派閥の力により、福田内閣が誕生した。記者会見に立った福田は政治不信の解消を第一に掲げ、次のように語った。
『 政治不信の解消なくして、わたくしどもがいくら良い政策を説いても、国民の方々は信用してくださらない。そのように思いますと、まず、政治の信用、これを取り戻すことが大事だと思っております。 』
安倍といい、福田といい、どうしてこんなに甘ったれているのだろう。
これは明らかに順番が逆である。良い政策を立案し、議決し、施行することで国民は信頼するようになる。障害者自立支援法などという名称と名前が全く異なるような施策は、名前ばかりの偽りの法律であった。
幾度もこのブログで書いてきたが、小泉・竹中・安倍と続く自民党独裁政権においては、あまりにも偽りの看板が多すぎた。名前ばかりが美しく、名前ばかりが甘ったるい法案で、その実、内容は看板と全く異なることが多すぎたのである。
良い政策?どこに良い政策があるのだ?
政治不信を解消するために、福田はまず年金問題を挙げた。
『 そういう中でも、年金の問題は、きわめて大きな問題であったというように思っております。これは、一年金の問題というよりかは、政府に対する信頼を失ったこと、それは国家への信頼を失ったことにもつながるというようにも思っております。
私どもはこのことに大きな責任を感じ、そして、この解決のために全力を挙げてまいりたいと思います。
解決の方法は、名案というものはございません。ただ、ひとつひとつの事案を着実に解決する。その積み重ねによって、国民の信頼を取り戻すことができる。そのように思っております。多少の時間はかかるかもしれないけれども、一生懸命この問題の解決にあたってまいりたいと思います。 』
至極当たり前のことである。福田の言うことはいちいちもっともである。しかし、その第一歩が間違っている。
要するに、これから一生懸命取り組むから、これまでの不祥事は大目に見て、責任問題は不問にし、前向きに取り組む姿勢を評価して欲しい。という話である。
一党独裁の悪しき点のひとつは、責任の所在がいつもいつも曖昧にされ、問題点が浮き彫りにならないことだ。自民党内の派閥間での政権交代により、人心の一新を図る手口の連続が戦後の長きに亘って一党独裁を可能としてきた。
自民党は福田内閣になってまたぞろ同じ手口を披露している。
これから一生懸命するから許してね!僕はこれまでの首相とは違うからね!
これでは何のための選挙なのか分からない。
福田は、年金問題に妙案はないという。これからひとつひとつの事案を着実に解決するのだという。過去の反省がなくて、解決法が見つかるはずもない。ここにも一党独裁政権の傲慢さがぷんぷんと臭う。
社会保険庁を解体する・・・一見、民主党と同じ看板を掲げながら、その実、自民党のやり口はいつも同じだ。
これまでの責任の所在は不問にし、一度チャラにして、もう一度やり直すんだからいいじゃないか!やり直し方は話し合いで行きましょうよ!年金も、政治資金も、ね!
馬鹿にするのも大概にして欲しいものだ。
国民のため、国家のために、同じ思いの野党とも協議しようと福田は言う。
しかし、国民のため、国家のためといいながら、自民党は何をして来たのか?無能な竹中を口先男コイズミが任用し、好き放題にさせ、更に力不足な男に後を託したのは、他ならぬ自民党なのである。
自民党のすべきことは、まず、これまでの政治責任を認めるべきである。その問題点を明確にし、政策として打ち出した上で、国民に信を問うべきなのだ。
自民党は国民の親でのなければ息子でもない。こつこつ頑張っているから許してやる、というような存在ではない。甘えた感じに虫唾が走るではないか。
自民党は、あくまで政党政治を担う一政党なのである。政治不信はその政策でもって払拭すべきである。
政策を打ち出さずして、何が信頼の回復なのか?
福田内閣はまさに責任不問談合内閣というべきである。
福田のオラウータン顔と、その心地よく当たり障りのない語り口に、私達は決して騙されてはいけない。
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