正直なところ、岐阜市にしても自分の役所や議員や市長のプライドだけを押し通すのは逆に危険に感じると思うし、名鉄も然りである。そのことを口が悪い中でも言い続けなければ目覚めないのかな?市民がそのことに気付けば逆に集中して問いただすことになるだろうし、イメージを悪くすることにもなりかねない。それは岐阜バスといった名鉄の子会社にも影響するし、そのバス会社もある種当事者だからなおさら影響を与える。そのような会社イメージに対する危機管理も企業人・役人や議員さん、市長さんはしっかり考えていくべきではないか、そのように感じる。
さて、先日紹介したレポート
http://town-m.vop.jp/report_5_gifu_tram.htmの中で、岐阜市民及び岐阜周辺の地域の人がどこに通勤するか、ということに関しての資料があるので、その資料を参考に話していきたい。
まず、思ったことは岐阜市圏域の人々は県都岐阜で通勤し、愛知県や名古屋市に向かう人が少ないことである。つまり一旦大きな流れが岐阜でせき止められ、そこから名古屋方面へ向かうイメージが浮かぶことだ。
ただ、一方で、羽島や各務原のような岐阜と名古屋の両ベクトル傾向の方向性を持つ都市も存在するのは確かだ。
通勤費や通勤距離から考慮しても通勤時間の割に高いこともあり、名古屋のベットタウンとしてはあまり考えられていないことは分かる一方、岐阜市在住の方の中にも名古屋への通勤を行っている人もいる、ともいえる。
ただ、一方、実際の通勤でどのような交通手段が使われているか?となると岐阜市内でと答える人と名古屋市内でと答える人との間に違いが出てくるのは間違いない。
そう、「鉄道等の公共交通機関」か「自家用車」かの違いだろう。
岐阜で完結する人の場合、バス沿線や鉄道沿線に近い場合でも乗り継ぎが不便な箇所に行く場合、どうしても車を使わざるを得ない。それに対し、名古屋の場合は(名鉄orJR)岐阜駅から名古屋駅へ向かい、そこから地下鉄なりバスなり使うルートが用意されている。それでも岐阜駅へ向かうバスが不便で車で向かう人がいるかもしれないが、大概はせいぜい岐阜駅止まりでP&Rを利用するだろう。そう考えると圧倒的な差で岐阜市への通勤の方が名古屋市よりも多い状況でも、公共交通利用の有無を考えた時にかなり差が縮まってくるのではないか?と見る。
となる場合、確かに対名古屋政策で公共交通の速達化を計る方法もあるだろう。しかし、かつての利用者の大半+新たに沿線から名古屋方面へ向かうのに利用する人、でやっと第一段階が終了するに過ぎないこととなるのは確かだ。
では、どうすれば公共交通利用のさらなる飛躍がなされるのだろうか?
それは「いかに車利用者を公共交通にシフトするか」ということになるだろう。ある意味「最終決戦」になるだろう。
そのターゲットは岐阜市内へ向かう車利用者の確保に尽きる。しかし、これは並み大抵のことではない。
車利用者は車が家から目的地までスムーズに移動出来るから利用しているのである。それを車利用者の感覚には多少不便にうつる公共交通を利用するには事業者のみならず自治体の強力なバックアップが必要になる。
バックアップといっても単に車の利用を不便にするだけではついていかないだろう。公共交通利用で何らかのメリットが得られることと同時平行でなければうまく進まないだろう。それは自治体だけではなく企業の協力が必要になってくるのは間違いない。
確かに、公共交通の岐阜市内もしくは郊外から岐阜市内への需要可能性はかなりあるものの、実際にふたを明けてみるとあまり芳しくない数字が出てくる。そういう意味では車利用者に対する「雨と鞭」政策を考えることも自治体は必要ではないか、と感じる。

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