春陽の一日であった。
なかなか暖かくならないのし こんな挨拶言葉を交わしながら、春を待っていたのである。四月の声を聞いてようやく春を感じた。
ふりつみし 高嶺の深雪 とけにけり 清滝川の 水の白波
たしかこんな古歌があったかな、と六十年前の中学生のときの国語教科書が思い浮かんだ。
冬涸れの川の流れにも春の兆しは見えてこないかと、いつもの川口ポイントに佇んでみた。

正面は魚沼の山並みから流れ出る魚野川である。右手から流れ込むのは、信州千曲川をうけた信濃川である。天下の大河にはまだ春水の気配はなかった。野も山も雪は深く固いのである。
昨年のこの時期、川口町の最後の春を惜しんで、やはりこの場に立っていた。
H.22年3/30の落合 ↓ クリック拡大
こうして2枚の写真を見比べると、今年のほうが野山に雪の多いのがわかる。今年の川はまだ冬涸れのままの流れであるが、昨年は雪融けの水が、川会いの水嵩を豊かにしていた。魚沼の川に春水の豊かな気配が見えてくるのは、国境の山並みを越える春風にフェーン現象による気温の高まりまで待たねばならないのである。
こうして三郎次に、遅い春の気がかりが、頭をもたげることになる。
新潟県農林水産部の発表
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4月1日 魚沼
3月29日 魚沼
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3月23日

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