「不死身の首相を戦慄させた25万人の"No B day"」
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首相とマフィアの癒着懐疑
師走の5日、“恐喝団の王様”と言われる長年逃亡中のマフィアの大ボスがミラノで逮捕されました。ボス中の頭領コーサ・ノストラ組は1993年にトトリーナが捕まって以来、組織の頂点に坐す最高幹部5人が逮捕され、現在4人が逃亡中です。改悛したボスが「現首相とその腹心(上院議員、一審でマフィアを援助した罪で懲役9年の刑を受け、控訴中)を名指してマフィア協力者であり1993年5月フィレンッエ襲撃の大惨事事件に関与している」と爆弾証言、世論は騒然となりました。今のところ、証言を裏付ける証拠はありません。しかし、マフィア裁判に外国記者席が200も用意され、マフィアと政治の癒着は欧州で関心は高まっています。首相側は「“狂言、誹謗”わが政府は歴代のどの政府よりもマフィアを逮捕している」と必死に弁解しています。今の時期、何故、マフィアがベルルスコーニを名指しで非難始めたのでしょうか?摩訶不思議です。組織が壊滅的な打撃を受けた国家に対する報復の可能性もあります。
不死身の首相を戦慄させた25万人の"No B day"
次から次へと湧き上がる不正疑惑と自身の女性スキャンダルのもみ消しに、司法界への対策に奔走しピークを迎えたのが12月5日の"No B day"でした。このBはベルルスコニー首相です。
首相が大統領軽視、司法、現行国家諸制度への横暴な介入と女性蔑視に抗議した市民組織がインターネット上に呼びかけ、左翼系の諸政党も参加、25万人がローマに集り“首相は退陣せよ”を要求しました。背景には国会が首相の特権に繋がる法の制定審議に50万人を超える反対署名があったのです。政府与党のPDLと首相は「私と党に対する誹謗である。一部の裁判官は旧共産主義者であり私を陥れようとしている。」と反発しました。これだけ身辺が灰色不透明な首相(8本の裁判で4本が係争中)ですが、各種世論調査結果は50%を超える高い支持率を保っています。その象徴が軽音楽雑誌、ロック・ミュージック誌の表紙に”2009年男“として イタリア三色旗を破くポーズで写真登場しているのです。
摩訶不思議です。
何故なのか? ナポリのごみ処理とラクイラ地震後の復旧工事の成果をあげた?国営TV放送が首相を擁護誘導する世論つくりに傾いたから?この秋、民主党が人事大会を開き組織を一新して左派勢力が40%を回復したと言われますが、イタリアの政治社会は五里霧中にあります。首相は“5年任期をまっとうする”と言って居ます。
完

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