淘汰と進化(私立高校編)  

 先日、本校の高校2年生を対象に、京都賞を受賞されたグラント夫妻が特別授業をしていただく機会があった。なんでも、ガラパゴス諸島のフィンチたちは、気候変動や環境の激変に応じて、種としての個体数を増やしたり減らしたりしながら、その過程でフィンチのくちばしも変化していくらしいのだ。変異が非常に短いスパンで起きていることを実証する研究である。
 進化論といえば、 「社会進化論」あるいは「社会ダーウィニズム」というのが100年ほど前のアメリカで流行したことがある。要するに、弱肉強食と淘汰は自然の摂理なのだから、勝者はしかるべくして勝者となり、敗者もしかるべくして敗者となった。だから、弱者に優しい政策なんてものはよろしくない、ということになり、自由放任主義を要求する。
 1960年代前半にマンモス校化した私立高校は、1960年代後半に淘汰の時代を迎える。生き残りをかけて各校は、中高一貫教育の強化やクラブ活動の重点化に乗り出し、公立高校との差異化をめざした。甲子園出場校や東大京大合格者の中に、私立高校が増えていくのがこの時期であることが、これを傍証する。次の淘汰の時期は1990年代であり、各校は「国際コース設置」「共学化」「中学校開校」などによって生き残りを図った。
 今、私立高校は三たび淘汰の時代を迎えている。生き残りをかけた私立高校はどんな「変異」を遂げるのだろうか。その変異の結果、日本の高校教育は全体としてどのようなインパクトを受けるのだろうか。
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