過日の「 にいがた酒の陣 」は、地酒王国 新潟の九十の酒蔵が総力をあげての催しであるとのこと。会場を廻っていると、県外からもお出かけのお客様の気配も多く感じた。
今年はNHKの大河ドラマに「 天地人 」とあるから、新潟県は大観光年とこの会場でも張り切っていた。

ここぞとばかりに、兼続あやかりのお酒も登場していたが、上越の「 謙信 」、中越の「 景虎 」・「 三国街道 」はにわかなあやかりではなく、前々から越後をアピールしてきたお酒の銘柄である。栃尾の「 景虎 」は、関東圏で人気のスッキリ系のお酒である。景虎は栃尾で育った若き日の謙信・長尾景虎にちなんだ名称であって、NHKドラマでの悲劇の武将上杉三郎景虎とは別になる。
長岡摂田屋の「 三国街道 」、本格的純米吟醸酒で、こだわりは旧三国街道沿いの酒屋のみが取り扱いだとのこと。
三国街道は上杉謙信が関東出陣の「越山」のおりの街道である。上田(
六日町)出自の景勝・兼続にしても領国経営には最重要の道筋であった。この道筋に沿う酒販店だけが、たいせつに取り扱う酒としての蔵元の意識であった。
謙信の時代の天文十七からつづくという蔵元も、この街道に沿う醸造の町・摂田屋で、足下の泉を探ろうと、こだわってきた純米吟醸だということである。

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