非常に面白い話であるが、世間では「似て非なるもの」が非常に多い。
一瞬同じものだと思ってしまっても、良く調べると全く別物で、使い
勝手が悪ければ役に立たないものも多い。
これもその類いだろうか?
かなり前に話になるが、6月の初旬あたりに報道で三井物産系の会社がフランスの会社から「トランスロール」という交通システムの販売を受託したそうだが、かなり前から噂にはなっていた。
三井物産交通システム株式会社
http://www.mitsui-tr.co.jp/
その一方、前回紹介したJR北海道が開発しているDMVだが、今年10月前後に営業線で実験試運転(JR石北線北見駅−女満別空港間)を実施した後に本運転を行う路線を選定するという。今回は、2両編成で運行される。
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本文
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050618&j=0024&k=200506182141
JR、来秋にも営業運行 DMV、線路も道路もすいすい 駅と空港も“直結” 2両連結で試験へ (北海道新聞経済欄) 2005/06/18 08:33
JR北海道は十七日、線路と道路両方を走行できる新型車両「デュアル・モード・ビークル(DMV)」の営業運行を二○○六年秋にも始める方針を決めた。今年九、十月に二両連結させた「U−DMV」の走行試験を、JR石北線北見駅−女満別空港間で実施する。この駅から空港へ乗り換えなしの初の実地試験を行ったうえで、運行する路線を決める。
走行試験は九、十月の計二十五日間実施する。JR石北線北見−西女満別駅間約三十二キロは線路、西女満別駅−女満別空港間約二キロは道路を走行。夜間の試験は線路のみ走る。地元住民らを募って延べ約二百人に試乗してもらい、乗り心地や活用策についてアンケートに答えてもらう。
JR北海道が開発したDMVは、マイクロバスを改造、タイヤのほか列車用の鉄輪を取り付け、鉄輪を出し入れして線路も道路も走行する。昨年から、JR学園都市線や日高線で走行試験を行い、乗り心地や安定性を確認したが、定員が二十八人と少ないことから、連結型の開発を計画した。
U−DMVは改造マイクロバス二台の互いの後部を連結器でつなげる。定員は二両で約四十人に増える。連結型車両は混雑状況や目的地別に車両一台ずつ切り離して走ることができるため、用途が大きく広がりそうだ。
実用化する場合、走行路線の状況をみて、一両か二両編成かを決める。
同社は赤字のローカル線対策としてDMVを開発したが、全国的な関心も高く、観光地周辺の道路の渋滞対策や、市街地と空港を結ぶアクセスの利便性向上などさまざまな活用策が検討されている。
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さて、このトランスロールとDMV、似ているようで全く別物のシステムなのは言う間でもない。
まず、従来の軌道を活用する面においてはDMVの方が1段も2段も上手である。しかも、従来の道路施設も軌道と車道のモードチェンジを行う箇所さえあれば一般道路にも乗り入れが可能である。
しかし、問題がある。今回2両編成で運転することとなるが、実際の営業の際は許可の面で多少難儀が必要になる。公道の許可をかわすために分割併合を行う手もあるが、それではスムーズな運転は難しいかもしれない。
一方、トランスロールの場合は軌道面はレール一本を中心に敷き、併用軌道の舗装面を若干削る作業が必要となる。敷く作業や設備費はかからないものの、一旦従来型の軌道を敷いた箇所での実施はかなり難がありそうだ。ただ、車両面から見るといかにもLRTのイメージはある。しかし、柔軟性の面では多少欠けるようにも思える。
この件は関心があるので、後日にも話していきたい。

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