「新聞記事ノート」から  教育のはなし

 今年度最後の「新聞記事ノート」のチェックをして、いつものようにおもしろい記事・レポートはコピーして廊下に掲示した。こちらも勉強になるし、手間はかかるがやっていて楽しい授業実践である。
 教育に関係するものとして、いくつかあったので、メモ代わりに。

「大阪府条例案「不人気校切り捨て」」(京都新聞2月24日)
 大阪府の府立学校条例案に、3年連続定員割れした学校を再編整備の対象とする条文が盛り込まれたことについて、教育関係者から「不人気校の切り捨てが始まる」と警戒する声が上がっているという。
 公立中学校長は「人気校と底辺校の序列化が進むだけだ」とし、「私学無償化の背景には、私学に学力の低い子の受け皿になってもらおうという意図を感じる」と指摘しているそうだ。
 さて、この記事を書いた記者はこれ以上書いていないのだが、あまり好意的に評価しているように見えないので、おそらくは、「不人気校が整理の対象になること」「学校間の序列化が進むこと」「公立底辺校を整理縮小し、代わりに私学に受け皿になってもらおうとすること」が問題と言いたいのだろう。
 しかし、ほんとうに問題なのだろうか。大阪府は実質的な私立高校授業料無償化を進めているので、学費負担という点からは問題がない。公立学校を縮小することが問題だというのであれば、公立の方が私立より優れた教育活動を行えると前提が必要だが、おそらくそのような証拠はない。むしろ財政危機の大阪府では、代替策があるのであれば公立高校の削減は不可避であろう。
 ひとつ問題があるとすれば、公立高校は広域人事を行うため、過疎地に人材を送り込むことが可能となるというメリットがある。今、研修医制度が変わって過疎地の医師不足が深刻化しているのと同じことである。ただし、大阪府でそれが必要かどうかは不明。

「大学生24%が「平均」誤解 数学の学力不足鮮明」(京都新聞2月25日)
 数学の授業で先生もコメントしたそうで、5人がこの記事を取り上げていた。「ゆとり教育と推薦入試のせいだ」と日本数学会理事長さんがコメントしたらしいが、おそらく言葉尻をとらえただけだろう。発表資料にはぜんぜんそんなことは書かれていない。また、解説に「国公立理系がたくさん参加してこの成績では事態は深刻だ」と書かれているが、発表資料では、国公立の上位校はきちんと得点していて、むしろ大学間格差の大きさが問題と見るべきである。
 京都新聞以外にも、読売新聞や朝日新聞の記事を持ってきた生徒がいたが、似たような感じ(読売は五十歩百歩で、朝日は少し慎重に言葉を選んでいた気がする)。
 いずれにせよ、この記事を書いた記者が、いちばんリテラシーがない。情けない。

大阪府立高卒業式 君が代斉唱8人不起立 橋下氏「直ちに辞めて」(京都新聞2月25日)
 生徒のコメントは「せっかくの式を大人の事情で台無しにはしてほしくない」というものであった。そうだろう。
 最近のAERAの記事に、橋下氏は勤務中には一切のプライバシーがないという立場だと買いてあったが、勤務時間中に送られたメールやメモ類をサーバーやゴミ箱から拾い上げてチェックすることも、同じ感覚なのだろう。
 労働者は「賃金」と引き換えに「労働力」と「時間」を提供しているのであって、全人格を金のために捧げているわけではないはずで、ちょっと気持ち悪い話。
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