2010年州知事選の前夜 下
社会活動への参加
この一年間にあなたは少なくても1回以上下記にどれかに参加しましたか?
文化、スポーツ、レクレーション組織に 49,4%(+4,9)
ボランテア組織に 33,6 (+5,9)
地域の環境問題に 32,7 (+7,5)
市や住民区の問題に 32,5 (+5,7)
不良商品購買拒否活動に 20,3 (+5,5)
政治集会に 18,0 (+4,6)
政治に抗議する市民運動に 17,5 (+3.6)
*市民が政治集会や市民運動に参加する人が約5%も増えている
この一年間に政治に抗議する市民運動に1回以上参加した社会階層は
工員・現場作業員 32,40%(+13,5)
公務員(技術、事務、管理職) 41,20 (+13,5)
民間企業 (技術、事務、管理職) 18,30 (−6,0)
自営業・企業家 23,0 (−1,4)
自由職業人 32,40 (+6.4)
学生 49,30 (−9,4)
主婦 17,50 (+7,5)
失業者 29,60 (+6,1)
年金生活者 16,70 (+6,9)
イタリア人平均 26,90 (+5,5)
*社会全体として勤労者や公務員をはじめとして政治に抗議する市民が増えている。内部に政治改革のマグマを蓄えている。しかし、学生が9%以上減少している事に注目する。尚、中道右派系の日刊紙イル・ジョルナーレ(ミラノで発行)140万部が高校生に一番読まれている。理由は大学進学記事が多いからだと、言われている。このためイタリアの将来は中道右派か?
民営化か、それとも公立化、どちらがベター?
学校経営は国家介入を減らして私学に委ねる
2007年 2008年 2009年
18,6% 13,3% 12,2%
社会医療は国家介入を減らして民営化が良い、
2007年 2008年 2009年
22,1% 19,9% 18,0%
社会サービスの満足度は、、、、、
公立学校 41,8% (−4,8)
私立学校 32,1% (+0,3)
国有鉄道 22,4% (+1,0)
都市交通 35,7% (+0,8)
公共医療 40,5% (−0,1)
民間医療 53,0% (−2,7)
*民間医療を除いて公的社会サービスは何れも50%以下で
ここにイタリア病の根っこがある。公務員の服務規程が厳しくなりいわゆる
怠惰の欠勤者が30%減少した。従って、多くの市民は社会サービスの民営化が効率的で望ましいと、考えている。
あなたにとって最重要で解決すべき問題は何ですか?
失業 37,9% (+9,7)
一般犯罪 16,0% (−2,5)
移民者 9,3% (−1,5)
生活物価高 9,1% (−7,2)
社会医療の質 8,8% (+0,4)
エコロジ・環境 8,1% (+2,2)
税金・公共料金 5,9% (−1,2)
道路行政 4,9% (+0,2)
ベルルスコーニドリームはいつまで続く!?
首相の女性関係、私生活スキャンダルは今では国政リーダのモラルが問題化し国のイメージを大きく落とし、反省の無い、むしろ司法や新聞界への攻撃を強める首相に対して外国紙から首相の紊乱を連日報道され、英国紙の複数紙は首相の辞任を示唆している。教会もベルルスコーニに私生活の自重を促している。
* 一ヵ月後に迫った、この3月28日の州知事選を控えていつに無く静かで燃えない選挙が戦われている。その中で、ポポロ・ヴィオラ(紫色の人)が昨年12月5日のB-dayに引き続いて2月27日ローマにバス200台を越す反ベルルスコーニの人々20万人が参集してベルルスコニーの退陣を要求した。この政治集会もインターネットで呼びかけた市民運動である。左派系の政党人が参加しました。
スローガンに掲げたのは、、、、、
* 憲法擁護、
"法の下に全てが平等なのにベルルスコーニがもたらす法律案は不当であり、国を歪曲し、憲法の強制的な改正に繋がるので反対する。“
* PDよ、しっかりせよ、
* ベルルスコーニは小さな人間だが彼は大買収者!
首相は1993年以来2004年まで検察から12件起訴され、更に、1998年のマーフィアがらみの大惨事に連座したと起訴され証拠不十分で不起訴処分1件以外は全て個人と彼の企業グループが犯した私腹肥しの経済犯罪の容疑であった。起訴結果の内訳を見ると無罪判決が2件、時効で起訴消滅になったのが4件、そして現在、現役の首相でありながら2件が係争中であるが、1件は時効の危険にさらされている。ベルルスコーニは起訴された頭初から全ていわれの無い無罪を主張し、“赤いコムニストの検察官”に牛耳られた司法官と批判して、司法制度の改革を叫んでいる。
この州知事選挙戦に臨んでベルルスコーニはカリ スマ性と金力で戦っているが政府首相の人気を占う内閣の支持率は昨年4月16日に56%であったが、2010年2月15日の支持率は46%に急下降、一方、不支持率は同期42%から52%に上昇した。半数のイタリア人が中道右派政権を支持していない事実を見せ付けている。最近の選挙調査によると総右派の支持率は48%、総左派は42%の支持率である。
このように、中道右派の政権は決して強硬な政治的基盤を持って居ない。もし、左派勢力が選挙民から支持される政策を確立させたらこの政権はすぐに倒れるのではないか?
ベルルスコーニ政権を助けているのはPD党を中心とした左派政党と労働界の内部が分裂状態、にあるからでしょう。
完

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