2008/11/4

東京日常劇場<憂愁編>('91)ー追悼・市川準監督ー  日本

’90年に深夜放映していたらしい、月〜金5分間の市川ドラマシリーズの短編オムニバスのビデオ。内容は2話づつセットで並行して進むものが3編、単独で4編。検索でも余り情報が出てこないので、メモしたタイトルと出演者を記録しておくと

「浮気亭主」「不倫新幹線」/増田恵子、西岡徳馬、犬塚弘、今村明美 
「酔っ払いとルンペン」「変な男のマンション」/汐路章、あがた森魚、ベンガル、白鳥靖代
「妻に逃げられた男」/すまけい、天衣織女
「裏町旅館」「張り込み刑事」/岡本麗、蛭子能収、長塚京三、大場明之
「交番」/石倉三郎、佐野史郎
「古本屋にて」/中村れい子、小形雄二
「作家と家族」/桃井かおり、イッセー尾形、清水真由

という10編、ほとんど2人芝居、最後だけ3人、のスタジオセット収録の密室劇、特に舞台は東京でなくても、という内容で、東京らしかったのは「古本屋にて」で古本屋に来た女性の勤めの店が四谷、と言っていたりして、舞台の古本屋も神田辺りかもしれないと思った位。

でも田舎よりは都会、の雰囲気の一角の、やや訳あり風何気ない日常の断片、微妙な間で進む会話、「妻に・・」での、一人部屋にいる男と、出て行った妻の知り合い、という女からの電話での会話等は、一方的に言い分をまくしたてられ、途方に暮れるだけ、という顕著さだったけれど、

たとえ過去の経緯があり同じ空間で至近距離にいて、言葉を交わしてはいても、実際は噛み合ってない人間同士の心、というもどかさもある状況をシニカルに斬った、という後味が強かったけれど、噛み合わないからこその、その中和剤として、ふと現れる第三者や食べ物等、を通しての(形の上の)それなりの時間の共有、という場面も。

後で、これは最初と最後の段取り以外は俳優次第のアドリブ劇の実験ドラマだった、という記事を見かけ、短編の中で細かい共有点の伏線もないアドリブ劇、言葉は交わされてもぎこちない空気、は当然だったかもしれない、とも思ったけれど、

実際心が寄り添わなくてもある意味アドリブ的に、日常がそれなりに進んでいく、というサンプル劇のような感もして、直接の科白では実際の状況の多くを語らない面での、市川テイストの凝縮版、でもあるのだろうかとも。

印象的だったのは、最後の「作家と家族」で、作家が、妻と娘に、自分の小説が人気が出ないのは何故だと思うか?等と尋ね、そのエキセントリック、ではないけれど淡々とした中に癖のある作家役イッセー尾形、それに戸惑いながらの桃井かおりの妻の受けの空気、素朴な意見をこぼす娘清水真由、それに神経質に反応する作家、とか微妙にリアルな間、等。やや微妙な後味、この<哀愁編>もあり、こういう作品群もあったのだった。(http://www.aruaruvideo.com/detail/G97893.html■追悼・市川準監督■BU・SU(’87)大阪物語(’99)東京マリーゴールド(’01)トキワ荘の青春(’96)会社物語(’88)東京夜曲(’97)東京兄妹(’95)竜馬の妻とその夫と愛人(’02)病院で死ぬということ(’93)たどんとちくわ(’98)「buy a suit スーツを買う」あおげば尊し(’05)


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