長くなりましたので、次に緑2巡回から。
【緑2巡回】
今この項で紹介した路線のなかで最も若い路線で、地下鉄名城線環状化に伴うダイア改正で誕生した地域巡回路線の一つ。
実を言うと、高速1号系統は緑区役所を経由しているため、有松地区から緑区役所へのアクセス路線としても使われている。ただ、一時30分ヘッドで運用したものの、収支を稼ぐための利用者が少ない(実際には多いが、距離が長いため運用面で難がある)ことから、高速1号系統とは別に有松地区から緑区役所へのアクセス路線を増設する必要があった。
そこで、1998年に大高11号系統として大高駅前から有松町内を循環して大高駅前に戻る路線を設置し、高速1号系統の本数を減らした。ただ、高速1号系統が40分ヘッドで大高11号系統は1時間ヘッド。しかも、高速1号系統の後ろに大高11号系統が走る団子状態のようなこともあったため、うまく機能しなかった(その後は有松11の項の紹介通り)。
今回も高速1号系統が削減されることもあり、また有松11号系統の循環廃止に伴う桶狭間北・桶狭間荘地区〜有松駅方面の路線の補完や2003年12月改正で朝夕のみしか運転されなくなった大根山・文久山地区の補完も含めて有松駅や緑区役所・大高駅を通って有松町口無池を起終点に巡回する地域巡回バス路線の一つとして営業することとなった。ちなみに、担当は鳴尾である。
【問題点】
今回は、それぞれの角度から見ていきたいと思う。
【1.高速1と基幹1、名駅18】
高速1号系統は朝は栄方面へ、夕方以降は栄方向から帰宅する傾向にある。
ところが、その間の時間帯でも節目節目に需要のある箇所が存在する。
例えば午後2時台の栄行きやそれを折り返す形になるだろう3時台の栄発も需要は多い。ここら辺の補強は必要だろうが、今回の改正では逆に削減されてしまった。
この箇所は見直すべきだろう。
ただ、最大の問題は、一番始めに述べた通り、朝なるべく多くのバスを栄に向け、空車になる逆の運用をなるべく多く減らして効率を上げるにはどうしたらよいか、逆に夕方以降を出来るだけ遅い時間まで運用させながら逆の運用に関しても効率よく走らせたい、という点だろう。
今年の10月から基幹1号系統と高速1号系統の混成運用がスタートした。ただ、見ていると、運用面で不可解な面も多く見られる。その一つが本来の基幹1号系統の需要時間と実際のダイアとでは食い違いが生じている。本来なら7時台前半から
8時台あたりまで多くなっていてもいいものの実際はそうなあっていない点とそれが故に基幹1号系統の栄行きの輸送も影響を受けている点である。
基幹1号系統が鳴尾単独であるため、9時台に入庫するための運用が多く見られるのも仕方がないかもしれないが、それでは効率の良い運用とはいえないではないか。運用の一部を浄心に回す等の工夫も必要かもしれない。
ただ、そうなってくると基幹バスの問題は解決するかもしれないが、運用のバランスは悪くなる、また、高速1号系統の運用は未解決のままだ。
そこで、名駅18を鳴尾担当にするのはどうか?この場合だと、高速バスと名駅18、栄23の運用を絡めることが可能だし、名鉄神宮前という場所も国道19号線や247号線を使って回送させることで効率の良い運用は可能である。朝や夜遅い時間帯は浄心や稲西で対応せざるを得ないが、そうでなければ鳴尾でも担当可能である。
あと、雁道や高辻ではあまり感じないが、基幹バスの止まらない東郊通二丁目付近や鶴舞と上前津の間の大池町付近はバス路線が弱いような気がする。改善してもいいのではないか。
【2.基幹1と金山18】
高辻〜本星崎町間を完全に平行するため、まるで急行バスと普通バスのような錯覚を感じる。それはそれでいいのだが、この2路線に関しては特別制度を設けて利用者が運賃に支障を来さないような仕組みを作るべきだろう。
あと、かつて平行して走っていた丹八山ルートの復活を考えていい。というのも、基幹バスの走る国道1号線(空港線)の道路は広いものの、多くの車が走るためお年寄りにとっては移動が大変であるし、渋滞によって遅延も出ている。
一方、丹八山線は道が狭いため廃止に至ったが、現在では中型バスや小型バスも運用している交通局なので走らせるのに無理な理由はない。
丹八山の転回場を復活させろというのであれば無理であるが、笠寺駅から南区役所を経て大磯通に入るならば問題はない。出来れば神宮東門〜笠寺駅とし、堀田と伝馬町で地下鉄に連絡させるのが良い。
【3.高速1と緑2巡回】
大高11の時の失敗をふまえたダイアのようにお見受けをしたが、全くの期待はずれと言わざるを得ない。というのも、有松駅を通ることを前提として考慮されていないダイアであり、運用が第一のダイアのようにしか見えない。
高根停から有松小学校停に入る際に高速1号系統や野並18号系統みたいに栄や野並に向かうのが第一で且つ大型バスを使う路線は国道沿いのバス停に向かい、そこからまっすぐ国1を進んでいくのに対し、緑2巡回や要町11のような中型や小型バスを運用し、地下鉄の駅や都心に向かわない路線は国道沿いのバス停に止まらず、右折して有松駅南手前側のバス停に停車し、名鉄線の踏切を越えて有松駅ロータリーに入る。そこからロータリーを出た後踏切を再び渡り、先ほどの場所とは反対側方面の有松小学校停留所に止まり、国1との交差点を右折し国1に戻る。
有松駅を通過するのとロータリーに入り停車するのとでは8分から10数分かかり、緑2巡回が有松駅に入るその間に高速1が通過することも多くある。そのため、先に出た緑2巡回が遅く緑区役所に到着するという現象も起きている。
高速1号系統に抜かされる緑2巡回では意味がないので、少なくとも高速1号系統と緑2巡回は20分程度離して運転させるべきだろう。
また、緑2巡回右回りの起点(左回りの終点)の仕方にも問題がある。あえて新道(有松11のときに紹介)経由で有松町内を通してもいいのではないか。
【それを踏まえて】
最後にそれを踏まえて、高速1号系統の朝の便1本栄行きと夜の便1本森の里団地行き、昼間の両方を1往復を増発することも考えた方がいいのではないか。
また、高速1号系統は土日祝日でも運転しているので、朝9時台の栄行きの確保や夕方5時ぐらいの栄発の確保も考えてはどうか。
6月の初めには有松絞り祭りがある。そのときは反対側の需要も多いに考えられるので、昼間時間帯の名駅18を稲西か浄心にお願いして、高速1に特化するとともに増便するのはどうか。
また、8月終わりに日本どまん中祭りや広小路まつり、10月に名古屋まつりがある。これも栄周辺が渋滞するため、通常の運用は難しい。また、12月には名駅周辺でセントラルタワーのイルミネーションで渋滞するため、運用面で苦しい。昼間時間帯の一部を名駅18を稲西か浄心にお願いして、名駅18鳴尾便に関しては出入庫的な運用で考慮してもいいように思える。

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