「教師に聞こえない携帯着信音」にイグ・ノーベル平和賞(asahi.comより)
http://www.asahi.com/science/news/TKY200610060122.html
愉快な研究にイグ・ノーベル賞 日本人受賞は11人(asahi.comより)
http://www.asahi.com/science/news/TKY200610070186.html
本物のノーベル賞受賞者もプレゼンターで登場したりするまじめなふざけっぷりで、かなり知名度も上がってきている気がするイグ・ノーベル賞。
今年の目玉は、
『モスキート』という装置を発明した英国の男性Howard Stapleton氏に贈られた平和賞だったらしい。
前者の見出しは少々看板に偽りありで、そもそも「モスキート」は、17キロヘルツあたり以上の高周波音が、若者には聞こえるが成人以上では聴覚の衰えにより聞こえづらいことを利用して、店先に群れてたむろする若者が営業妨害になっているのを追い払うための装置として開発されたものだった。
ところがこの理論を逆手にとって、この帯域の音が携帯電話の着信音として配信されると、教室などで携帯電話が鳴っても先生には聞こえず生徒にしかわからない、と英国などで流行して話題になったのも大きいと思われる。
余談だが、私が中高生だったころは教科書やノートを立てていれば後ろじゃ居眠りか早弁でもしてるというのが普通だったが、今じゃあせっせと携帯を操作してるわけだ。
http://saunderslog.com/2006/06/12/the-mosquito-ring-tone-this-adult-can-hear-it/
↑ここで1501Hz 〜17979Hzのトーンの試聴ができるが、17979ヘルツはちょっとヴォリュームが低く感じるものの、ヘッドフォンだと三十代後半の私でも全部聞こえた。いちばん上のMosqiuto というのが実際の着信音らしいがかなりえげつないです。これだったらマナーモードのブーンという振動音と大差なさそう。対人用ならぬ殺虫用の電撃ランプも似たような音出してたりする気が。
と言っても、健康診断の聴力テストじゃいつも最初はいつから聞こえ始めたのか判然としないくらいだし特に耳がいいとも思えないので、普通のスピーカーだともっと聞こえにくいのだろう。
あと、面白いと思ったものでは、音響学賞を受賞したテーマ「寒気のする音の心理音響学 Psychoacoustics of a Chilling Sound」は、なぜ人は爪で黒板を引っかく音をを嫌うかという研究だったそうな。
私は、小学生の時の給食のアルミのお盆を先割れスプーンで引っかく音がこの世でいちばん嫌いな音で、思い出すだけで背筋が凍るので、この趣旨には共感する一方で、同じ感性を持ちながらも実験を敢行した蛮勇には深い敬意を感じるのみである。


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