分が求めていたものだ。スターターになることを期待されてここに来たわけではない。スターターになる機会が欲しかっただけだ」。
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http://www.nfl.com/draft/2011/profiles/jasper-brinkley?id=79840
ILBブリンクリーのドラフト時の評価。2009年なのにちゃんと探せばヒットするものなんですね。
サウスカロライナ大出身で身長6-2、体重252。ドラフト5巡(全体150位)でMINに指名されました。(アリゾナは1巡でRBウェルズを指名した年。ウェルズとLSHとCBトーラーが退団したのでチームに残ってるのはSラシャード・ジョンソンだけ)。
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高校卒業後は学業の問題もあってGeorgia Military Collegeに2年在籍。
2006年に双子のキャスパー(DE)と揃ってサウスカロライナ大に編入。107タックル、5サック、14.5TFLでAll-AEC
2007年は21タックルと2INT。でもLSU戦で右膝ACL断裂
2008年 All-SECの2nd team選出。65タックル、2.5サック、5TFL。2FF、1INT
2007年に膝を手術。後半8試合を欠場したことでチームのディフェンスは全米56位。ボウルゲームにも進出できず。
2008年はディフェンスが全米13位。1試合平均喪失ヤードが前年より86ヤードも減った。
長所:
ILBとしては見本のようなサイズと強さがある。ジュニアカレッジからサウスカロライナ大へ編入してすぐにインパクトを残し、年々成長している。短いエリアでのクイックネスがありブロッカーをうまく避ける。オープンフィールドでは信頼できるタックラー、インサイドではpunisher(強烈なタックル)。サイズとパワーで相手を怖がらせる存在。3-4のILBにぴったり。
短所:
身体的特質に頼っていてinstinctsと技術はまだ成長途上。体格のアドバンテージを使わずにブロックをかわそうとすることばかり。手を置く位置が悪くて相手から離脱するのが遅い。進行方向を間違うことがあり、それをリカバーするだけの爆発力はない。パスカバーにはinstinctsと足の速さが不足している。
総評:
パスカバー能力が欠損していてNFLではtwo-down linebacker(3rd downでは外される)になるだろう。フィールド上で努力するが、プレーコーラーの役割をするだけの十分な精神的統制しかないので3-4でコールをしなくていい状態がベストだ。ボールを追いかけるよりもボックス内のほうがずっと良いプレーをする。肩を正面に向け続けて爆発力で隙間に飛び込む。精神面、パスカバーと穴が多すぎる。
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パスカバー能力の低さは加入決定時にコメント欄でも指摘されましたが、大学時代から定評(?)があったようです。
ラン守備の得意なハードヒッターで、声もよく出る選手だと。でもプレーコールはさせないほうがいいみたい。
今月になってダンスビーとの契約があったとはいえワシントンが開幕から4試合出場停止なので開幕スターターになりそう。
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アリゾナとは2年総額3.5Mでの契約です。背番号は54。

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