徳島にて  教育のはなし

 明石海峡大橋と大鳴門橋を渡って向かった徳島県立図書館は、徳島駅からタクシーで15分ほど走り、ずんずん山を登ったところにある。ワンフロアで開架資料も豊富で、なかなか楽しい図書館である。
 あいにくの雨で、眉山山頂はすっぽりと雲の中だったのが残念。

 徳島県では、1970年代に「総合選抜制」への入試改革が行われている。特定の高校を目指しての中学校段階での受験競争が激しくなったことが社会的な批判を集め、文部省からの号令がかかったことを受けてのことである。その結果、トップ校であった城南高校が「凋落」し、県立入試制度の制約を受けない徳島市立高校と徳島文理高校に生徒が流れただけに終わった。
 ポイントは、徳島県全体の東大合格者数は変化せず、要するに東大合格者が移動しただけだということである。実は、かつて公立が「凋落」し現在「復権」しようとしている東京や京都でも、都や府としての合格者数には大きな変化がない。考えてみれば、全体のパイは拡大していないのだから、当たり前のことだ。
 さて、受験競争が社会問題化したのには、戦後少なくとも、1960年ごろ、1970年ごろ、1980年代後半の3回のピークがあって、昨今の「公立高校の復権」だとかの流れを、要するに戦後4回目の「受験競争」方向への揺り戻しと考えるならば、その次にくるのは、戦後4回目の「受験競争の社会問題化」と考えることはできないか。
 仮にそうならば、不易流行がもっとも優れた戦略だということになる。
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