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林興庵は古く臨江庵につくると、寺記に残る。
魚野川に面した段丘上に位置していたからと伝えられた。
夏の暑い日に、ご本堂にたたずむと、魚野川の瀬音と涼気につつまれて、俗世を忘れる心地になっていた。
ようやく読めた「 渓声 」 は、この魚野川の渓流の音かと思えても、その先に理解はおよばないのである。「一華開・・」とあわせて、この寺の立地する自然を讃えることばかなと稚拙の思いをもつだけであった。
渓声廣長舌山色清浄身 と、やっと読めたのはいつの頃だったのか。
その後の彷徨で遇ったのが、道元禅師の歌集に
峰のいろ谷のひびきも皆ながら わが釈迦牟尼の声と姿と
であった。
「 渓声 」 を、魚野川の急流の瀬音とかんがえて、眺望の対岸・男山や日常の視界のサンゴ山を、季節の彩の「 山色 」 とばかりに思い込んでいたのだが、これでは、的はずれかと気づくことになる。
川の瀬音を、法を教えるみほとけの声、ムラをとり巻く山並みが みほとけの清いお姿。
道元禅師の説かれた 禅 の世界なのであろうか。
仏法にはあまりにも疎遠な自分であるが、ムラの鎮守はいつも念頭にあった。渓声・山色が、禅の世界を説く佛語なら、それは限りなくムラの鎮守の思想と近いのではあるまいかと、
元旦の中山神社に佇んで、気づくことであった。
ふるさとの自然の中では、神仏へだてのない心を、われらは受け継いできたのである。
山色 清浄 と並んで示されている「
一華開五葉結果自然成 」も、単純にこの中山の自然を称えた言葉ではなく、深い意味を湛えた佛語として受け止めねばなるまいが、三郎次の理解はこれからである。
越後 魚沼郡 三国通り中山邑、
静寂な杉木立に囲まれた林興庵は、魚野川の段丘上にたたずむ。
その崖下に流れる魚野川は信濃川に合して、三国通り(三国街道)を越後平野に導く。
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林興庵崖下の魚野川。ここに設けられた川口簗場の豪快な景観が、魚野川の瀬音を高めて、林興庵の静寂を、しばし破ることになる。 ↓ クリック.拡大
新潟県北魚沼郡川口町 林興庵 越後川口 えちご川口 川口町 歴史 地理 物語 風物 魚沼産コシヒカリ 林興庵 . . . . . . . .
コメント 林興庵 晋山式 山田住持

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