成人式があった。例によって新聞紙上では新成人の知事選への関心と期待が報じられている。ここでは2008年1月15日14版の朝日新聞朝刊の記事から引用し、コメントを入れておく。尚、引用部分は・の部分である。
・大阪市の大学生
知事選への関心・・・有り
新知事に望むこと・・社会経験が豊富な人になってほしい
社会経験が豊富といっても、仕事の経験、知見の広さ等、さまざまである。人はその人の生業としている仕事における経験が大きい。たとえば橋下氏はサラ金顧問弁護士業やタレント業としてのわれわれには計り知れない知見があるのだろうし、梅田氏は弱者救済に尽力する弁護士としての知見がある。また、梅田氏は2度目の立候補をするのだから、府政への関心は非常に高く府財政建て直しに対する施策も考え済みだろう。熊谷氏は阪大教授として政財界とのつながりも深く、広い視野を持った社会経験の豊かな人物であって、やはり財政建て直しについての必要性、実際の方法についても考えている。
・大阪市の大学生
知事選への関心・・・有り
新知事に望むこと・・リーダーシップがあって、約束を守れる人
人気だけで「リーダーシップ」があるかのような印象を大衆は持つことからすれば、闇雲に「リーダーシップ」を求めるのは恐ろしいが、地方行政は知事ひとりで大きく変わる。平成の大合併を拒否した茨城県矢祭町が成功しているのも、町長の強いリーダーシップがあってこそである。事実上財政の破綻した大阪府の現状を見れば、強いリーダーシップが必要であることは間違いない。もっとも後半の「約束を守れる人」ということについては、政治というのは流動的なものであるから、行政の長が何でも約束を守ればよいというものではない。しかしながら、ものには限度というものがある。政党の支持を受けんがためにコロコロと意見を変えるような「約束」の「や」の字もないような橋下氏には、ずいぶん耳の痛い意見だろう。
・大阪市の専門学校生
知事選への関心・・・なし
新知事に望むこと・・街をきれいにし、住みやすくしてほしい
知事選への関心がないのは残念である。悪い意味での他力本願ですね。
・豊中市の大学生
知事選への関心・・・有り
新知事に望むこと・・大阪は怖いと言われる。イメージをよくして
確かに大阪は怖いイメージがあるようだ。映画やドラマでも極悪人ややくざがすごむシーンでは大阪弁が多様されているせいかも。。。住めば都といいますが、大阪はそんなに怖いところではありません。
・豊中市の大学生
知事選への関心・・・なし
新知事に望むこと・・誰を選んでいいかわからない。大阪を盛り上げて
知事選への関心がないのは、誰を選んでいいか分からないことが原因となっているのだろう。選挙を含めて大阪を盛り上げていく必要があるといいたいのかも知れない。しかし、誰を選ぶべきかという参考資料は、選挙公報をはじめとして、ネットでも簡単に入手できる。自らこうした情報を収集して判断すべきだろう。がんばってほしい。
・豊中市の大学生
知事選への関心・・・有り
新知事に望むこと・・大阪を良くして。やる気があり、努力する人に
立候補者は誰もが、大阪を良くしようと思っているのだろうし、やる気もあるし、努力する。知事選への関心がありながら、望むことは何も言っていない典型的な答えだなあ。他力本願では何も解決しない。情報収集してから投票して欲しい。
・豊中市の大学生
知事選への関心・・・有り
新知事に望むこと・・財政破綻は困る。待機児童解消を
財政は事実上既に破綻している。本当に困ったことだ。待機児童の解消も確かに問題だ。少子化はこうした教育のしにくさにも微妙に影響しているかもしれない。しかし、何をするにもお金がいる。さて、どうするということが今回の最大の争点のはずだ。財政再建と府民の喜ぶ行政サービスとの両立はなかなか難しい。
・東大阪市の大学生
知事選への関心・・・有り
新知事に望むこと・・困っている人にお金が回る仕組みづくりを
困っている人は本当に多い。東大阪の中小零細企業の社長達は一様に太田府政を嘆いていた。利益は上が享受する。全てはお上のために。下は生かさず殺さず。これがトヨタ方式だろう。サラ金のやり口も同じである。生かさず殺さず搾り取る。サラ金顧問弁護士であった橋下氏はこうした方法に詳しいだろうが、弱者救済には向いていないだろう。
・東大阪市のアルバイト
知事選への関心・・・有り
新知事に望むこと・・財政赤字や無駄遣いを改革してほしい
財政赤字は大問題。人件費の削減が最も効果がある。平成の大合併を拒否した茨城県矢祭町では、議員報酬は日当制で、3万円。ボーナスに当たる期末手当は廃止され、試算ではの人件費が3分の1以下になるという。職員がトイレ掃除なども行い、税の個別徴収も職員が行っている。しかも芸が細かいのは、夜間の個別訪問は手当てのつかない役員が行っていることだ。町の財政を考えたらこうした施策は当然のことだろう。 すばらしい方式であり、これこそ改革と呼べるものだろう。掛け声と看板付け替えだけに終始した小泉内閣とは大きな違いである。大阪府政改革もこのような形で行って欲しい。
・箕面市の大学生
知事選への関心・・・有り
新知事に望むこと・・知名度や人気より、大阪を真剣に考えている人
思わず拍手したくなる。知名度や人気だけで全政党の支持を望んだ橋下氏には耳が痛い意見だろう。
私は知名度や人気だけで選挙に勝つことが悪いとは思っていない。西川きよしさんやノックがなぜ支持されたのかといえば、かれらが精一杯の見栄を張るからである。ええ格好しいなのだ。ええ格好しいは世間に対して言い訳でけへんような悪いことはせえへん。そんな格好悪いことせえへんと府民は思うからこそ、支持するのである。江本氏にはそうした人のよさといったものを府民が感じなかったから当選できなかっただけの話である。人の良さ、精一杯の見栄を張る人だからこそ、政治を任せられると府民は考えるのである。
目的のためには平気でウソをつく。政策を変える。ウケを狙って人を煽る。法律を利用して人から金をむしりとる。こうした人間に投票するほど大阪府民はアホではないと私は信じている。

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