2008/9/23

BU・SU(’87)−追悼・市川準監督ー  日本

19日(金)に市川準監督の突然の訃報で少し驚き、脳内出血で享年59才、と。このダイアリー作成時about me欄で好きな監督の一人に挙げてもいたので、追悼を、と。ずっと作品を追ってきたという訳ではなく、見たのは「BU・SU」「つぐみ」「ざわざわ下北沢」「トニー滝谷」「あしたの私のつくり方」等、やはりデビュー作「BU・SU」で意識、よしもとばなな原作の「つぐみ」('90)でインパクト、叙情的ではありながら骨太、劇中漂う空気感が自分には合う、というのか好ましい感触。

本人の映像を見たのは大分前、「ASAYAN」というオーディション番組で、CMディレクター絡みで三井のリハウスガール募集の審査員として、池脇千鶴を選んだ時、の覚え。最新劇場で見たのは「トニー・・」、DVDは「あしたの私・・」。秋公開予定の「buy a suit スーツを買う」が遺作になった、と。まだそう高齢、という訳でもなく、残念、ご冥福をお祈りします。

形として追悼としても、以前掘り出し物ビデオ店舗で買ったままだった「BU・SU」('87)を、久し振りに見た。DVD化はされていないようで。やや記憶おぼろげになっていたけれど、改めて、富田靖子の不機嫌そうな美少女ぶり、教室内での高校生達の若さの無邪気な盛り上がり、イジメ、正義、潔癖感での憤り、心のひだまで判らずとも大人達の彼女への悪気ない、キップのいい、ひっそり穏やかな、また表面的接触、ような空気が、「あしたの私・・」は少し市川作品ってこういうのだった?と思ったのだったけれど、こちらの方がより自然に感じられ、

劇中折に流れていた聞き覚えあった「七色の谷を越えて・・」という唱歌は、私は「風のリボン」という曲名と思っていたけれど、江間章子詞・團伊玖磨曲の「花の街」だった。

あてどなく学校をサボって電車で着いた街で、バックにテーマ曲も担当の原由子のややメランコリックな曲が流れる中、さ迷い歩くシーンはじんわり良かったけれど、やはり彼女ヒロインの「アイコ十六歳」で流れ雰囲気にフィット、でもいまだに曲名不明の原由子の曲があったのを思い出した。

学校の後は叔母(大楠道代)の元で芸者見習い、という日々、故郷での思い出に外への扉が閉ざされている感のヒロイン麦子、その光景、斜めに傾く海等のフラッシュバックを挟んで、醒めたような表情のショットが印象的。

従姉妹の芸者役伊藤かずえの恋、同級生のボクシング部の高嶋政宏の自分へのジレンマ、ビヤガーデンでの行きずりの女の夢と仕事のギャップ、不倫話、等、それぞれが孤独で、科白も会話はしていても独り言、を発しているようでも。

そういう中、ビヤガーデンでビールの泡を眺めている内に、彼女の内の何かが弾け、女が提案した情念の演目「八百屋お七」を文化祭で踊る、と決めて外へと弾ける糸口をつたっていく姿、またその舞台のややシニカルな結末、残酷さ、見つめていた高嶋政宏が指し示した、外のやぐらに火を投げ込む、惨めさやるせなさを葬ろうとするシーンは、

炎の揺らめく感触は覚えあり、そうだったのだった、とDNA的懐かしさが。最近見た青春ものより、何か親近感、肌暖かい感触があった。気になりつつ未見の市川作品も思えば少なくないので、この機に追悼としても幾つか見ようか、とも。(http://news.aol.co.jp/story/news.date=20080919163930http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD17884/http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD26632「トニー滝谷」ざわざわ下北沢(’00)あしたの私のつくり方(’07)

クリックすると元のサイズで表示します
0




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ