2009/1/25

私たちの幸せな時間  浮気で本気な<韓国>

***ネタバレです***




この映画を観た時はショックだった。描き方のストレートさが。


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金持ちの娘で何の不自由もないはずなのに、自殺未遂を繰り返すユジョン。ある日叔母であるモニカシスター(윤여정/ユン・ヨジョン) から、かつてユジョン(イ・ナヨン/이나영)が歌った愛国歌を聞きたいという囚人がいるという刑務所に慰問に誘われる。慰問か精神病院かの選択で、しぶしぶ慰問を選んだだけ、自分の歌を聞きたいという人間の顔が見てみたいだけ。そんな理由で行った先で出会ったのは、「最高囚」と呼ばれる死刑囚のユンス(カン・ドンウォン/강동원)だった。週に一度、木曜日の10時から1時までの3時間。彼らの幸せな時間が始まった・・・

3人の殺人を犯した死刑囚。
3度の自殺未遂をした元歌手。


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この映画の感想を書くには、ワタシの文ではあまりにも拙過ぎる・・・けど、この映画の存在を伝えられることが出来たら・・・とは願う。
この映画の表現は、オブラートに包む日本人から見ればあまりにストレートな部分があって、観ていて堪え切れない場面もあって、辛いという表現が合っているけれど、真正面から問題に向かって描いている点は凄いと思う。

幼い頃弟と共に母に捨てられた男。貧しさ故に弟を亡くし、罪を犯し、死刑囚として死を待つだけの日々を過ごすユンスの元に現れた、金持ちの娘で何不自由なく暮らしているように見えるが生きる希望をなくして暮らすユジョン。心に傷を抱えているためにお互いの心を寄せ付け合わない二人。でも、会いに来るユジョン。面会の場にやってくるユンス。
不思議な時間が流れ始めるのは、まだ先のことで。ユンスがユジョンに言う、

「俺みたいな奴に秘密を話すといい。墓場まで持っていくから」
この言葉がまた突き刺さる。

韓国はキリスト教信者が多い点が日本とは違うとは思うけど、「汝の敵を愛せよ」という教えがこんなにも赦しを与えるのかと、驚く場面がある。モニカシスターが、ユンスに殺害された被害者の母を訪ねると、「一度会いたい」と言う。大体、そんなこと日本で可能なのか?「死刑になると思えばザマあみろと思うけど、それはいけないから」と。そして、彼女の面会は叶う。取り乱さないと決めて来たのに、どうしても犯人の顔を見れば怒りがこみ上げてくるであろう・・ひとしきりユンスを攻めた後、ユンスは罪を認め心からの謝罪をする。「赦すから・・・いえ、まだ赦すことは出来ないから、出来るようになるまでここに来るから、それまで生きているんだよ」と声をかける。ああ、そんなことは絶対に出来ない、出来ないでしょう。。。でも彼女はそうした。この時信仰の強さというものを見たような気がした。
でも・・・やっぱり出来ないのではないでしょうか。
ユンスの心にも悔い改めるという心が生まれたのは、このことがきっかけであったと思う。そしてこのことはユジョンの心にも変化をもたらし、二人は心を開いていくようになる。ユンスの傷とユジョンの傷。

週に1回、木曜日の3時間、二人の「幸せな時間」が始まっていく。それは束の間、観客にとっても幸せな時間でもある。ユジョンの差し入れを美味しそうに食べるユンスの手錠をそっと外すイ主任(강신일/カン・シニル)。楽しそうに二人の会話に加わる姿が見ていて微笑ましい。でも、幸せはそう長く続かないのだという現実に引き戻される。
「死にたい」と思っていた二人が「生きたい」と思うようになっていくにつれ、もしかしたら恩赦なんてことが・・・などと甘い希望を持ちたくなってくるけれど、どんなに罪を悔いても、ユンスが罪を犯したことが事実。幸せな時間を残して、映画は終焉に近づいていく。

生きるとは・・・・
死ぬとは・・・・・
考えても考えても、答えは出ず
千葉敦子さんの著書「よく死ぬことは、よく生きることだ」
の言葉通り、
精一杯生きることが出来れば
いつか来る生の終わりの日を
悔いなく迎えられるのか
では、精一杯生きるとはどういうことか

そんなことを考える夜。
寝られなくねりそうだ☆

釜山出身のカン・ドンウォンくんは今回、慶尚道の言葉で話せてより感情移入出来ていたのかなぁとは思いましたが、難しい役どころだったですね、相手役のイ・ナヨンさんにしても。こっちまで痛くなりそうでした。特に最後のシーンは辛かった。
映画の凄さを知らされた、そんな気分だった。


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우리들의 행복한 시간
2006 한국

감독(監督) 송해성(ソン・ヘソン)
출연(出演) 강동원(カン・ドンウォン) 이나영(イ・ナヨン)
      강신일(カン・シニル)   윤여정(ユン・ヨジョン)









さて余談。
実は慶尚道のサトリ(なまり)が好きなのです。『トンケの蒼い空』で、ウーチャンが話している言葉が慶尚南道のなまりなので耳慣れているせいかも知れません。



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