「高千穂鉄道全線復旧断念と、部分運転に関するアンケート」
全国や海外の路面電車と鉄道
桃花台の話題ばかりだと何なので・・・・。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_05121005.htm
台風被害の3セク・高千穂鉄道、全線復旧を断念(12/10読売)
台風14号で壊滅的な被害を受け運休が続く宮崎県高千穂町の第3セクター・高千穂鉄道(社長=黒木睦郎・高千穂町長)は9日、取締役会を開き、高千穂〜延岡駅(同県延岡市)間約50キロの全線復旧の断念を、全会一致で決めた。観光客の利用が多い高千穂〜槙峰駅(同県日之影町)間約20キロを部分運行するか、全線廃止するか、20日に開く次回の取締役会で結論を出すことにした。
同社では、全線復旧には計40億1000万円が必要と試算。復旧しても、10年間で5億6000万円の累積赤字が見込まれている。
会見した黒木社長は「復旧に40億円かかることや黒字が見込めないことから、つらい判断をせざるを得なかった」と述べた。
一方、高千穂〜槙峰駅間を段階的に復旧させる場合の経営見通しでは、災害復旧費3億9000万円や設備投資など計13億9000万円が必要で、運賃値上げや人員削減などを行っても、10年間で2億4000万円の累積赤字が出ると見込まれた。部分運行の場合、延岡市と北方町は路線からはずれることになり、3セクの経営形態をどうするかなどの新たな課題も出てくる。
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で、それを踏まえて、ではありますが、
荒川光線さんのブログ、公共交通問題ブログ "FOOT-SHOT"の
どこへ行った 「乗って残そう」や、
Simplex's Memoさんの
高千穂鉄道存廃に関する地元アンケート調査結果を見る。の中でも紹介していますが、一応、こちらでも・・・(12/14読売、宮崎版)。
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(なお、調査自体は全線復旧を断念する前に行われ、全線復旧に伴い、10年間で約40億円が必要になる事を踏まえた上で、アンケートが実施された、と報じていることを追加)
アンケート内容
町と県北の将来のために残して活用すべきか
→「そう思う」57%、「思わない」41%
通学や高齢者の通院、観光・運輸産業面から残して活用すべきか
→「そう思う」60%。「思わない」38%
経営改革をして存続すべきと考えるか
→「そう思う」60%、「思わない」37%
1年間に高千穂鉄道を利用した回数
→「0回」 35%「1〜 5回」34%「6〜10回」 6%「10回以上」6%
存続した場合、今後利用するか
→「利用する」50%、「利用しない」42%
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存続すべきという声と存続後も利用するとの声に若干の食い違いがあることが見えます。
その中でも、「町と県北の将来のために残して活用すべきか」というよりも「通学や高齢者の通院、観光・運輸産業面から残して活用すべきか」という意見に多く賛同していることもわかります。
ただ、一方で、1年間に高千穂鉄道を全く使っていない人が35%。おそらくこの多くは「必要ない」という声だろうかと思います。
桃花台線などでもそうですが、「必要ない」という声の多くが実は車利用者のケースが多いです。車があるから不要。ま、それはそうなのでしょうが・・・。いつも思うことですが、アンケートを見ると思うことは、「俺らは車がある、高校生は免許がない、でもこんなの(鉄道)はいらない、バスで十分」といったある意味傲慢にも似たような趣旨を感じる答えが目立つことです。
これはある意味教育の問題になるのかな、とふと感じました。
ま、脱線はさておいて、このアンケートを見る限りでは、「使わないが使う人のために残してほしい」という趣旨の意見が若干あったことにつきます。これは、生活路線ではあるが、最低限の、という意味も含めたものなるかと思います(年10回以上6%という数字はやはり低い・・・)。とともに、むしろ観光面における期待もあるのかな、とは思ったのですが・・・。
(ちなみに、このアンケート結果は16日に高千穂鉄道の社長でもある高千穂町長に提出される予定。同委員会では「町民の声を代弁する結果と思う。20日の取締役会では、この結果を踏まえて結論を出してほしい」としています)。
ついでに、12/10の断念の件ですが・・・。延岡市には影響がなかったのに、なぜ声を出さなかったのか・・・。これがかなり気になります。

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