「仮面ライダーメンコ」にイワされた奴は、ワタシだけではないのである。
A君もM君もこっぴどくヤラレていたのである。
なのに、誰もI番長に文句を言わない・・・
何故・・??
・・・しかし・・・それが社会というものである・・・
ichizentinoが、この認め難い「現実」という壁にぶちあたり、
本当の意味でもがき苦しむのは、この事件より20年も後の事であった・・・(イミシンな・・爆)
さて・・・
ゴールデンウィークだったか・・・
世間は連休である。
I番長も家族で2泊3日の旅行に出かけた。
ワタシとM君は居残り組だった。
いつもの様に、皆は社宅の公園に何となく集まるのだった・・
・・と言っても、その日はワタシとM君だけであったが・・
何となく2人でキャッチボールなどしていたのだが・・
ふと見ると、I番長の家のベランダのガラス戸が微妙に開いている・・!
ワタシはキャッチボールを止め、M君に目配せをした。
M君は小学校1年生なのにメガネをかけていて、見るからに気の弱そうな少年であった。
近眼なのでなく、遠視だった様だ。
遠視のメガネをかけると、目がひときわ大きく見える。
その大きな瞳は、私の目配せの意味する事を悟り、
明らかにためらいの表情を見せていた。
「大丈夫だって!」
ワタシはI番長の家のベランダまでよじ登って(と言っても1階なのだが・・)、ガラス戸をそっと横に引いてみた。
カラカラカラ・・・
思ったとおり!開いている!
M君もベランダに降りてきた。
ワタシはソッと家の中に忍び込むと、目的の物を探した・・・
・・・そう、あの「反則メンコ」である・・・
「ichizentino(違うけど)・・止めときなよ・・・」
後ろからM君の声が聞こえた。
ichizentinoは一瞬ためらったが、もう目的のブツは見つかっていた。
手早くそれを掴むと、いちもくさんに逃げ出す・・!
2人は必死で逃げた。
といっても、誰か追いかけてくるわけでもないので、
すぐに2人は足を止めた・・・
社宅の裏手のゴミ捨て場である・・・
ワタシは「仮面ライダーメンコ」をビリビリに破いてゴミ捨て場に捨てた。
M君の大きな瞳は、満足感と罪悪感とがゴチャ混ぜになった様な、複雑な色をしていた・・・
この後、更なる事件が・・・!
つづく・・・

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