久しぶりに色々なことを考えさせる一日。ここ最近ずっと走り続けて来て、すとんとタイムスリップしたように南アに来た頃の位置に戻ったような日だった。
それは周りの人々が人生の岐路での結論を出したり、または新しくこの土地に来て今までの価値観が全て置き換えられ苦悩している様子、短期間の滞在で 驚くほどのスタミナをもって南アの隅々までを身体に蓄え日本に戻る前に再考している姿、5年間自分の信じたものを創り続けることで ついに名を馳せ始めた地道な成功者、そのような友人たちを見ることで。
相変わらずゲートのブザーが Aに病気のアドバイスを求めにきた庭師やお手伝いさんの知人たちで鳴らされ続ける午後6時あたりの忙しさも。
この国は常に自分で考え判断し続けないといけない場所と 着いたばかりの若い日本女子に話す。日本だと暗黙のルールを守っていれば、そして自分のしなければいけないことをきちんとしていれば、それ以外は何も考えなくても一日一日を平和に暮らしていける。誰からも邪魔されないし、誰からも頼まれることもない、そして社会も(表面的には)何の問題もなく自分を受け入れてくれる…南アとは日本は対極にある場所 と、自分の中でも再度思いを整理する。
車を運転して毎日どんどん痩せて行く道端の子に、何もせず通り過ぎる私の中の「正義」や「真心」がぺったんこに萎んでしまっているところに、Dが横から「家に連れて帰って温かいお風呂にいれてあげよう」「ご飯も食べさせてあげよう」と返事に困るコメントをする、それも南アの出来事の一つ。
そう、私はまだ南アにいるのだ。そしてこれからももう少しいるのだろう。日本のインターネットニュースで下のような記事をみながらそのこと確認し、様々な思いが交錯する日だった。
*******.
…世代間格差は広がり、高齢化社会においての若年層世代の負担は重くなる。そんな「割を食った」若者たちなのに、「国民生活に関する世論調査」によれば、20代の70%が現在の生活に「満足している」。
「たとえば、ユニクロとZARAでベーシックなアイテムをそろえ、H&Mで流行を押さえた服を着て、マクドナルドでランチとコーヒー(略)。家ではYouTubeを見ながらSkypeで友達とおしゃべり。家具はニトリとIKEA。夜は友達の家に集まって鍋。お金をあんまりかけなくても、そこそこ楽しい日常を送ることができる」…