前のエントリーの続きっぽく。
私にとって Mary Chapin Carpenter と同系統の豊かなアルトヴォイスが魅力のシンガーというと連想するのが、ドロレス・ケーンです。アイルランド伝統音楽に興味がある人ならご存知の方も多いでしょう。
MCCと比べると多少ハスキーですが、包容力というかスケールの大きさという点ではさすがに上を行っています。MCCがいかにも現代のアメリカ女性然としているのとは好対照でアイルランドの伝統の懐の深さを感じさせる歌手です。
十代でチーフタンズのレコーディングに参加し、デ・ダナンのヴォーカリストとして世に出た人なのでキャリアはとても長く30年くらいになるのでしょうか。
と、知ったような書き方をしておいて、実はその辺の音は聞いていなくてよく知らないのですが、アルバム『
Solid Ground
』『
Best of Dolores Keane
』を持っていてどちらもかなり好きです。ベストは前者もカバーしているんですが新曲も多いということでまた別の魅力があります。セルフタイトルの『
Dolores Keane
』も気になる作品。アルバム『Lion In The Cage』の曲はベストで聞く限りではドーナル・ラニー・プロデュースらしくアイリッシュらしさはしっかり残しながら先進的なポップ感覚/ワールドミュージック的指向も盛り込んだもので、万人向けではありますが個人的にはまあ中古であれば買ってもいいかというくらいですね。それよりも78年のソロデビュー作が素晴らしいらしいので機会があればぜひ聞いてみたいところです。
とにかく歌いっぷりが気持ちいい人ですね。
もちろんテクニックは素晴らしいし繊細さもあるのですが、そういうところが目に付くようじゃまだまだよ、とばかり腰の据わったまっすぐな歌い回しで、参りましたと言わせられる感じです。

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