「夜郎自大な思考で完結する日本人が、いつの間にこれほど増えたのか、と思う:山崎 雅弘氏」
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https://twitter.com/mas__yamazaki
長年の伝統や文化の中に人権侵害的要素が含まれている時、外部の視点や価値判断を経由せずにそれが「人権侵害」だと気付くことは難しい。
外部から指摘されても「これは伝統だから」と是正を拒絶する例は、宗教的な保守派が支配力を持つ国では珍しくない。
日本は今どんな国で、どんな国になりたいのか。
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「(NHK新会長の慰安婦発言について)会長が個人として発言されたものと承知している。政府としてコメントを差し控えたい」(ロイター)
http://bit.ly/1n4v9xL
戦後70年かけて先人が築き上げた国際的信用が刻一刻と毀損されている中で、発言の是非を明言しない官房長官。
NHK新会長があのような発言をし、政府がそれを全く問題視せず擁護する構図を、少し引いた視点で見ると、新会長の発言は「今後のNHKはこの方針で行く、異論は認めない」という社員向けの恫喝と見ることも可能だと思う。
「抵抗しても無駄」という空気が社内に広まれば、恫喝は成功したことになる。
> ゲッベルスの日記には初動が大切て書いていました。メディアの人間には、事は既に決したのであり、今後は、そのように運んでいくとわからせてやる、と。中公新社文庫の国家社会主義とドイツ より
不注意の「妄言」なのか、内外の反響をあらかじめ計算した上でなされた「恫喝」なのか。
もう既に「少々の暴言や独裁的な権力行使では野党もメディアも驚かない、問題視もしない空気」が、国内で漂いつつあるように思えます。
暴言に慣れて感覚が少しずつ鈍化し、やがて麻痺していく。
ネガティブな意味で引き合いに出されたドイツやフランス、オランダでどう報じられているのか気になります。
信用や信頼関係の構築には長い時間と根気、誠意が必要ですが、壊すのは一瞬でできます。
国家間・国民間の信用や信頼関係の破壊は、国益の毀損に他なりません。
官房長官は「個人的な意見であれば問題ない」として、NHK新会長の発言を問題視しない態度を貫いているが、発言内容について官房長官が「政府の認識とは異なる」と明確に否定しなかったということは、現在の日本政府がNHK新会長の発言内容をエンドーズ(是認、支持)していることを意味する。
日本維新の会共同代表橋下大阪市長「籾井さんが言ってることは、まさに正論ですよ。その通りです。あの主張に対して反論なんかできる人、いないと思います」
政府関係者「間違ったことは言っていないと思うが、それを公の場で言っちゃうのはね」(FNN)
http://bit.ly/1ckOiHw
NHK籾井会長「就任の記者会見という場で私的な考えを発言したのは間違いだった。私の不徳の致すところです。不適当だったと思う」(朝日)
http://bit.ly/1mN6pao
「言った内容は間違っていないが、言う場所を間違えた」これがNHKトップと大阪市長、政府関係者の共通認識。
「国際感覚の欠如」と言われても、それが重要な問題だと感じず、逆に「正しいのは我々なんだから外国から不当な文句をつけられても無視すればいい」と夜郎自大な思考で完結する日本人が、いつの間にこれほど増えたのか、と思う。
嬉々とした表情で他国を貶す人が、政党や国際企業の上層部に普通にいる。

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