・クリフ・キングスベリー新HCはエアレイド・オフェンスの使い手
・4WRセットが基本でパス重視のスキーム
・ノーハドルやオーディブルも増える
・そこにRBデビッド・ジョンソンを組み入れる
□Cardinals Join Offensive Revolution With Kliff Kingsbury (チーム公式サイト1月9日水曜の記事)
クリフ・キングスベリーはテキサス工科大のQBのときマイク・リーチHCのもとでAir Raid offenseを学んだ。4WRセットを多用してパス攻撃を優先するスキームである。
近年NFLではカレッジのコンセプトを取り入れるようになり、成功を収めている。今シーズンはキングスベリーが過去に指導した3人のQBがNFLでスターターだった。パトリック・マホームズ(KC)はシーズンMVPの有力候補、ベイカー・メイフィールド(CLE)は2018年のドラフト全体1位、それとケイス・キーナム(DEN)。
キングスベリーは3人のプレーを見てカレッジとNFLの差異は異国のものほどではないと感じ、アリゾナのHC就任オファーを受けた。
キングスベリーはテキサス工科大のHCとしては6年通算で負け越しているがそれはディフェンスに常に問題を抱えていたためであり、オフェンスでは優れた数字を導き出していた。
キングスベリーHCはパス攻撃が好きだが、2018年のテキサス工科大はオフェンスのうちパスプレーは55%にとどまっている(師匠のマイク・リーチが現在HCを務めるワシントン州立大は71%だった)。キングスベリーはアリゾナのエースRBデビッド・ジョンソンのことをものすごい財産でありランプレー含めてさまざまな方法で使うと言っている。
TEリッキー・シールズ=ジョーンズ(大学時代はWR)はキングスベリーがテキサスA&MのOCだったときにリクルートした選手だが入学したときにはキングスベリーはテキサス工科大のHCになっていた。それでも両チームはともにアップテンポなスタイルを使っていた。
1試合に50回もパスを投げてNFLで勝てるかという質問にキングスベリーHCは「こういうことをハイレベルでやっているチームがすでにいてMVP級の数字を出したり第1シードになったりしている。プレイオフではラン攻撃とディフェンスが重要だとみんなが言うが、今年のプレイオフはそういったチームがどんな結果を残すのか楽しみだ」。
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エアレイド・オフェンスというのはWikipedia読むと、
・ショットガンで4WR・1RBが基本
・4WRはアウトサイド2人+スロット2人や、片側に3人+反対側に1人など
・オフェンスの7割くらいがパス
・ノーハドルでQBがオーディブル(スナップ直前にプレーを変更)をよくする
・OLが間隔を空けてセットしてDE/OLBのパスラッシュを弱める。ブリッツにはショートパスで対応
ラン・アンド・シュートの派生だけどウェストコースト・オフェンスの要素も取り入れてるってことで、ロングパス一辺倒ではなくショートパスも織り交ぜるスタイルみたい。
キングスベリーは選手だった大学のときもアシスタントコーチになってからもエアレイド・オフェンスのHCの下にいたという直系。
NFLでコンセプトを取り入れてる人はいるけど、直系がNFLで指揮するのはキングスベリーが初めてっぽい。
(かなり面白そうなことをやろうとしてる。うまくいけばハイパーオフェンス)。
(ただ現状のアリゾナのWRの層が心もとない。ジョン・ブラウン、ジャロン・ブラウンがいるときにフィッツジェラルドとJ.J.ネルソンの4WRでエアレイドやるところを見てみたかった)。
(QBジョシュ・ローゼンがどこまで成長できるかにかかってる。去年のパス精度では話にならない)。

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