今朝の新聞とかで報道されていましたが、小学校高学年の必修科目として英語の学習の時間を設けることが決まりそうだとか。
本当に効果あるんでしょうか。
中央教育審議会の報告で
「日本人の英語能力は国際的にみて十分でない」
と指摘されているのは事実としても、
「小学生の柔軟な適応力は英語の音声や表現に慣れ親しむことに適している」
などとして、小学校5年か6年から、週に1時間程度の英語の授業を必修とするよう求めているという話に関しては、その程度の学習で「慣れ親しむ」ことができるかというのははなはだ疑問です。
日本人が英語ができないというのは、学習が足りないということ以前に、多くの日本人にとっては英語を習得する必要に駆られること自体が少ないという事実があると思うのです。私も田舎育ちなので、中学生の頃なんて、どこで使うために英語を勉強しているのか、必要性がわからなかったというよりそういう疑問に思い至ったことすらなかったように思います。
東洋の島国という地理的条件、開国時や太平洋戦争後の占領期を含めて大多数の日本人が英語文献や英米人との接触がない生活を続けてきた(こられた)歴史的条件などから生じたと言えるその状況は今でも庶民にとっては大きく変わっていないと思います。
もちろん、交通や通信網の発達で、これからは外国語ができるかどうかで、情報や知識の格差がずっと顕著になる時代になってきているのはほぼ間違いないでしょう。
が、現在、総合学習などの時間で多くの学校が英語の授業を取り入れている現状があるとはいえ、それを正規の時間割に入れるということは今の教科を削るんですか。それならば絶対に止めたほうがいいと断言できます。中学校の学習環境をもっと充実させることなどが重要ではないでしょうか。
小学校からだと、ネイティヴなバイリンガルになれるわけではなく、理解の基盤となる国語/日本語教育も英語と同じくらい強化しないと真の国際化なんてのは絵に描いた餅に終わってしまうのではと危惧せずにはいられません。算数・理科・社会なども英語のために時間を減らすべきではないでしょう。
考えてもいないことは話しようがないですからね。

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